「漁港の肉子ちゃん」は“パンダコパンダ→トトロ”の系譜!? 名作からDNAを引き継いだ魅力を紐解く | アニメ!アニメ!

「漁港の肉子ちゃん」は“パンダコパンダ→トトロ”の系譜!? 名作からDNAを引き継いだ魅力を紐解く

『漁港の肉子ちゃん』が、6月11日に公開を迎えた。肉子ちゃんは、『パンダコパンダ』や『となりのトトロ』、『ドラえもん』シリーズなどから深くインスピレーションを受けて誕生したそうだ。この記事では、その真相と名作からDNAを引き継いだ魅力を紐解いていく。

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『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
  • 『漁港の肉子ちゃん』場面写真(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
明石家さんまが企画・プロデュースした劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』が、2021年6月11日に公開を迎えた。
本作の主人公・肉子ちゃんは、高畑勲や宮崎駿が手がけた『パンダコパンダ』や『となりのトトロ』、そのほか『ドラえもん』シリーズなどから深くインスピレーションを受けて誕生したそうだ。この記事では、その真相と歴代の名作アニメからDNAを引き継いだ肉子ちゃんの魅力について、それぞれの作品を振り返りながら紐解いていく。

『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会

◆『パンダコパンダ』


『パンダコパンダ』は、監督・演出を高畑勲、原案・脚本を宮崎駿が務めた、のちの『となりのトトロ』の原型とも評される作品だ。ミミ子とパンダの親子が実の親子以上に仲良くなり愛を深めていく描写は、本作の後に『アルプスの少女ハイジ』や『赤毛のアン』などを手がけ、「日常アニメ」で知られることになる高畑監督の真骨頂とも言えるものだろう。

『漁港の肉子ちゃん』の監督を務めた渡辺歩は、まさに影響を受けた作品として『アルプスの少女ハイジ』と『赤毛のアン』を挙げている。穏やかな日常を描きながら、家族としての絆を確かめあう『漁港の肉子ちゃん』は、『パンダコパンダ』からインスピレーションを受けたといっても過言ではなさそうだ。

『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会

◆『となりのトトロ』


『となりのトトロ』は、スタジオジブリ制作の長編アニメーション。モフっとした大きな体でマイペースに佇む姿が印象的なトトロと、それを面白おかしく感じながら無邪気に過ごすサツキとメイの日常を描いた作品だ。
『漁港の肉子ちゃん』に登場する肉子ちゃんは、そんなトトロを思い起こさせるようなキャラクター。コロッとした大きな見た目と、周りの目を気にしない底抜けに明るい性格で、思春期の悩みを抱える繊細な年頃のキクコをまるっと包み込む姿が描かれる。

実は本作のスタッフのうち、キャラクターデザイン・総作画監督を務めた小西賢一はスタジオジブリに一期生として入社し、アニメーターとして活躍。そして美術監督を務めた木村真二は、アニメーターの一人として『となりのトトロ』に関わっている。
また木村には「肉子ちゃんとキクコがバス停で並んで立っているところ。実は同じような『トトロ』のバス停のシーンは、30年以上前に僕もやっていたんですよ(笑)。なんだか懐かしくて、ちょっと嬉しかったですね」という逸話もあるそうだ。

『漁港の肉子ちゃん』(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
『漁港の肉子ちゃん』場面カット(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会

◆「ドラえもん」シリーズ


『ドラえもん』シリーズといえば、22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット・ドラえもんと、勉強もスポーツも苦手な小学生・野比のび太が繰り広げる日常生活を描く、言わずと知れた国民的作品だ。ドラえもんのもと、不器用ながらも素直な心で成長していくのび太は、肉子ちゃんとの関係性に悩みながらも様々な出会いを重ねて成長していく、『漁港の肉子ちゃん』のキクコの姿にどこか重なるものがある。

本作のメガホンを取った渡辺監督は、TVアニメ『ドラえもん』の原画・作画監督・演出などを1988年頃から長期にわたって担当。その間には、劇場短編の『帰ってきたドラえもん』や『おばあちゃんの思い出』、劇場長編の『ドラえもん のび太の恐竜 2006』といった作品を手がけた。渡辺監督の『ドラえもん』での歩みは、肉子ちゃんとキクコの関係性にも少なからず影響を与えている。

『漁港の肉子ちゃん』場面写真(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
『漁港の肉子ちゃん』場面写真(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
『漁港の肉子ちゃん』はここまで紹介してきた3作品と同様に、ありふれた毎日のなかで大切な人との絆を確かめあうようなストーリーが展開していく劇場アニメ映画だ。
歴代の名作アニメからDNAを引き継ぎながら、らしい魅力にもあふれた愛くるしい肉子ちゃんというキャラクターが誕生した本作を、ぜひとも大きなスクリーンで見届けてみたい。

劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』は、6月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて公開中だ。

劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』
6月11日(金)全国ロードショー
企画・プロデュース:明石家さんま
出演:大竹しのぶ Cocomi 花江夏樹 中村育二 石井いづみ 山西惇 八十田勇一 下野紘 マツコ・デラックス 吉岡里帆 
原作:西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫 刊)
監督:渡辺 歩 キャラクターデザイン・総作画監督:小西賢一 美術監督:木村真二  脚本: 大島里美 音楽:村松崇継
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:武部聡志  サウンドプロデュース:GReeeeN (よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:STUDIO4°C 配給:アスミック・エース 製作:吉本興業株式会社

(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
《仲瀬 コウタロウ》
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