アニメ・ゲーム美少女キャラクター情報誌「メガミマガジン」。発売中の9月号では『カノジョも彼女』を特集で紹介しています。ヒロインと二股していくという前代未聞のラブコメディが展開する本作。特集では原作者・ヒロユキさんのインタビューで作品を掘り下げます。この記事ではメガミマガジン9月号に掲載されているインタビューの一部を抜粋して紹介します。
原作者の理想を具現化したアニメ版のキャラクターたち

――まず、なぜ「主人公の二股」を物語の軸にしようと思ったのか教えてください。
きっかけは「主人公がまじめに二股をしたらどうなるのか?」と思ったことです。「まじめに」というと語弊がありますけど(笑)、どんなマンガになるのか自分でも想像できなかったので、逆に先が読めないからおもしろいといいますか、挑戦してみたくなったんです。
――実際に描いてみてどうでしたか?
難しさを実感したのは、3人目のヒロインである理香を出したときですね。二股を継続することがいかに大変なことか直也が理解したところへ、新たに自分を好きだと言ってくれる女の子が現れたからといって、スルっと三股に移行するのは無理だろうと。では「直也は理香にどう接していくのか」と考えたとき、なかなか答えが見つからなくて、それが最近までずーっと悩みの種になっていました。ようやく突破口が見えてきた感じです(笑)。でもその「難しさ」が、描いていておもしろいところでもあるんですけどね。あとは、三角関係ならではの微妙な女の子同士の絡みも楽しんで描いています。
――理香の登場も、かなり初期から決まっていたそうですね。
そうですね。最初から出すつもりでした。連載前に書いたメモを見直したら「キャンプ女」って書いてあって(笑)。「庭でテントを張ってキャンプしてる女の子っておもしろいだろうな」って考えたのが、理香のきっかけです。自信過剰なところとか「動画の配信者」という設定も初期のメモに書いてありました。
――ここからは、アニメについて聞かせてほしいのですが、まずアニメ化の話を聞いたのはいつ頃ですか?
去年の夏くらいですね。「来年7月放映です」と言われて「え、早くないですか!?」って(笑)。当時まだコミックスの第1巻が出たばかりでしたから。
――アニメのスタッフに要望したこと、逆にスタッフから確認を求められたことはありますか?
これまでの僕のマンガってギャグばかりなので、同じノリでやっていただくと視聴者の方に「ギャグ作品」と受け取られかねないと思って、「ギャグっぽくなりすぎないようにしてほしい」というお話はさせていただきました。一応ラブコメ作品なので。スタッフの方から質問されたことは、ヒロインたちのパンツの柄です(笑)。「咲と渚のパンツはどんな柄にしますか?」と言われて、「えっと……、おまかせします」って(笑)。
――アニメ版のキャラクターデザインを見てどう感じましたか?
最初見たとき「すごくいい」と思いました。僕自身が「こういうふうに描けたらいいな」と思っていたデザインといいますか、僕の頭のなかにある理想形を、豊田(暁子)さんがそのまま形にしてくれた感じです。技術的なうまさでまず感心させられて、そのうえで僕の絵柄を完璧に再現されているので、そういう意味では「バージョンアップされてる」というのが素直な感想ですね。
ひろゆき●4月23日生まれ。マンガ家・イラストレーター。ほかの代表作は『ドージンワーク』『マンガ家さんとアシスタントさんと』『アホガール』。この3作品は、テレビアニメ化もされている。
メガミマガジン9月号本誌ではこのインタビューの長文版を紹介。理香が加わり、ますます予想不可能な恋模様を見せる特集記事を読めば、『カノジョも彼女』がもっと楽しめること間違いなし!【作品概要】
カノジョも彼女
毎週金曜深夜2時25分~MBSほかにて放映中
STAFF……原作/ヒロユキ(講談社「週刊少年マガジン」連載) 監督/桑原智 シリーズ構成/大知慶一郎 キャラクターデザイン・総作画監督/豊田暁子 音楽/櫻井美希 斎木達彦 青木沙也果 アニメーション制作/手塚プロダクション
CAST ……向井直也/榎⽊淳弥 佐⽊咲/佐倉綾⾳ ⽔瀬渚/和氣あず未 星崎理⾹/⽵達彩奈 桐⽣紫乃/⾼橋李依 ほか
(C)ヒロユキ・講談社/カノジョも彼女製作委員会2021