本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。
気持ちにブレーキをかけないように演じました
――原作である『アリス・ギア・アイギス』のゲームについて、どのくらい知っていましたか?
じつはあまり詳しくなく、オーディションを受けるにあたってホームページを見て、長く続いている人気のゲームだと知りました。
――根本さんが演じるのどかはアニメのオリジナルキャラクターですが、オーディションの段階ではどんな子だと感じましたか?
まず、人なつっこいイヌ系女子という印象でした。オーディションの資料とキャラクター設定画の表情集を同時にもらったのですが、表情集では鼻血を出していたり、ちょっと崩れたりした顔が描かれていて、かわいい子なのかヘンな子なのかで戸惑ったことを覚えています(笑)。でも、オーディション用のセリフに目を通したら、共感できることばかりだったのでとても驚きました。

――どこに共感できたのでしょうか?
とくに共感できたのはビビリなのに猪突猛進なところです。私もビビリのわりに思い立ったら即行動しちゃうんです。それから、私は恥ずかしがりやですぐ赤面しちゃうので、のどかが赤面を通り越して鼻血を出しちゃう気持ちも理解できました。
――逆に、似ていないところはありましたか?
のどかは、先輩アクトレスの比良坂夜露様が大好きなので、夜露様に会うと興奮が抑えきれなくなるんです。でも、私は大好きな人に会っても一応気持ちを抑えているつもりなので、そこはちょっと違うなと思います。
――のどかを演じる際に、大切にしていることは?
スタッフの方が考えるのどか像に寄り添いつつも、正気を失ってオタク心をさらけ出すことを大切にしています。とにかく気持ちにブレーキをかけないようにしたんですね。じつは私、演技でスタッフの方の度肝を抜きたいんです(笑)。スタッフの方の想像以上のお芝居をしたいので、アフレコスタジオに行く間にかなり演技の計画を立てています。それがスタジオに入るとだいたい吹き飛んじゃうんですが……。
――のどかは夜露を見て「トゥンク」とときめくなど、おもしろいリアクションをしているので、度肝を抜かれた視聴者も多いと思いますよ。
のどかはヘンな反応をする子なので、ちょっと様子がおかしいぞと思ってもらえていたらうれしいです。
――のどかは感情の振れ幅が激しいですが、演じる難しさはありますか?
興奮した状態から、冷静になるシーンが難しいです。「正気に戻らなきゃ」という気持ちが強くなるあまり、テンションが下がりすぎてしまうんです。よくスタッフの方から「もうちょっと元気な感じでお願いします」とお話があって、その調節が大変でした。
――そんなのどかの魅力は?
自分と似過ぎていて伝えるのはちょっと恥ずかしいですが、基本的にはいい子です。そして、自分の正義感に従って行動できる夜露様に憧れ、隣に並び立つ存在になりたいと思っている。そのためにひたむきにがんばれるところが魅力だと思います。
――アフレコで印象的な出来事はありましたか?
明田川仁音響監督が「こう演じてほしい」というのをお手本で聞かせてくれるんです。それがすごくおもしろいんですね。私としては、音響監督のディレクションよりおもしろいものにしなければならない、勝たねばならないという気持ちになって、いつも試されてるなと感じていました。また、分散収録でアフレコは数人で1チームだったのですが、スタジオの関係で私だけひとりブースだったんです。ちょっとさびしさがありつつも、大先輩のアフレコを聞き勉強させてもらっていました。それから、夜露役の沼倉愛美さんは、テストのときに私が何かするとすごく笑ってくれるんです。それがうれしかったです。
――ちなみに、スタッフから「おもしろくしてください」と言われているわけではないんですよね?
「かわいくお願いします」と言われていました。でも、思い返すと私、かわいく演じた記憶がないので……のどかはどちらかというと「かわいい」よりも「ヘン」だと思うんですね。だから、いま冷静になると本当にお芝居が大丈夫だったか、ちょっと気になります。
――物語は第4話まで進んでいますが、いまの時点で根本さんがとくに気になっているキャラクターは?
成子坂製作所の整備部部長である磐田宗一郎さんです! 一緒にいたら一番安心できそうな気がするんです。アクトレスの皆さんだったら……やっぱり夜露様が好きですね。それから、相河愛花ちゃんは、とにかくかわいいと思っています。でも、個性的で魅力的なアクトレスばかりで、誰かひとりに決めるのは難しいです!
――夜露のどんなところが素敵だなと感じますか?
思い立ってすぐに行動できることと、さりげなく人にやさしいところです。意識していないところも素敵ですし、きっと女子校にいたらモテるタイプだと思います。私も同じ学校だったら絶対憧れちゃいます。
――これまでで印象的だったシーンを教えてください。
第4話で高幡不動商店街フェスティバルに出店することになった際に、お団子店と成子坂製作所がコラボしてのどかがそのお団子を作ったのですが、不気味なクリーチャーみたいになっていたところはすごく印象に残っています。
――『アリス・ギア・アイギス Expansion』という作品の魅力は?
