コロナ禍のいま、「AnimeJapan 2021」ビジネスエリアが“アニメビジネス新規参入”の絶好の機会と言えるワケ | アニメ!アニメ!

コロナ禍のいま、「AnimeJapan 2021」ビジネスエリアが“アニメビジネス新規参入”の絶好の機会と言えるワケ

3月27日(土)から3月30日(火)の4日間、オンラインでの開催が決定したアニメイベント「AnimeJapan 2021」。そのビジネスエリアの詳細とアピールポイントについて、同イベント責任者らにインタビュー。

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3月27日(土)から3月30日(火)の4日間、オンラインでの開催が決定したアニメイベント「AnimeJapan 2021」。そのビジネスエリアの詳細とアピールポイントについて、同イベント責任者らに直接話を聞いた。
[取材・文=いしじまえいわ]

    □ポイント

    ・オンライン化により地方、海外からの参加が容易に
    ・アニメビジネスセミナー等で新規参入企業をサポート
    ・新型コロナで新規企業とのマッチングが停滞、アニメビジネス新規参入にとっては追い風


2021年3月27日(土)から30日(火)にかけて、国内最大規模のアニメイベント「AnimeJapan 2021」 が開催される。


昨年は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で中止されており、2年ぶりの開催となる本年はオンライン開催という形式になった。
27日、28日がアニメファンに向けたステージ配信やグッズ販売が中心のパブリックエリア、29日、30日はアニメ・キャラクター関連の商談会・セミナーを中心としたビジネスエリアとなっている。



パブリックエリアの内容は上記記事や各出展作品の公式ツイッターアカウント等で既に開示されているが、ビジネスエリアの内容はどのようなものになるのだろうか。
今回、コロナ前後のビジネス環境の変化も含めて、「AnimeJapan 2021」 総合プロデューサーである寺田浩史氏(エイベックス・ピクチャーズ株式会社)、中嶋俊介氏(株式会社タツノコプロ)、ビジネスエリアプロデューサーの手塚健一氏(日本アニメーション株式会社)の3名に取材した。

総合プロデューサー寺田氏(左)、中嶋氏(中央)、ビジネスエリアプロデューサー手塚氏(右)
そこから見えてきたのは、「AnimeJapan」ビジネスエリアは特にアニメ・キャラクター関連ビジネスの新規参入に最適な機会だということだ。

コロナ禍を経てより理想的な形になったビジネスエリア


「AnimeJapan 2021」 のビジネスエリアにはアニメ制作会社やゲーム会社、テレビ局等、40社を超えるアニメ・キャラクターのライセンサーや関連企業が出展しており、それら企業の担当者と直接商談ができる場となっている。
有料アカウント登録のうえ、オンライン商談システムを介して事前にミーティング日時を調整し、ビジネスエリア当日に同システム上で商談をするという形式だ。

商談システムには全出展企業の情報閲覧から商談希望の申請・調整・実際のオンライン商談までを1つのシステム上で一貫して行える仕様となっているシステムを採用し、初めてアニメビジネスに参入するビジネスパーソンにも目的にマッチする商談相手を探しやすいと言える。

振り返ると、一昨年までのビジネスエリアでは各企業が物理的に一つの場所に会し、各ブースを自由に訪問できる形式になっていた。それをオンライン化するにあたって、抵抗はなかったのだろうか。

寺田氏は「ビジネスエリアのオンライン化は仕方なく、というものではありません。昨年の時点で海外からの渡航が制限されていましたから、より開かれたものにするために元々オンライン前提で前向きに動いていました」と答えた。

手塚氏によると、ビジネスエリアをオンライン化してほしいという地方や海外企業からの要望は、新型コロナの流行と関係なく、以前から多かったという。「オンライン化によって、日本中、世界中のビジネスパーソンが気軽に参加できるようになりました。コロナ禍を機に、より理想的な形になったのが今回のビジネスエリアです」と手塚氏は胸を張る。

確かに、リアルな場でファンや送り手が一同に会する点に大きな意義があるパブリックエリアに比べ、会議システム上で完結可能な商談が目的のビジネスエリアはオンライン化することのメリットが大きい。会場までの交通費や宿泊代が不要になるため、アカウント登録料11,000円を差し引いてもコスト安となるケースは多いだろう。

経済的な面だけでなく時間的コストの面でもオンライン化の恩恵は大きい。実際に会場に足を運ぶ場合、例年使用されている東京ビッグサイト(東京国際展示場)までの往復移動時間等を加味すると、都内からの参加でも半日程度は拘束されていた。
一方オンライン形式であればテレワーク中の自宅から30分だけスポット的に商談をする事も可能だ。オンライン化の恩恵は地方や海外からの参加者だけでなく、これまでリアル会場に足を運んでいた参加者にとっても大きなものになるだろう。


アニメビジネス初心者から業界人までカバーする施策「ビジネスセミナー」


オンライン化によってビジネスエリアへの参加のハードルは低くなり、より多くのアニメビジネス新規参入を受け入れやすくなった。では、中身の面ではどのような工夫がなされているのだろうか?

