夏アニメ「白聖女と黒牧師」セシリア役・澤田姫インタビュー「相手を思いやる気持ちややさしさを大切に」 | アニメ!アニメ!

夏アニメ「白聖女と黒牧師」セシリア役・澤田姫インタビュー「相手を思いやる気持ちややさしさを大切に」

読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年8月号には、夏アニメ『白聖女と黒牧師』より、セシリア役を演じる澤田姫が登場。

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「白聖女と黒牧師」セシリア役・澤田姫
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読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年8月号には、夏アニメ『白聖女と黒牧師』より、セシリア役を演じる澤田姫が登場。

本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。

人のことを思って動ける強さを持っているキャラクター


――まず、『白聖女と黒牧師』という作品の印象を教えてください。

オーディション前からイラストなどをSNSで見ていて、そこから原作も読んでいました。絵柄はもちろん、登場するキャラクターがみんなやさしくて平和な物語で。ちょっと疲れたときに読むと心が穏やかに、前向きになれる素敵な作品だと思っていました。

――以前から知っていたとなると、オーディションの話があったときは、驚いたのではありませんか?

私自身、当時はオーディション経験がなかったので、まさか知っている作品からのお話があるとは……と、とにかく驚きました。スタジオオーディション当日はマネージャーさんが都合で来られず、ひとりでスタジオに向かったのですが、途中で迷ってしまって大変で。音響監督の土屋雅紀さんがオーディションの場を和ませてくださったのですが、とにかくやりきることに必死でした。

――セシリア役に決まったと連絡があったときのことは、覚えていますか?

本当に信じられませんでした。マネージャーさんから『白聖女と黒牧師』で役が決まりましたという連絡があったとき、役名を聞いていなかったんです。だから、どんなキャラクターなのかなと思っていたら、後日「スタジオオーディションで受けたキャラクター、セシリアです!」と言われて。正式に発表されるまでは信じられませんでした。

――実感がわいたのはいつぐらいでしたか?

じつは、取材などでお話をさせていただいているときなんです。収録中も、あとから全部別の方で録り直しますと言われるんじゃないかと思ってしまったくらいで(笑)。でも、取材をさせていただいたり、第1話の仮の映像を見たり、イベントに出演させていただいたりして、だんだんと夢じゃなかったのかなと思えるようになっています。

――セシリアへの印象は?

最初はやさしくて天然で、放っておけない感じがかわいいと思っていました。でも、オーディションを受けるにあたって原作を読み返していくなかで、かわいさはもちろん、それ以上に人のことを思って動ける強さを持っているキャラクターだと感じたんです。それから、誰が相手でも自分の気持ちを素直に伝えられる、まっすぐなところがかっこいいなと思って。そういう面にあこがれるようになりました。

――セシリアを演じるうえでは、どういったことにこだわりましたか?

まずはやわらかなイメージであることです。それから、発する言葉を大切に、相手を思う気持ちや愛する気持ちを出すことを意識しました。また、周りの人を優先するようなやさしさも心に置きながら演じていました。聖女さまとして振る舞っていないシーンでは、あえてきれいな声を出そうとはせず、素直なリアクションを心がけました。

――聖女であるときとダラけたときとで、かなり印象が変わりますよね。

聖女さまとして振る舞っているときは、胸を張るようなイメージでした。音響監督の土屋雅紀さんとも相談をして、大人っぽく、相手をやさしく諭すような気持ちでお芝居をしました。それから、相手が幸せになれるように、私が力になりたい、という気持ちを込めました。一方で、ダラけたときは聖女さまの凛々しさとは違うところを、しっかり切り分けるように演じました。ただ、セシリアさまは油断するとすぐに脱力するので、最初はその切り替えが大変でした。第3話のアフレコあたりから慣れてきて、そこからは、ローレンス役の石川界人さん、ローレンスの友人・アベル役の石谷春貴さん、アベルの教え子であるヘーゼリッタ役の中村カンナさんとの掛け合いで、自然と演じることができていったのではないかと思っています。

――その一方で、等身大の女の子らしさも見せますよね。

ローレンスに恋している姿をお芝居で出せるかという心配はありましたが、練習もたくさんして、石川さんが演技でもたおかげで、しっくりくる演技をすることができました。本当に皆さんのおかげです。

――アフレコで難しかったところは?

私がアニメに出演するのが初めてでスタジオでの収録も不安ばかりだったので、オーディションでのセシリアさまと違うお芝居になっていないかを考えすぎないようにするのが大変でした。音響監督の土屋さんから「大丈夫、セシリアになれているよ」と言葉があり、石川さんにも助けてもらって肩の力が抜けて、遠い存在だと思っていたセシリアさまと自分に、じつは近い部分もあるのだなという発見もありました。

――どこが近いと感じましたか?

脱力しているときの姿勢です(笑)。それから不器用で料理が苦手なところや、私もよくつまずいて人から「見ていて不安になる」と言われるので、それも似ていますね。

――逆に似ていない部分は?

素直にちゃんと気持ちを伝えられるところです。私はどちらかというと消極的で、自分の気持ちを言葉にするのが苦手なんです。ちゃんと伝わっているのか不安になることもあるので、セシリアさまのすごさを感じます。

――スタッフからのディレクションで印象的だったことはありますか?

