6月27日、新宿バルト9。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のバージョンアップ版となる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』のBlu-ray発売を記念して、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を2本続けて上映する連結上映会がおこなわれた。
上映会の冒頭では出演キャスト陣9名が登壇する舞台挨拶も実施。『Q』から『シン・エヴァ』にかけての思い出トークに花を咲かせたり、碇シンジ役の緒方恵美さんからサプライズメッセージが届いたりと観客サービスたっぷりな内容で会場を沸かせていた。
結婚報告や「墓場までもっていく」発言が飛び出した舞台挨拶。その注目の中身とは……?
坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、長沢美樹、沢城みゆき、勝杏里
【『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』とは?】
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』は、IMAX上映を前提に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』をバージョンアップしたもの。2021年1月に上映済。
全編を再撮影して高画質にしたばかりか、一部の色指定、デザイン、演出などをIMAX上映に耐えうるクオリティーでブラッシュアップしている。
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「【緊急解説】 ここが進化した! 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』IMAX(R)上映」
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『シン・エヴァンゲリオン劇場版』関連の舞台挨拶に、あの人が初登場!
上映会前日の26日(土)の時点で興行収入95億円、動員622万人を突破したという『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。
その熱が冷めないまま迎えた連結上映会の舞台挨拶では、登壇者一同、長い時間で培ってきたチームワークを感じさせるアットホームな雰囲気で、終始笑いの絶えないクロストークを繰り広げていた。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の舞台挨拶としては今回が初参加となるのは坂本真綾さん、関智一さん、沢城みゆきさんの3名。
このご時世、人前に出るイベント自体が久しぶりということで、MCに「客席ひとりひとりの顔がよく見えますか?」と問われた関さんは「見えます」と解答。さらに「全員の顔を覚えました。お前たち(観客)の顔……覚えたからな!」と突然の悪役キャラで笑いを誘い、緊張ぎみだったキャスト陣の空気をほぐしていた。
新劇場版から作品に参加している坂本真綾さんと沢城みゆきさんは、後発キャラクターということで、テレビシリーズから続くキャスト陣の中ではまだまだ遠慮ぎみ。3月28日の舞台挨拶に出演できなかったことに関しては、キャスト陣のライングループに流れてくる舞台挨拶時の写真を見て残念に思っていた心情を吐露しつつ、今回の出演を喜んでいた。
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沢城みゆき&勝杏里のオーディション秘話
勝杏里さん演じる多摩ヒデキと、沢城みゆきさん演じる鈴原サクラは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』から登場した後発キャラクターだ。そのオーディション秘話について勝杏里さんは、オーディションを受けられただけで嬉しかったと当時の心境を語った。
なにしろ勝さんにとって『エヴァンゲリオン』は、高校生の頃からいちファンとして楽しんできた作品である。そのため合格の連絡をもらった時は、街中であるにも関わらず大声を発してしまったという。
沢城みゆきさんが印象的だと語ったのは鶴巻和哉監督との思い出だ。鶴巻監督が庵野秀明総監督の意図を汲み取りながらシーンの読み解き方を説明してくれるのだが、どう見てもコンテに描かれている以上の情報量が鶴巻監督から飛び出して驚いたとのこと。それは『エヴァンゲリオン』という謎めいたシリーズならではのエピソードであり会場も興味深く耳を傾けていた。
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墓場まで持っていく!『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』秘話
緊張のあまりマイクに口をぶつけるという愛らしいハプニングを見せてくれた坂本真綾さん。収録では庵野総監督から断片的に明かされた情報をもとに、マリというキャラクターを手探りで作っていたとのことで、取材などでその「裏情報」をどこまで話していいか悩んでいることを明かした。
坂本さんとしては庵野総監督の許可がない限りは話せないと言うものの、隣の三石琴乃さんはとても気になる様子。関智一さんも「記者の人たちが手ぐすねを引いて待ってるよ」と笑いを誘うが、それでも「絶対に話せない。墓場まで持っていく」と発言し会場の興味を引いていた。
そんな中で明かされたのは、「次いってみようか」というセリフを、いかりや長介さんのイメージで表現するよう指示があったこと。庵野総監督の「奇想天外な指示」が印象に残っていると話してくれた。
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三石琴乃さんは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の世界観が14年後に設定された理由を語ってくれた。庵野総監督によると、キャスト陣の実年齢と作品世界の時間の流れを合わせたとのことだが、これにはほかのキャストから総監督のジョークではないかとの発言もあり真実は闇の中となった。
山口由里子さんは14年後の世界の状況があまりに重く、収録が済んでもしばらく現実に戻れずスタジオのトイレで号泣したことを話してくれた。感情を発散させることで気持ちをリセットしたわけだが、まだ絵が完成していない時点でのアフレコはイメージが先行することもあり、強烈なインパクトとしてのしかかったようだった。
長沢美樹さんは『エヴァンゲリオン』仕様にしているというネイルについてトークを展開。ポスターの波の色とリツコのピアスをイメージしたネイルだが、自身が演じるマヤが見つめていただろう「大切なもの」をネイルにすることでこだわりを貫いた。
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鈴原トウジ、洞木ヒカリ、ご結婚おめでとう!
