“小説を直接アニメーション化”できることで生まれた圧倒的自由度の高さのなか、渡辺監督が作品に注いだ並ならぬ愛とこだわりとは……。
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渡辺監督は、シンエイ動画で国民的TVアニメ『ドラえもん』の原画・作画監督・演出などを1988年頃から長期で担当。その間には、劇場短編の『帰ってきたドラえもん』や『おばあちゃんの思い出』、劇場長編の『ドラえもん のび太の恐竜 2006』といった、誰もが知る傑作を手がけてきた。
その後フリーになってからも、『宇宙兄弟』や『恋は雨上がりのように』などアニメファンから名作と評される作品を数多く発表。2019年公開の『海獣の子供』では、第74回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞している。
そんな渡辺監督が手がける作品の魅力といえば、『ドラえもん』劇場版シリーズをはじめとしてどの作品でも高く評価されている、キャラクターの感情を豊かに表現する演出力の素晴らしさだ。
本作においても監督の手腕は健在で、底抜けの明るさで誰もに愛される肉子ちゃんや、年頃の悩みを抱え瑞々しい思春期を懸命に生きるキクコといった魅力的なキャラクターたちが、渡辺監督の演出によって活き活きと映し出されていく。
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『漁港の肉子ちゃん』は、第152回直木賞を受賞した西加奈子のベストセラー小説が原作だ。活字だけで書かれた小説の世界やキャラクターを直接アニメーションで表現できるという自由度の高さは、ベテランアニメーターでもなかなか経験できない貴重な機会となる。
渡辺監督は創作意欲を大いに刺激されたそうで「それゆえの難しさもありますが、どんな雰囲気のキャラクターにするといいのかな、と考えるワクワク感がありましたね」とコメント。「最終的には、リアルなビジュアルというより、うんとマンガっぽい絵にしようと思いました」と、熱の入った制作当時を振り返る。
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また世界観の表現の自由度が高いという点から、渡辺監督はロケーションもあえて決め込まず、舞台となる漁港の町をこの国のどこかにある設定にしたとのこと。肉子やキクコが世界のどこかにいるかもしれないという含みを持たせることで、「観客に想像してほしい、それこそがアニメの醍醐味」という想いも込めたようだ。
渡辺監督のアニメと『漁港の肉子ちゃん』への愛が詰まった本作の仕上がりにますます期待がかかる。
劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』は、6月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー。
劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』
6月11日（金）全国ロードショー
企画・プロデュース：明石家さんま
出演：大竹しのぶ Cocomi 花江夏樹 中村育二 石井いづみ 山西惇 八十田勇一 下野紘 マツコ・デラックス 吉岡里帆
原作：西加奈子「漁港の肉子ちゃん」（幻冬舎文庫 刊）
監督：渡辺 歩 キャラクターデザイン・総作画監督：小西賢一 美術監督：木村真二 脚本： 大島里美 音楽：村松崇継
主題歌：稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲：吉田拓郎 編曲：武部聡志 サウンドプロデュース：GReeeeN （よしもとミュージック）
エンディングテーマ：GReeeeN「たけてん」（ユニバーサル ミュージック）
アニメーション制作：STUDIO4°C 配給：アスミック・エース 製作：吉本興業株式会社
6月11日（金）全国ロードショー
企画・プロデュース：明石家さんま
出演：大竹しのぶ Cocomi 花江夏樹 中村育二 石井いづみ 山西惇 八十田勇一 下野紘 マツコ・デラックス 吉岡里帆
原作：西加奈子「漁港の肉子ちゃん」（幻冬舎文庫 刊）
監督：渡辺 歩 キャラクターデザイン・総作画監督：小西賢一 美術監督：木村真二 脚本： 大島里美 音楽：村松崇継
主題歌：稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲：吉田拓郎 編曲：武部聡志 サウンドプロデュース：GReeeeN （よしもとミュージック）
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（C）2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
