音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』(通称『ヒプマイ』)のメインキャストが集結した2DAYSライブ「ヒプノシスマイク 10th LIVE ≪LIVE ANIMA≫」は、1日目となる「-HOMIEs-」が4月6日に幕張メッセにて開催された。
本公演は会場に加え、全国各地の映画館でのライブビューイング、そしてABEMAでの生中継も実施された。特にABEMAでの配信では、様々な角度からステージを体験できるマルチアングルが取り入れられ、ライブ配信の進化と新たな取り組みへの意欲を感じさせた。
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1日目は会場の明かりが落ちると、まずはステージにDJ U-ICHI(HOME MADE家族)が上がり、ヒプマイ楽曲をメガミックス形式でプレイしていく。そして作品のメインキャストである総勢18名のメンバーがステージに揃い踏みし、ライブはTVアニメ第2期「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima +」の主題歌「RISE FROM DEAD」からスタートした。ロッキッシュで疾走感のあるビートに、18人の声優陣がラップを刻み、その個性とキャラクターの違いを表現していく。
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「まだ始まったばかりだぜ!」と山田一郎を演じる木村昴が観客に呼びかけ、楽曲はイケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!が歌う「Bring it on」へと移る。ストリートで人気を誇ったヒップホップクルー・KANDYTOWNのRyohuとNeetzが手掛けた楽曲は、ヒプマイの中でもストリート性の強い彼らとの相性が抜群だ。
そして鮮やかなギターリフとタフなリリックとの温度差を、ヨコハマ・ディビジョンMAD TRIGGER CREWの3人がつなぎ合わせる「ジンギ(Pay Respect)」へと展開する。ナゴヤ・ディビジョンBad Ass Templeはオリエンタルなトラックに乗せて「SANITY」を披露。僧侶、バンドマン、弁護士というキャラの濃さを落とし込んだリリックを、声優陣はラップで見事に表現していった。
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SOIL&"PIMP"SESSIONSの手掛けるジャジーで複雑なトラックが記憶に残る「New World」を歌うのは、オオサカ・ディビジョンどついたれ本舗だ。シリアスなメッセージを歌いながら、最後は顔芸で決めるのもオオサカらしい。MCバトルなどで注目を集めるSKRYUがラップを手掛けたシンジュク・ディビジョン麻天狼の「Dive in」では、キャラクターに寄り添ったリリックをメンバーも楽しげに歌う姿が印象的だった。
各ディビジョンが歌うセクションのトリとなったのは、シブヤ・ディビジョンFling Posseだ。「AN IDOL」の内面性の強い歌詞と、センチメンタルともいえるサビをユニゾンする3人のコンビネーションが、ライブで非常に映えた。
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そして2ディビジョンごとによる共闘ソングに続き、イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクというヒプマイ最初期を構成した4組によるDivision All Stars「ヒプノシスマイク -Rhyme Anima-」が披露されると、観客からは大きな歓声があがった。
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ディビジョン・ダンス・バトルによるダンスパフォーマンスに続き、ステージに登場したのは、女性で構成されるディビジョンである中王区言の葉党だ。作品では中心メンバーと対立する存在であり、ヴィラネスでありながら、大きな歓声で迎えられたことは、彼女たちの人気の高さを伺わせる。そしてAwichの手掛けた「Verbal Justice」など3曲を披露し、ステージを後にした。
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続いては、2023年8月23日にリリースされたEP「The Block Party -HOMIEs-」サイドの楽曲が披露されるセクションへと入った。有栖川帝統&観音坂独歩はビッケブランカが手掛けた「Rivals!」を披露。ツキの無さや仕事の辛さなどのネガティブな感情をポジティブに軽やかに変換していく。
漫才コンビ・銀シャリと大阪の女性シンガー・大西ユカリが作詞を手掛けた「毎度!生きたろかい!~OSAKA Big Up~」は、漫才と大阪歌謡がドッキングされ、それを白膠木簓&躑躅森盧笙が演じ歌うという驚きの構成となった。
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ヒプマイ楽曲の中でも屈指のパーティチューンである「Get busy」を歌うのは波羅夷空却&山田二郎だ。WANIMAが手掛けたタテノリの楽曲をエネルギッシュに披露し、会場の観客もジャンプでその興奮を形にする。夢野幻太郎はその興奮を落ち着かせるような、Eveが制作したダウンビートでメロウな「夢の彼方」を歌い上げる。
