皆さんは、今話題の『異世界(ファンタジー)美少女受肉おじさんと』という作品をご存知でしょうか?
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異世界…受肉…おじさん…?
なかなかパンチの効いたワードが並んでいますね。どんな内容なのか、面白いのか、タイトルを聞くだけでは未知数な作品かもしれません。
しかしこの『異世界(ファンタジー)美少女受肉おじさんと』という作品、通称『ファ美肉』にはすでに熱狂的なファンがついており、2021年5月にはアニメ化も発表された今ものすごい勢いのあるマンガなのです!
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本作品は『ウマ娘 プリティダービー』などのヒット作品を連発しているあの“Cygames”が運営するマンガアプリ「サイコミ」で連載中のオリジナル作品であり、連載からたった1年半でアニメ化決定が発表されたという異例の人気作。
今回は、そんな『ファ美肉』原作者2名と担当編集のインタビューを3回に分けて掲載するシリーズ企画となっております!
そして本記事はその第1弾、『ファ美肉』の敏腕編集者であるCygamesの吾田慎悟さんに、本作の企画から爆速アニメ化発表までのお話を伺ってきました。
異例の“1巻発売時点でアニメ企画打診” まさかの場所で大人気だった…?
――早速ですが、どのような流れで「連載からたった1年半でアニメ化決定」がなされたのでしょうか?
吾田:そうですね…連載からちょうど1年経つか経たないかくらいのころに、最初のアニメ化の打診がありました。
アニメ化といってもまだ1,2巻が出たくらいのタイミングなので全然尺も足りないですし、普通は4巻くらい出てからお話が来るものなので、最初は正直半信半疑でしたね(笑)
それでもお話があった後、初めてその方とお会いしたタイミングでかなり具体的な企画書をいただいて「本気なんだ」と思いました。
それほどアニメ化させたい!ということだったのかもしれませんね。
――そんな中で1年半という早さでアニメ化発表した決め手は何だったのでしょうか?
吾田:ぶっちゃけると、とある企業が中心となってぐいぐいと推し進めてくれたからですね。
普通はアニメを作るときは色んな会社で調整するため時間がかかるものなのですが、その会社さんがぐいぐいと決めてくださったことで「1年半でアニメ化決定」という早さを実現できました。
もしそうでなければ、アニメ化が発表できるのはあと1年以上遅かったと思います。
――そうだったのですね!なぜその会社はまだアニメ化に十分な量の原作ができあがってないタイミングでぐいぐい進める決断ができたのでしょうか?
吾田:詳しいことはもちろんそのアニメ企画を打診してくださった方に聞かないとわかりませんが、海外でこの作品が人気だったからと聞いています。
その人気をみて「ぜひアニメ化を」というかたちでお話をいただきました。
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アニメ企画頓挫の過去…「悔しさをバネに、面白い企画を練り上げました」原作者と三人四脚のアニメ化戦略とは
そのような流れで早期アニメ化が決まった『ファ美肉』ですが、実は最初からアニメ化を目指して企画がスタートしたとのこと。原作者のお二人と編集者でアニメ化を目指して準備したことを聞いてみました。
――アニメ化のために準備したことを伺いたいのですが、まず吾田さんの“編集”という仕事について簡単に教えていただけますか?
吾田:編集の仕事は、一言でいえば「原稿をもらって、媒体に載せること」です。
これには編集者それぞれのやり方があるのですが、私は読者により面白い作品を届けるために作者に提案したり方向性を一緒に考えることが多いですね。
この作品に関しては原作者のお二人とそれなりに付き合いが長いこともあり、話の方向性からがっつり一緒に考えながら連載しています。
――原作者のお二人とはいつから一緒に仕事をされているのですか?
吾田:津留崎さん、池澤さんとは前職からの担当でした。私は元々大手出版社でアニメ作品のコミカライズを担当していたのですが、そのマンガをお二人に描いていただいてました。
それから私が転職でサイコミの編集になったタイミングで、またご一緒しませんかとお話をして今に至ります。
――それから『異世界美少女受肉おじさんと』というオリジナル作品でアニメ化を目指そうとなった経緯を教えて下さい。
吾田:実は以前とある作品のスピンオフマンガ(外伝作品)をお二人に描いていただいたことがあって、その作品がアニメ化するという話が出たんですよ。
我々も続報を期待して待っていたのですが、いつになってもそこから話が進まず、結局アニメ化の話が白紙になってしまったということがあり、すごく悔しくて…。
だからこそ今度はお二人の作るオリジナルマンガで、必ずアニメ化しようと意気込んで企画を練っていきました。実際1話のネームは完成まで何度も修正を繰り返しましたね。
企画を考える際も、最初は1話完結型の作品にするという案もあったのですが、やはりストーリー仕立てにするほうがアニメにしやすいだろうという見込みもあり、その方向でいきました。
特殊すぎる設定だから難しいかもとの前評判とは裏腹に、大好評!?
