「ランダム…平殿器いるのか…どうしよう…」
アニメ『日本三國』にハマってグッズを買い漁るのはいいが、ブラインド仕様のグッズラインナップに平殿器内務卿が存在していた。主人公を苦しめていたからこそ、平内務卿が出たら処遇に困るなと思っていたが、ふと、「私、内務卿のことよく知らないかもしれない…」と気づいた。それからは、平内務卿をじっくりと見るようになり、その手腕と先見の明を実感した。
今回は、平内務卿の魅力を、原作未読の筆者が“独断と偏見”をたっぷり交えながら語り、残り2話の予想を立てていく。
「日本三國」とは
『日本三國』とは松木いっか原作の同名マンガを映像化したもの。原作は、2026年3月時点で、シリーズの累計発行部数は100万部を突破している人気作だ。
核大戦、天災、悪政などから革命が起こり、文明が崩壊した日本。国は三つに分かれ、覇権を争う三国時代に突入。しがない地方役人だった三角青輝は「日本再統一」を目指し、豊富な知識と長けた弁舌でのし上がっていく。後に奇才軍師と称される男の伝説が幕を開けるという物語。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。
仕事も判断も早すぎる…情けは一切なし
平内務卿は、かわいらしくピースをする姿からは想像ができないほど残酷だった。自身を不快にさせた相手には、女であろうと容赦はせず、徹底的に処罰する。本作を見始めた時は、主人公・青輝に感情移入をしていたためか、青輝の妻・小紀を処刑した内務卿に怒りを覚えていた。
しかし、平内務卿側に立った時、また違った目線で見ることができた。「デブ」と呼ばれることが嫌いな平内務卿。「傷付くからか?なら痩せたらいいのに…」と、即処刑されそうな言葉を浮かべていたが、ふと「ふくよかであることは裕福である証拠だった」ということを思い出した。
何年も培ってきた「裕福であることの証拠」を「デブ」の言葉で片付けられると、確かにイラっとするかもしれない……そう思えば「デブ」と言った者に(直接言われていなくても)手を下すのもうなずける。

小紀の処刑シーンに関しては、どんな会話があったのか、アニメでは描かれていなかったため分からないが、「徴収の邪魔した」「デブと言って軽んじた」となれば、小紀のことを自分たちの政権をおびやかす人物と断定し、情けを掛けずに早めに芽を摘むという意味でも、徹底的に排除するのは判断としては間違っていない、と個人的に思う。
平と平以外で偏りがありそうだが、そういうわけでもない平内務卿。誰であっても平内務卿の前では平等で、処罰対象になりうる。ある意味、差別も区別もない平等の人物なのだと感じ、ピースをする謎多き平内務卿にだんだん興味や愛着が沸いてきた。
意外と「話」を聞き、実力も認めることがでできる人物
おちゃめな一面も多く、自身を不快にさせる人物に容赦がない平内務卿は、ただの自己中ではなかった。青輝の未来を見据える目や知識をしっかりと見抜き、その計り知れないものを排除するのではなく、未来ある青年を見逃すこともできる。意外すぎるが、実力をしっかりと認めることができる器も持ち合わせているのだ。
だからこそ、平内務卿にとって邪魔な存在である辺境将軍・龍門に留めをさすことはしない。ただ龍門を消したところで、辺境将軍隊には龍門を尊敬し、龍門と同じ志の者がおり、龍門のように何度も己の前に立ちふさがってくると考えると、わりと下手なことはできない。筆者なら、無駄な体力も使いたくない。消すなら、大きな罪で、二度と立ち向かえないよう理由が絶対に必要になるんじゃなかろうか。
龍門を退けるためには、それ相応の理由が必要だと考えた結果、自分の息子・殿継さえも使うのだ。家族であっても平は平というお考えなのか、容赦がない。「息子を救えなかったから処罰」という最大の理由があれば、誰も反論できないし、龍門も手も足も出ないのではないか。
親としてはいかがなものかと思うが、自分の地位を確実なものにしようと行動できる人間。であるならば、大変“魅力的な敵”だと思う。誰に何が起ころうとも、自分を曲げない。そんな強敵(=平内務卿)の存在は、『日本三國』には欠かせないのだ。

残り2話でどう描くのか、予想を展開
第10話で青輝と再会した平内務卿。以前、己の前でしっかりと言葉を述べた青輝の真っすぐな成長、知識や実力を付け、出世していたことを素直に絶賛していた。しかし、青輝をただ認めるだけでは、平内務卿ではない。追い込まれている大和軍の状況を何とかしようと奮闘する青輝の前に、しっかりと平内務卿が立ちふさがった。その姿は大きく成長した青輝に対し、「お手並み拝見」といった感じにも思えた。
「陛下より撤退の勅書を、賜りたく」と青輝が語る「撤退」の真意と、それでも反対する殿器。全ての判断は、帝に託されるというのが、第11話のあらすじだ。予告動画でも、先行カットでも、向き合う青輝と平内務卿の姿があるが、それから伝わるのは「対等である」という印象だ。
個人的に、青輝の話をしっかりと聞き、いったん好きにさせつつ、いいところで再度絶望させて、「残念やな、兄ちゃん。出直してき」とピースで締める気もしている。逆に、「今日から私の手となり足となり、働くんや」という展開もありそうだ。
上手くいったところで、倍返しで絶望感を与えてきそうな平内務卿。まだまだ青輝には明るい未来が来る気がしない。正直、どう転んでも面白いストーリー展開が待ち受けているに決まっている。残り2話で、平内務卿は強敵としてどんな行動を起こすのか、考えただけでもワクワクが止まらない。

メロい男が多すぎて情緒を狂わせてくるアニメ『日本三國』。だか、そのアニメには、“敵”としての立場・面白さを最大限に生かしている、平内務卿の存在があるのだ。これからの平内務卿の活躍にももちろん期待したい。
■TVアニメ『日本三國』作品概要
<配信情報>
2026年4月5日(日)21:00よりPrime Videoにて世界最速配信
2026年4月6日(月)21:00よりU-NEXTにて地上波先行配信開始
<放送情報>
2026年4月6日(月)24:00よりTOKYO MX・BS日テレほか各局にて放送開始
<キャスト>
三角青輝:小野賢章
阿佐馬芳経:福山潤
東町小紀:瀬戸麻沙美
龍門光英:山路和弘
賀来泰明:中村悠一
平殿器:長嶝高士
藤3世:木村太飛
輪島桜虎:津田美波
閉伊弥々吉:堀内賢雄
長尾武兎惇:梅田修一朗
九羅亜輝威:咲野俊介
平殿継:村瀬歩
ナレーション:潘めぐみ
<原作>
原作:松木いっか「日本三國」(小学館「マンガワン」連載)
<スタッフ>
監督:寺澤和晃
シリーズ構成:内海照子
キャラクターデザイン / 総作画監督:阿比留隆彦
美術監督:田村せいき
色彩設計:小針裕子
撮影監督:木舩颯人
2D/特効:加藤楓菜
筆文字:桐山琴羽
編集:今井大介(JAY FILM)
3D監督:小川耕平
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
音響制作:サウンドチーム・ドンファン
音楽:Kevin Penkin
制作:スタジオカフカ
製作:日本三國製作委員会 Co-produced with Amazon MGM Studios
<音楽>
オープニング・テーマ:キタニタツヤ「火種」
エンディング・テーマ:Leina「誓い」
(C)松木いっか/小学館/日本三國製作委員会










