「ウマ娘」皇帝から帝王へ引き継がれた想い! 90回目の「日本ダービー」本日開催!! | アニメ!アニメ!

「ウマ娘」皇帝から帝王へ引き継がれた想い! 90回目の「日本ダービー」本日開催!!

5月28日、東京競馬場にて「日本ダービー」が開催! 一体どんなレースなのか? これまでどんな馬が活躍していたのかをご紹介。

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  • 『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』ビジュアル(C)Cygames, Inc.
  • 『ウマ娘 プリティーダービー Season2』キービジュアル(C)2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会
  • TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』キービジュアル(C)2018 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」製作委員会

今年最高の競馬の祭典「日本ダービー」が5月28日に東京競馬場にて開催される。その「ダービー」はどんなレースなのか? 本稿では、『ウマ娘』に登場するキャラクターと実在の馬のエピソードを交えながら紹介していく。

◆「日本ダービー」ってどんなレース?

正式な名称は、「東京優駿」。イギリスの「ダービーステークス」を範にした日本版のダービーとして、その呼び名が親しまれるようになった。春に行われる皐月賞、秋に開催される菊花賞とあわせて三大競走と呼ばれ、これに牝馬(メスの馬)限定の桜花賞、オークス(優駿牝馬)を加えた5つのレースを総称し「5大クラッシック競走」と呼んでいる。このレースに出走できるのは3歳の年代の馬だけ。つまり生涯で一度しか出走することができない。それだけにこのクラッシック競走のひとつでも勝つことは、競馬関係者はもちろん、ゲームプレイヤーにとっても並々ならぬ思いがある。

「皐月賞は、最も速い馬が勝つ」「菊花賞は、最も強い馬が勝つ」そして「ダービーは、最も運のある馬が勝つ」と言われている。必ずしも実力の強い馬が順当に勝つわけではなく、そこに“運”もプラス要素として必要になるのがダービーだ。かつてイギリスの首相にもなったウィンストン・チャーチル氏は、「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になることより難しい」との名言を残したほど。総理大臣にはなれても、ダービー馬のオーナーになるのはもっともっと難しいと述べている。それだけに数あるレースの中でも最も盛り上がる祭典のひとつなのだ。

◆レースも人生も、山あり!谷あり!

実際に馬券は買ったことのない人でも、ニュース映像などで競馬を目にしたことはあるだろう。映像だけではわかりにくいが、陸上競技とは違って平坦なレース場ではなく、急な上り坂もあれば、長く続く下り坂もある。

私たちの日常に例えてみると、距離の短い橋に向かって自転車に乗っていた場合、橋の手前の急な上り坂は一気に駆け上がる瞬発力が必要となる。あるいは、距離の長い橋の場合は、かなり手前から緩やかな上り坂が延々と続いている。この場合は、ペダルを漕ぎ続けるスタミナが必要となる。競馬には、こういった瞬発力やスタミナに加え、スピードや展開を読む洞察力など全ての要素がひとつのレースに盛り込まれている。競馬場によってそれぞれ作りも違うため、同じ距離のレースでもひとつとして同じ展開にはならない。人生同様に競馬も山あり谷ありの連続だ!(笑)

東京競馬場で開催される日本ダービーは、2400mの距離で行われる。そのコースは徐々に緩やかな下り坂が続いたか思うと、ちょうど中間地点でクイっと小山を上って、またゆっくり坂を下り、最終のコーナーを回ると東京競馬場名物525.9mの直線が待ち構えている。最後の急な坂を上りきってもさらにゴールは300m程度先にある。先頭が何度も入れ替わることで、そのハラハラドキドキが続き、どの馬が勝つかはゴールまでわかないレースだ。そこが日本ダービーの最も盛り上がる理由でもある。