――本作はタイトルの引きがすごいですが、設定がかなり特殊ですよね。企画を通す際などに何か苦労はされましたでしょうか?
吾田:それこそ、なんとか1話のネームを仕上げたのですが、おじさんが美少女化して、親友のおじさんとラブコメするという“特殊すぎる設定”だったため、知り合いからの前評判はあまり高くなく……。
実際、異世界転生モノを扱う漫画アプリの中で「サイコミ」はかなり後発でしたので、そういった点もあったんだと思います。
でもだからこそ「見返してやろう!」という気持ちも起きました(笑)
――そうして迎えた1話公開後の反応はいかがでしたか?
吾田:不安の声とは裏腹に、1話時点でかなり好評でしたね。熱いコメントも沢山来てました!
そうして気がつけばアニメ化まで来られたわけです。
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「積むぜぇニキおめでとう!」アニメ化決定時のファンの意外な声とは…?
――アニメ化発表されたときのファンの反応はいかがでしたか?
吾田:まず「サイコミ」でしかアニメ化の告知をしていないのにトレンドに入ったのはびっくりしましたね。こんなにも多くの人に応援してもらえるのか、と嬉しい気持ちになりました。
あと純粋な「アニメ化おめでとう」の声に紛れて、「積むぜぇニキおめでとう!」の声も多かったのは印象的でした(笑)
――「積むぜぇニキ」とは何のことなのでしょうか?
吾田:『ファ美肉』のコメント欄の中でかなり目立つファンの方がおりまして。「狂気のアニメ化決定という帯がみたいから、コイン積むゼェ」という特徴的な長文で毎回コメントをしてくれていて、他のファンからも認知されているようでした。
いつもそのように応援してくださるので、他のファンから「毎回アニメ化を望んでコイン積むゼェと言っている兄貴」というところから「積むぜぇニキ」と呼ばれるようになっていました。
「積むぜぇニキ」以外にも同様に熱い応援をしてくださる方も多く、編集の立場からすると特定のファンに製作者が言及するのは避けたいのですが、やはり目立ってはいましたね。
――そしてアニメ化発表後に発売されたコミックス第4巻の表紙にはちゃんと「狂気のアニメ化決定」とありましたね
吾田:そうですね。これは元々第1話のキャッチコピーで使用していたものを使った形ですが、見る人が見ればそう取ることもできるかなという思いもありましたね。
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アニメ化させたい作品がある方へ、アニメ化のためにできること
――そういった熱いファンの応援が、アニメ化につながったのでしょうか?
吾田:直接的な要因でいうと、冒頭でお話した海外ファンの支持があったからになります。ただもちろん海外で支持されるためには、その土台となる日本での支持や熱い声があったからだろうと思います。詳細はアニメ企画を持ち込んでくださったプロデューサーに聞くしかありませんが(笑)。
――ファンの熱い応援でアニメ化が決まるとしたら、それは一種のファンドリ――ムかと思いますが、実際ファンとしてアニメ化させたい作品がある場合はどのようなアクションをすればよいのでしょうか?
吾田:一番はやはり熱心な布教ではないでしょうか。
その作品を支持する人の母数が増えれば増えるほどアニメ化に繋がりやすくなると思います。Amazonなどでのレビュー、評価の星の数なども参考にしているはずです。
その結果、さまざまなマンガ大賞などに取り上げられて、アニメのプロデューサーの目につきアニメ化が進んでいくのだと思います。
なのでアニメ化したい作品がある方はぜひTwitterやインスタで熱い布教をしていただくのが良いかと!
――最後にアニメ化に向けて一言お願いします!
吾田:企画立ち上げ当初からの「アニメ化」という目標が達成できそうで嬉しいです!ファンの皆様、関係者の方々、本当にありがとうございます。
あとは夢だったグッズ制作とかできたらいいなと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします!!
『異世界(ファンタジー)美少女受肉おじさんと』はマンガアプリ「サイコミ」にて大人気連載中。コミックス1~4巻も好評発売中です!
また、今だけコミックス1巻分をまるまる無料で読むこともできます。
今回の記事で興味がわいた方はアプリをダウンロードして読んでみてください。その際はぜひファンにコメントもチェック!
https://cycomi.page.link/fabiniku
コミックス第5巻は10月18日発売予定です。
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次回はいよいよ『ファ美肉』原作者である津留崎優先生のインタビューになります!こちらもお楽しみに!!