石川さんをはじめとするほかのキャストさんに近づきたいという気持ちが強く、またセシリアさまの魅力をもっと出したいと思っていて、恋にまつわるシーンでかわいくやらなきゃと思ってしまったんです。そうしたら土屋さんにあっさりとバレまして(笑)、「そのままでいいんだよ」と言っていただきました。それからは、セシリアさまの気持ちがちゃんと届きますようにと、まっすぐ包み隠さずに想いを言葉に乗せることを意識しました。

――2人ともお互いを想っているのにそれが伝わらなくてソワソワしますね。

なかなか距離が縮まらないところがかわいいですよね。私としては、2人の距離が近づいてほしいけどこのままでもいてほしいなと思ってしまいます。

――澤田さんから見たローレンスの魅力は?

過保護さとやさしさと包容力があるところです。セシリアさまの不器用さや料理が苦手なところに共感できるからこそ、彼のように支えてくれる人がいたら飛び込んでいきたくなっちゃうんです。一緒にいて落ち着くし、素の自分でいられる。なんでも受け入れてくれそうなところが魅力ですね。

――2人以外で気になるキャラクターはいますか?

アベルとヘーゼリッタは、一緒に収録をしたこともあって気になります。2人の合っていないようで合っている関係性や掛け合いが本当に好きで。2人にも過去にいろいろあるとは思うのですが、そういうところも含めてもっと2人の会話を見てみたいです。

――アフレコで印象深かった出来事を教えてください。

皆さんに支えていただきましたし、とくに石川さんはすごく場を和ませてくださいました。「おなかが鳴った」と話したら、「背筋を正しておなかに力を入れると鳴りにくいよ」と教えてくださって。アニメの初めてのアフレコが『白聖女と黒牧師』でよかったな、幸せだなと思っています。

――放映も目前に迫りました。冒頭の見どころを教えてください。

セシリアさまは自分の気持ちがローレンスに伝わらなくて落ち込むこともあるのですが、負けずにがんばる姿が本当にかわいいです。セシリアさまもローレンスもいろいろな表情を見せるので、ぜひ見守っていただきたいです。2人を見ているともどかしくなり、見守りたくもなると思います。ぜひ、2人を取り巻く街の人になった気持ちで見ていただけたらと思います。

MegamiにQuestion




Q.自分のチャームポイント
A.素直
よくも悪くも思ったことが言葉や顔に出やすいタイプなので、そこはチャームポイントだと思っていたいです。

Q.自分のニックネーム
A.姫ちゃん、『白聖女と黒牧師』の現場では姫さま
じつはニックネームがなくて、ずっと「姫ちゃん」と呼ばれることが多かったんです。それを『白聖女と黒牧師』の現場で話したら、石川界人さんが「姫さま」と呼んでくださるようになって周りの方にも派生していきました。でも、自分から「姫さま」と言うのはちょっと恥ずかしいですね。

Q.自分の声の特徴
A.ナイーブ
素直とか純粋とか、そんな雰囲気なのかなと思っています。あと、以前は暗い声だなと思っていたのですが、セシリアさまを演じるようになってから、だんだんと彼女に引っ張られて声が明るくなっている気がしています。

Q.自分の性格
A.単純
言われたことを全部そのまま受け取ってしまうので。ウソをつかれたときに、引っかからないようにしなきゃと思っています(笑)。あと、意外と何でも好きになってしまうところも、単純だからかな?

Q.いま、ハマっていることは?
A.歌うこと、カメラ
歌はあまり自信がなかったのですが、人とカラオケに行くようになってから、上手・ヘタは関係なく、好きに歌っていいんだと思えるようになり、歌うことが楽しくなりました。カメラは以前から一眼レフを持っていたのですが、ずっとオートモードで撮影していたんですね。それをちょっとずつ自分で設定を調整するようになり、その奥深さにハマっています。

Q.聖女さまに聞いてみたいことは?
A.お休みの日の過ごし方
セシリアさまの役作りをするうえで、「聖女」について調べたんですが、その過程でそもそもお休みはあるのだろうかと思って。一日何もない日には、どんな過ごし方をしているのかを聞いてみたいです。

Q.「聖女」というとどんな人?
A.やさしくてなんでも受け止めてくれる人
身近な方だと、石川界人さんや『白聖女と黒牧師』の音響監督の土屋雅紀さんは「聖女」というか「聖人」のような方だなと感じています。その話を石川さんにしたら「そんなことは言わないほうがいいよ」って言われました(笑)。

Q.本作のキャッチフレーズ
A.やさしさと癒しがあふれる世界の、くっつきすぎず離れすぎずなラブコメディ
「くっつきすぎず離れすぎず」というワードは公式サイトでも出ているのですが、それがまさにこの作品にピッタリでどうしても使いたかったんです。あとはやさしさや癒しが本当に強く伝わる作品なので、それを伝えたかったんです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

■Profile
さわだ・ひめ/11月16日生まれ。東京都出身。EARLY WING所属。主な出演作はゲーム『22/7 音楽の時間』椎名紅葉役、『けものフレンズ3』イリオモテヤマネコ役など。

■作品Information
毎週水曜日深夜0時30分よりTOKYO MXほかにて放映中。

とある教会。そこにはかわいいけどダラけグセのある聖女さまと、まじめで過保護で料理上手な牧師さまが住んでいました。穏やかな日々のなかで、ひそかに恋する聖女と鈍感な牧師が繰り広げる、"無自覚いちゃラブコメ"。もどかしい2人の関係が行きつく先は――!?


(C)和武はざの・講談社/「白聖女と黒牧師」製作委員会
《超!アニメディア編集部》
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