そして前山田健一とDJ KOOの手掛けた「Move Your Body Till You Die!」は、ユーロビートとエアロビクス教室のような口上が合体。それをエクササイズしながら毒島メイソン理鶯とHOMIEsが歌う、身体を鍛える(!?)怪曲だった。ラストはヒップホップシーンを築き上げたMUROと、木村昴が好良瓶太郎名義でリリックを手掛けた、山田一郎の「HIPHOPPIA」だ。ヒップホップに賭ける情熱と希望が、会場に熱気となって伝わった。
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ステージに再び18人のメンバーが再集結すると、2024年夏にリリースされるヒプマイの新ゲームアプリのアナウンスから、その主題歌となる「ヒプノシスマイク-Dream Rap Battle-」が初披露された。RIP SLYMEの手掛けるポップでハイパーなビートにタイトなラップが組み合わされ、圧倒的なスピード感に貫かれた楽曲は、新たなヒプマイの代表曲になるだろう。
そしてこの日のゲストとして呼び込まれたのも、もちろんRIP SLYMEだった。「楽園ベイベー(Remix)」や新曲の「ネオンライツ feat. WISE & おかもとえみ」(Short ver.)、そして「JUMP」と一気に駆け抜けていく。そのままRYO-Zが「HOMIEs!カモン!」と呼びかけ、ヒプマイメンバーと「SUMMIT OF DIVISIONS -HOMIEs Ver.- with RIP SLYME」を披露。この日だけの特別なコラボ楽曲に、会場の熱気は最高潮に達した。
MCではこの日の感想やグッズ紹介、ヒプマイメンバーも登場する5月4日開催の「EVIL A LIVE 2024」などのアナウンスが和気あいあいと話され、ラストは18人で「Next Stage」「Hoodstar +」が連続で披露される。木村の「みなさんの生きる糧にヒプノシスマイクがなってくれていれば嬉しいです」という言葉に続き、メンバー全員で「ラップってたのC!」と呼びかけ、この日のライブは充実のうちに幕を閉じた。
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なお、新しい未来のテレビ「ABEMA」の「ABEMA PPV ONLINE LIVE(アベマ ペイパービュー オンライン ライブ)」では、この10thライブの見逃し配信を4月14日まで楽しめる。ヒプマイライブ初のマルチアングル配信チケットも用意されているので、ぜひ公演をチェックしてみよう。
¥3,300
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
~「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 10th LIVE ≪LIVE ANIMA≫ -HOMIEs-」セットリスト~
M1: RISE FROM DEAD
M2: Hypnotic Summer
M3: Bring it on
M4: ジンギ(Pay Respect)
M5: SANITY
M6: New World
M7: Dive in
M8: AN IDOL
M9: We go with the flow
M10: PUMP IT UP
M11: FIGHTER’S ROAD
M12: ヒプノシスマイク -Rhyme Anima-
DJ & Dance Bridge
M13: Femme Fatale
M14: Verbal Justice
M15: WINK
DJ Bridge
M16: Rivals!
M17: 毎度!生きたろかい!~OSAKA Big Up~
M18: Get busy
M19: 夢の彼方
M20: Move Your Body Till You Die!
M21: HIPHOPPIA
M22: ヒプノシスマイク-Dream Rap Battle-
SPECIAL GUEST ACT「RIP SLYME」
M23: 楽園ベイベー(Remix)~ ネオンライツ feat. WISE & おかもとえみ(Short.ver)
M24: JUMP
M25: SUMMIT OF DIVISIONS -HOMIEs Ver.- with RIP SLYME
M26: Next Stage
M27: Hoodstar +
■タイトル:
「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 10th LIVE ≪LIVE ANIMA≫」
■日時:
4月6日(土)「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 10th LIVE ≪LIVE ANIMA≫ -HOMIEs-」16:00開場 / 18:00開演
4月7日(日)「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 10th LIVE ≪LIVE ANIMA≫ -HOODs-」
14:30開場 / 16:30開演
■会場(両日):
幕張メッセ 国際展示場3~6ホール
■出演:木村昴、石谷春貴、天崎(崎はたつさき)滉平、浅沼晋太郎、駒田航、神尾晋一郎、白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏、速水奨、木島隆一、伊東健人、岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢、葉山翔太、榊原優希、竹内栄治、小林ゆう、たかはし智秋、山本希望
スペシャルゲスト「RIP SLYME」
Photo by: Akiya Uchida/Chisato Kamiishi/Kobayashi Ryunosuke