◆皇帝から帝王に引き継がれる系譜

皐月賞、ダービー、菊花賞の全てを勝った馬を三冠馬と呼ぶが、80回以上開催されてきた歴史の中でたった8頭しか成しえていない。その1頭がウマ娘にも登場するシンボリルドルフ(1984年優勝)である。デビューから無敗で三冠レースを勝ちとった史上初の馬で、神聖ローマ帝国の君主・ルドルフ1世にちなんで名をづけられたことから、ファンの間では“皇帝”と呼ばれるようになった。

『ウマ娘』の中でのシンボリルドルのプロフィールは、トレセン学園の生徒会長を務めており冷静沈着・公明正大な人物。周囲から“皇帝”と呼ばれ、後輩ウマ娘達から畏敬の念を抱かれている。生徒会長というキャラクターは、実際にルドルフに騎乗していた岡部幸雄元騎手が日本騎手クラブ(騎手が所属する協会)の会長を務めていたことや、現役時代に馬優先主義と、まずは馬のことを第一に優先し、フェアな騎乗を心がけてきたことに影響されている。

そんなシンボリルドルを父に持つ子供が、『ウマ娘』の数あるキャラクターの中で最も人気があると言われるトウカイテイオーである。公式のキャラ紹介では、明朗快活で輝くような笑顔がまぶしいウマ娘。身軽でフットワークが軽く、跳ねるような独特の走り方をする。“皇帝”シンボリルドルフに強い憧れを持ち、自分は“帝王”になるため、無敗の三冠制覇を目指している、と書かれている。実際のトウカイテイオーは、シュッとした顔立ちに流れ星のような美しい白い模様が入っており、かなりのイケメンである。そのデザインがウマ娘でも特徴的な前髪に受け継がれている。

トウカイテイオーは、皐月賞、日本ダービー(1991年)と連勝したが、優勝後に骨折が判明し秋の菊花賞は断念せざるをえなく、親子での三冠馬の夢は幻となった。その後、ディープインパクト(2005年)とその子供であるコントレイル(2020年)が、史上初の親子三冠制覇の偉業を達成している。

1990年代は、当時のアイドルホースと呼ばれたオグリキャップが引退して次のスターを待ち望んでいた時代でもあり、トウカイテイオーはまさにその旗頭であった。その後、骨折休養を繰り返し、1993年に開催された暮れの第38回有馬記念で、1年ぶりのぶっつけ本番のレースを見事に勝利したエピソードは、競馬好きな多くのファンに語り継がれる伝説にもなっている。

このようなエピソードもあることから、ファンの間では「もしもルドルフとテイオーが同じレースを走ったらどちらが勝つのか?」といった夢物語が語られることも多い。
当時を知る者は、「ルドルフには敵わない!」「ダービーの勝ちっぷりはテイオーの方が上」など多くの意見が散見したが、誰もが描く物語は、100人いれば100通りの結果がある。しかし、もしも夢が叶うことがあれば、最高に面白いレースになることは間違いないだろう! ワクワクドキドキが永遠に続くようなゴール前の両馬のマッチレースにしばし想いを馳せてみたい。そんな願望が 『ウマ娘』など“馬のレース”を取り扱うゲームやアニメを誕生させるきっかけにもなっているのだろう。

◆ダービーを勝つためには?

どんなに強い馬であっても、奇跡のような親子の物語があっても、そう簡単には勝てないのが日本ダービー。過去の20年のデータを検証すると当日の単勝1番人気だった馬が3着までに入る確率は7割以上、概ね5番人気までの馬が優勝していることから、比較的手堅い結果になることも多い。

ところが2019年には12番人気の馬が優勝したこともあり、あっと驚く結末が待ち構えていることもある。「最も運のある馬が勝つ」というのもあながち間違っていない所説だろう。「運のいい」ではなく「運のある」なので勘違いはないように(笑)。実際の競馬でも、ゲームのプレイヤーにとっても、アニメを楽しみにしている人たちも日本ダービー制覇は大きな夢であることは間違いない! さて、今年のダービーの結末はいかに?

《須山茂》
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