今回は、片瀬詩織里役の立花日菜さん、篠崎拓馬役の新祐樹さんにインタビュー。本作の見どころのほか、ふたりにとって理想とする先輩や、後輩との関係についてお話を聞いた。
[取材・文:M.TOKU 撮影:吉野庫之介]
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原作マンガの絵や字体を声で表現できるよう意識した
――原作を読んだときの感想を教えてください。
新:新入社員の篠崎と詩織里先輩のつかず離れずの距離感、そして物語の舞台が職場であるということが相まって、いわゆる一般的なラブコメディとはちょっと違うなという印象を受けました。傍から見たら「もう付き合っているのでは?」と思われてもおかしくないけれど、本当に付き合っていない。でもちゃんとふたりともドキドキしているというピュアな関係を見ているのが楽しかったです。
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立花:仕事もできて癒しの存在である詩織里さんみたいな人が近くにいたらいいなと思いました。しかも、詩織里さんが勤めている会社は、みんなが思い描いているであろう理想のホワイト企業なんです。色々な理想が詰まっているので、読んでいるだけで「明日も頑張ろう」という気持ちになる作品だと感じました!
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――改めて、演じるキャラクターの紹介をお願いします。
新:篠崎は、仕事を真面目に取り組む新入社員です。ただ、完璧に仕事ができるのではなく、失敗したり、間違ってしまったりすることもあって。新入社員が入社して不安に思うことや、頑張り過ぎて絡まっちゃうような行動を篠崎もやっちゃうんです。そういう何でもできるタイプじゃないという点で、共感しやすいキャラクターだなと思いました。恋愛においてはピュアピュア。詩織里先輩といい空気になったとたん、ドキドキしちゃうんです。そこも彼の魅力ですね。
立花:詩織里さんはかわいくて、カッコよくて、しっかり者で癒しもくれる、私にとっての理想の先輩です。ただおっちょこちょいな面もあって。ワチャワチャすることもあるのですが、その姿を見たら篠崎をはじめ、みんなが和むんです。こういう先輩がいたら誰もが仕事を頑張れるし、素敵な空間になるんだろうなと思いました。
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――そんなキャラクターを表現するために、演じるうえで意識したことは?
新:篠崎は自然体で頑張れる人間なので、ナチュラルさを意識していました。演じているとどうしても僕自身に熱が入って、ディレクションで「テンションが高すぎる」と言われたことがあったんです。逆に「今のはテンションが低すぎるから、もうちょっと元気よく」と言われることもあって。そのバランス調整が難しかったのですが、篠崎を表現するうえでは鍵となる部分だったので、念頭に置いていました。そういう自然体がベースにありつつ、時折見せる「頑張り過ぎて空回りしちゃう」ところは振り切って、楽しく演じましたね。
立花:詩織里さんは、大人っぽくてセクシーな面もあれば、デフォルメされて子供っぽい表情を見せることもあるなど、とにかく色々な表情を持つ女性なんです。なので、原作マンガで絵や字体がかわいくなったり面白くなったりする部分をよく見て、それを音で表現できるように意識していました。まだ絵が完成していないシーンのアフレコでは、小さい表情の変化でもなるべく拾えるようにと、台本に原作の絵を貼って臨んだんですよ。それくらい、本作では原作の表情を意識して演じました。
――では、お互いが演じるキャラクターの印象はどうですか?
新:立花さんがおっしゃっていた通り、色々な姿を見せてくれるのが詩織里先輩の魅力だと思います。仕事ができる先輩としての一面、たまに見せる子供っぽくてかわいらしい部分。そのギャップに篠崎も翻弄されちゃうんですよね。仕事に対する考え方や、的確にアドバイスしてくれる姿、叱るけども持ち上げてもくれるフォローの仕方も素敵。「こう言われたら救われる」という言葉をくれる、素晴らしい先輩ですね。
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――演じる立花さんと掛け合ってみて、いかがでしたか?
