ビジネスモデルの挑戦Tokyo Project Gathering②(10/27)
「Tokyo Project Gathering」(TPG)のプレゼンテーションの大きな特徴は、出品企業や作品に従来と異なるビジネスが目立ったことである。そもそもこのプレゼンテーションが事業パートナーの募集であるため、既に独自のネットワークや充分な資金調達方法を持っている大
イベント・レポート
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しかし興味深いのは、新興企業が新しい作品を持ってくるだけでなく、ビジネスモデル自体に新しさがあることだ。プレゼンテーションが単なる事業パートナーの募集に終わらず、新しい映像ビジネスのショーケースになる可能性を秘めているともいえそうだ。
プリンセス・アイ物語 ~アイランド伝説戦記(クロニクルズ)~
『プリンセス・アイ物語』は米国のマンガファンにお馴染みだが、日本ではあまり知られていないTOKYOPOPが手掛ける。TOKYOPOPは米国で日本マンガの翻訳出版を手掛ける出版社だが、近年急激にビジネスの多角化を進めている。今回のアニメ制作もそうしたビジネスの多角化にひとつといえそうだ。
面白いのは名の知れた人気マンガや小説を原作に利用するのでなく、キャラクターコンセプトのみ人気マンガ家矢沢あいに提供して貰い、実際の物語やマンガはTOKYOPOPのスタッフが書いている点である。また、マンガのコンセプトにはゴシックロリータ、Jポップ、アクション、ファンタジー、美少女とサブカルチャーの人気要素を全て投げ込んだかのようだ。非常にマーケティング主導の作品という感じを受けた。
/TOKYOPOP
ブラスター
『ブラスター』は、いかにもありがちな日本の特撮ヒーロー作品である。制作会社のビルドアップ自らがそう紹介し、自社が既に制作をした『スぺクター』と似たイメージであるという。この作品が注目されるのは作品の内容でなく、その画期的なビジネスモデルにある。
作品は最初から海外展開を視野に入れており、コンセプトと特撮シーンのみが共有でそれ以外は各国で自由にアレンジすることが出来る。つまり、東映の『戦隊シリーズ』を米国俳優が演じて再編集し『パワーレンジャー』にしたの同じことを、最初から想定してかつ世界規模でやってしまおうというものである。
まず世界各地からフランチャイズを募集し、フランチャイズに特定地域の全権利を売る。そのうえで、脚本と特撮シーンがフランチャイズに与えられて役者のみ現地で撮影、かつ特撮シーンはテンプレートになっており背景はそれぞれの国に合わせて入れ替え可能になっているという。まさに、デジタル技術の進んだ現代ならではビジネスであるといえそうだ。
/ビルドアップ
N.Y.サラダ~野菜の妖精たち
タツノコキャラクターやファイナルファンタジーのキャラクターデザインで知られている天野喜孝の独特の絵をCGアニメにするという企画を打ち出したのは、デジタル・メディア・ラボである。高い技術力で天野喜孝の最新作『N.Y.サラダ~野菜の妖精たち』をフルCGアニメーションで表現しただけでなく、ビジネスモデルも独特である。
提案されたのは劇場用映画でも、30分ものTVシリーズでもなく、2クール分のショートアニメ130本である。ターゲットと想定する顧客層も、OLやヤングミセス、ヤングミセスが子供に買って与えるアニメーションとしており従来にはあまりない。テーマはファンタジー、ファミリー、癒しである。
ハイマーケットを狙ったアニメーションはこれまであまりなく、従来とは違うマーケティングや仕掛けが必要になりそうだ。それだけに、未知の大きな市場があるかもしれない。
/デジタル・メディア・ラボ
/Tokyo Project Gathering
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