1話ごとのオムニバス的なエピソードが続くので、どこからでも入りやすいところが魅力だと思います。また、のどかのテンションの切り替わりは見ていておもしろいはずです!
――この先の見どころを教えてください。
のどかが先輩アクトレスとどう絡んでいくのかを見てもらいたいです。また、成子坂製作所は業務停止中で、一見アクトレスたちは遊んでいるようにも見えますが、実際はみんなそれぞれにがんばっているんです。今後はアクトレスとしてのかっこいい姿を見られるのか期待しつつ、夜露様の隣に立ちたくてがんばるのどかを見守ってください。また、第4話までだとコミカルさが強めですが、じつはうっすらと繋がりのあるエピソードも描かれているので、そこにも注目してもらえたらうれしいです。
MegamiにQuestion

Q.自分のチャームポイント
A.ノリがいい
誘われればすぐについていきますし、自分から計画して誘うことも多いです。
Q.自分のニックネーム
A.みゃーり
学生時代にあだ名がなく、あだ名に飢えていたんですね。それでお仕事で自分の番組を持ったときに、リスナーの方からあだ名を募集して決まったのが「みゃーり」でした。ネコが好きだったので、ネコっぽさもあってすごくうれしかったです。
Q.自分の声の特徴
A.未知数
『アリス・ギア・アイギス Expansion』に参加して、リアクションなどで予想外の声が出ることがたくさんあったんです。それで「こういうこともできるんだ」とか「こういう音も出せるんだ」と発見もたくさんあったので、まだまだ未知数かなと思っています。
Q.自分の性格
A.ひたむき
とにかく一途で、凝り性です。大学生のときにセルフネイルにハマってから、ずっとやり続けているんですね。何かひとつのことに、ひたむきに熱中するタイプだと思います。
Q.いま、ハマっている趣味は?
A.ボイスドラマなどのCDを聞きながら受け答えをする
ボイスドラマやシチュエーションCDって、聞き手側の声は入っていないんです。それで、聞きながら自分でリアクションを取るのですが、おもしろいくらいに噛み合わないんですよ(笑)。例えば、「(お願いするときに)頼み方があるだろ?」って言われて「お願いします!」って大声で応えたのに「全然聞こえない」みたいに言われて。あまりの噛み合わなさにひとりでおもしろがっています。
Q.憧れの人はいる?
A.佐藤聡美さんと遊佐浩二さん
子どものころからアニメが好きで、声優さんを尊敬していて、なんなら神様くらいに思っているのですが、そのなかでも佐藤聡美さんと遊佐浩二さんがとくに好きです。
Q.自分が「アリスギア」を纏うとしたら?
A.片手剣(双剣タイプ)
遠方からスナイプするよりは特攻のほうができそうなので。片手剣(双剣タイプ)はうまく攻撃がヒットするとダメージも大きいのでやりがいがあるんじゃないかな。ノーコンなので、弓みたいな武器は無理かなと思います。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.天才の魑魅魍魎たちに突っ込む子イヌはまだ知らない
『アリス・ギア・アイギス Expansion』に登場するキャラクターは、みんな天才的におもしろくて個性的な人ばかりなんですね。彼女たちに憧れているのどかは、結構ひどい目に遭うことが多いのですが、そうなることを知らないので「まだ知らない」と入れました。
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
■Profile
ねもと・みやり/5月22日生まれ。茨城県出身。青二プロダクション所属。主な出演作は『くノ一ツバキの胸の内』サザンカ役、『アサルトリリィBOUQUET』立原紗癒役など。
■作品Information
毎週月曜日深夜1時5分よりTOKYO MXほかにて放映中
機械生命体ヴァイスと戦うアクトレスに憧れ、アクトレスが所属する民間企業・成子坂製作所にやってきた高幡のどか。しかし、入社した直後に成子坂製作所に業務停止命令が下されてしまう。のどかたちは仕方なく、日々をのんびりと過ごそうとするが……。
ねもと・みやり/5月22日生まれ。茨城県出身。青二プロダクション所属。主な出演作は『くノ一ツバキの胸の内』サザンカ役、『アサルトリリィBOUQUET』立原紗癒役など。
■作品Information
毎週月曜日深夜1時5分よりTOKYO MXほかにて放映中
機械生命体ヴァイスと戦うアクトレスに憧れ、アクトレスが所属する民間企業・成子坂製作所にやってきた高幡のどか。しかし、入社した直後に成子坂製作所に業務停止命令が下されてしまう。のどかたちは仕方なく、日々をのんびりと過ごそうとするが……。
(C)Pyramid,Inc./成子坂製作所