新:僕も台本チェックするときに映像と原作を照らし合わせながら、キャラクターがどういう表情をしているのかを見ていたんです。立花さんは僕がチェックしていた際に想像していたままの印象で詩織里先輩を演じてくださったので、掛け合いも違和感なくスムーズにできました。
――先ほどの立花さんの話も含めて、演じるうえで原作の表情などを細かく見るのも大事なんだと改めて感じました。
新:そうですね。同じようなシチュエーションでも、表情が違えば見え方も変わってきますから。本作は特に色々なキャラクターが表情豊かに描かれているので、原作のそういうカットもなるべく拾って表現したほうがいいと感じました。
立花:篠崎さんの印象は「青年と大人の間」。社会人なんだけれど、まだ初々しさがあって、かわいらしいんです。ただ、ちゃんと男らしくリードしてくれることもあって。そういう姿に詩織里さんがドキドキするんですよね!
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――お互いの行動にドキドキするにも関わらず、関係性はなかなか進展しない。
新:何と言うか……絶妙なんですよね。イチャイチャなのか、そうでないのか、ギリギリのラインを攻めているというか。
立花:きっと、このふたりじゃないとこうはならない。どっちかがもうちょっと頑張っちゃうと付き合っちゃうか、「今はそういうことを考えられない」と言われちゃうかも。ふたりとも年齢=恋人いない歴だからこその距離感なのかなと思います。
――演じる新さんと掛け合ってみての印象も教えてください。
立花:篠崎さんって、受け取り能力がすごいんです。相手の言葉に対する受け入れ態勢がすごくて、詩織里さんが何を言っても「いいですね!」と基本的に肯定してくれるんですよ。新さんも篠崎さんみたく、何をやっても拾ってくれました。面白いことを言わなくてもちゃんと落としてくれるという安心感があったんです(笑)。適当に「いいですね!」というのではなく、詩織里さんの言葉をちゃんと聞いて、会話をしてくれて、心から思ってくれているというのが声から伝わってきたので、とても掛け合いしやすかったです。
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自分のなかの後輩気質、ありがとう!
――おふたりにとっての理想の先輩像を教えてください。
新:これまで僕は、色々な先輩方に助けていただきました。声優の先輩方は現場で一緒になったときに気さくに話しかけてくれたり、気遣って声をかけてくれたりするんです。そういう方々に憧れますね。新人の頃に出演させていただいた作品で、子供のときから知っていた大先輩の方とご一緒する機会があったんです。その方が僕の誕生日に「頑張っている姿を見たから」とプレゼントをくれたんですよ。周りの方から「なかなかそういうことをされる方じゃない」というお話を聞いていたので、すごく嬉しかったです。その大先輩のように僕も、頑張っている人にちゃんと頑張っていると伝えられて、お芝居でも見せられる人間になりたい。まだまだ未熟者なので、まずはお芝居で見せられる先輩になれるよう、頑張ります。
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立花:私は朝が本当に弱くって……。だからこそ、朝から収録のある現場で、いつも元気で穏やかに迎えてくれる先輩がすごいなと思います。にこやかに話しかけてくださると、緊張も解れて「頑張ろう!」って思えるんですよね。また、収録後に「大丈夫だったかな」と悩んでいるときに、「不安なことある?」と聞いてくださる先輩もいて。そういう穏やかな先輩に憧れますね。私、雑談が上手だったり人の話を上手く聞いたりできる方って、お芝居も上手という方が多い気がしていて。お芝居って、相手から出たものを受けて表現するので、お喋りが上手な方は自然とそういうことができるのかもしれません。
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新:本作で言えば、主任を演じる島崎信長さんのコミュニケーション能力がすごかったです。僕たちにずっと話しかけてくれました。ムードメーカーだったんです。
立花:とてもありがたかったです! まさに理想の上司・先輩でした。
――では、これまでの人生で仲良くなったり、目にかけたりした後輩はいましたか?
新:これまでの人生、あまり先輩然とするのが得意ではなかったんですよ。どちらかというと後輩気質かなと、勝手に思っています(笑)。ただ、後輩に何かを聞かれたら、真面目に答えようとはしていました!
――そういう新さんだからこそ、篠崎を演じられたのかも。
新:それに尽きるんじゃないかな。ディレクションもありましたが、基本的に自然体で篠崎を演じられたのは、共感できる部分が多かったからだと思います。自分のなかの後輩気質、ありがとう(笑)!