続く『シン・エヴァンゲリオン劇場版』関連トークは、トウジとヒカリの「結婚報告」からスタート。会場が拍手に包まれた。
ヒカリを演じた岩男潤子さんは、ヒカリが中学時代から想いを寄せていたトウジと結婚できたこと、しかも娘の「ツバメ」を授かって胸がいっぱいだと笑顔で吐露。
トウジを演じる関智一さんは、岩男さんと別の現場で会っても岩男さんがトウジのことを思ってくれていたこと、テレビシリーズと違ってトウジが幸せになっていたことに感激したようだった。そして「僕たち幸せだね」とヒカリ(岩男さん)にアイコンタクトをすると、ミサト(三石さん)が「カチンときますね」と割って入り会場を沸かせた。
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岩永哲哉さんは今作のケンスケを「人の縁をつなぐ存在」と解説。シンジの背中を押したことが結果的にゲンドウとの対峙につながり、ミサトに対してもリョウジやシンジの近況を伝えることで両者の橋渡しをしたと分析した。
なかでももっとも熱い想いを語ったのはアスカに対してだ。ずっと孤独を抱えてきたアスカに救いを与えたいと感じ、本気で救われて欲しいと考え、魂を込めてセリフを発したと明かした。
坂本真綾さんは宮村優子さんと一緒にアフレコに挑んだ思い出を語ってくれた。これまでの新劇場版はずっとひとりで収録をしており、ほかのキャストと絡むことがなかった。それでもマリはスパイス的な役割にとどまっていたのでそれでいいと考えていた。
しかし今作は核心に迫るセリフが多い。そんな時に宮村さんと一緒に収録できたのは、長年、宮村さんが培ってきた「アスカ」という存在や、後発キャラクターであるマリでは及ばない空気を感じられて良かったという。
沢城さんと関さんは、兄妹という関係のキャラクターを演じたことについてトークを展開。当初はトウジの関西弁をサクラも踏襲するということで話し合ったものの、結局、劇中で絡むことがなかった裏事情を明かしてくれた。なお劇中に登場する写真に書き込まれた文字は関さんの直筆とのことだ。
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三石さんと山口さんは、長年の相棒とも言うべきミサトとリツコの関係について語ってくれた。
山口さん演じるリツコはテレビシリーズの時から不器用で不幸な人生を歩んでいた。そんな中で唯一心を開き、時には対立することはあるものの、ミサトとは足りない部分を補い合う運命共同体だったという。そのため「ミサト」と2人きりで仕事をするのが本当に幸せで、それがもうできないと思うと寂しいと声を震わせた。そして三石さんの「ありがとう」に対し、「ありがとう」のエール交換をしていた。
舞台挨拶の最後は、碇シンジ役の緒方恵美さんから届いたサプライズメッセージの代読だ。
そこには『エヴァンゲリオン』という作品への愛、そして劇場に足を運んだお客さんへの感謝の言葉が綴られていた。
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■期間限定版(Blu-ray+4K Ultra HD Blu-ray)
発売日:8月25日
価格:8580円
収録内容:DISC1(Blu-ray)本編+映像特典、DISC2(4K Ultra HD Blu-ray)本編
映像特典:アフレコ台本、メイキング映像などを予定
封入特典:ブックレット
パッケージ仕様:DISC2枚組(Blu-ray1枚+4K Ultra HD Blu-ray1枚)、三方背外箱
■通常版(Blu-ray)
発売日:8月25日
価格:5500円
収録内容:DISC1(Blu-ray)本編+映像特典
映像特典:アフレコ台本、メイキング映像などを予定
封入特典:ブックレット
パッケージ仕様:DISC1枚組(Blu-ray1枚)、三方背外箱
(C)カラー