――(笑)。でも確かに、10年後だとちょっと違うアプローチになっていたかもしれませんね。
新:そうかもしれないです。タイミングやご縁って大切だなと思いました。
立花:私はペーペーなので、現場で会う方のほとんどが先輩なんです。だから、後輩に何かをしてあげられたという経験がまだなくって。ただ先輩方の多くは、愛される後輩でもあるなと思っています。というのも、その方よりもさらに先輩の方々に可愛がられている姿をよく見かけるんですよ。それでいて、私たち後輩にもフランクに接してくれて。私も先輩からは可愛がられて、後輩からは尊敬してもらえる、そんな人間になりたいです!
――本日は色々なお話ありがとうございました。最後に、序盤の見どころを教えてください!
新:まずは、「じらし」とも思えるようなふたりの関係性を楽しんでください。ドキドキのバランスが本当に絶妙です。その空気感はずっと続くので、安心してください。そして、社会人の方々は詩織里先輩に癒されていただければと! きっと、「こういう先輩がいたら最高だろう!」と思うはずです。
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立花:音響監督さんもおっしゃっていたのですが、この作品は基本的に大きな事件が起きません。篠崎さんと詩織里さんがずっと仲良く、時にイチャイチャしているだけ(笑)。ただ、それがたまらんのです。最後まで同じ空気感がゆえに身構えずに見られる作品ですので、気軽に楽しんで、癒されたり、元気をもらったりしていただければと思います!
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TVアニメ『うちの会社の小さい先輩の話』
<放送情報>
7月1日(土)より
テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠ほかにてTVアニメ放送開始
テレビ朝日系全国24局ネット
“NUMAnimation”枠 7月1日(土)より毎週土曜 深夜1時30分~
BS朝日 7月8日(土)より毎週土曜 深夜1時00分~
AT-X 7月2日(日)より毎週日曜 夜10時時30分~
リピート放送:7月6日(木)より毎週木曜 深夜4時30分~、7月9日より毎週日曜 朝7時30分~
ABEMA/DMM TVにて地上波同時先行配信
7月1日(土)より毎週土曜 深夜1:30~
dアニメストアにて2次先行配信
7月4日(火)より毎週火曜 深夜1:30~
ほか配信サービスでも順次配信予定
※放送日時は変更となる場合がございます。
<スタッフ>
原作:斎創(竹書房「ストーリアダッシュ」)
監督:サトウ光敏
脚本:大知慶一郎・蒼樹靖子・杉澤 悟
キャラクターデザイン:橋口隼人・緒方浩美
プロップデザイン:Heo Hye-Jung
美術監督:葛 琳
美術設定:高橋麻穂
色彩設計:宮川はれみ
撮影監督:原田翔太
編集:白石あかね
3D監督:濱村敏郎
音響監督:立石弥生
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:堀口純香
アニメーション制作:project No.9
<主題歌>
オープニングテーマ 小林柊矢「HONEY」
エンディングテーマ 由薫「sugar」
<キャスト>
片瀬詩織里:立花日菜
篠崎拓馬:新 祐樹
秋那千尋:島崎信長
早川千夏:花守ゆみり
篠崎 豊:小松未可子
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dアニメストアにて2次先行配信
7月4日(火)より毎週火曜 深夜1:30~
ほか配信サービスでも順次配信予定
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原作:斎創(竹書房「ストーリアダッシュ」)
監督:サトウ光敏
脚本:大知慶一郎・蒼樹靖子・杉澤 悟
キャラクターデザイン:橋口隼人・緒方浩美
プロップデザイン:Heo Hye-Jung
美術監督:葛 琳
美術設定:高橋麻穂
色彩設計:宮川はれみ
撮影監督:原田翔太
編集:白石あかね
3D監督:濱村敏郎
音響監督:立石弥生
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:堀口純香
アニメーション制作:project No.9
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オープニングテーマ 小林柊矢「HONEY」
エンディングテーマ 由薫「sugar」
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片瀬詩織里:立花日菜
篠崎拓馬:新 祐樹
秋那千尋:島崎信長
早川千夏:花守ゆみり
篠崎 豊:小松未可子
(C)斎創・竹書房/「うちの会社の小さい先輩の話」製作委員会