手塚氏によると、「ビジネスセミナー」がその工夫の一つだという。同セミナーでは29日、30日に渡って以下の計5つのセミナーが開かれる。



『「アニメ産業レポート2020」から読み取る、アニメ産業の最前線』は、アニメ業界の産業団体・日本動画協会によるアニメ市場に関するレポートを、編集統括自身が読み解くセミナーである。アニメ市場について包括的な知識を得るには最適だ。
『COVID-19を乗り越えるアニメビジネスとは』もまた、新型コロナ流行を経た現在のアニメ業界を俯瞰するのに相応しいものになるだろう。

『クリエイター・企業・顧客を繋ぐアニメコラボ』は、本インタビューに対応いただいた株式会社タツノコプロの中嶋氏に加え、株式会社タニタヘルスリンクと株式会社三越伊勢丹のメディアやコラボレーションの担当者らによるセミナーとなっている。「コラボビジネスの成功談や失敗談を、ライセンサーとライセンシーが一緒に話す珍しい場になる予定です」と中嶋氏が言う通り、誰もが知る企業がどのようにアニメコラボに取り組んでいるのかを両面から聞ける、アニメビジネス新規参入者にとっても理解しやすいテーマになっている。

「アニメを世界に届けるために」「『エヴァンゲリオン』にみる多様な二次利用展開について」も、どちらも非常に魅力的なセミナーだ。今最も勢いのある会社の一つの株式会社アニプレックスのこれまでの海外展開と、今後の展開についてのセミナー。『エヴァンゲリオン』はシリーズ最新作が劇場で公開中だが、今まさに好評を博し多くのコラボレーション展開を行っている作品の具体的な話を聞ける貴重な機会となっている。本記事インタビュー中、3名が「業界人なら誰でも聞きたい話です」「よく(登壇を)受けてくれたな、というのが率直な感想です」と顔を見合わせていたのが印象的だ。

本セミナーは実施から1週間後の4月6日(火)までアーカイブ視聴可能となっており、加えていずれのセミナーにも英字翻訳が備わっている。こういった点からも、今回のビジネスエリアは時間が限られている人や海外参加者等より多くの人に門戸を開いていることが分かる。

5つのセミナーはアニメビジネス初学者にもアニメ業界人にも価値のあるラインナップとなっている。これは筆者の主観になるが、このセミナーに参加できる点だけでも「AnimeJapan 2021」ビジネスエリアに参加する意義は大いにあると言っていい。
ただし、ビジネスエリアのアカウント登録は商談目的の参加者に限られるため、これらのセミナーに参加できるのはアニメビジネスを目的としたビジネスパーソンの特権だ。

「AnimeJapan」のマスコットキャラ・AJ兄弟

コロナ禍を経た今こそがアニメビジネス新規参入のチャンス


以上、「AnimeJapan 2021」のビジネスエリアが既にアニメビジネスを行っている人だけでなく、これからアニメビジネスを始めようという人にとっても相応しいものであることが分かった。
だが、実際にアニメやキャラクターのライセンサー側は、新規参入者を歓迎してくれるのだろうか。
これについては結論から述べるが、現在アニメビジネスへの新規参入は追い風となっている。

中嶋氏によると、昨年2020年4月に緊急事態宣言が発出された際、アニメ関連コラボレーション等の新規営業は停滞してしまったという。「何事も“自粛”が求められる情勢だったことで、アニメ関連のコラボや企業の宣伝活動も不要不急ということで後回しになってしまったのでは」と中嶋氏は分析する。

「緊急事態宣言が解除されて以降も7月頃までは商談が難しい状態でした。まだオンラインでの商談にも不慣れでしたし、直接会って話しましょうというには危険性もありアプローチすること自体がマイナスイメージになりかねない状況でした。ですが、社会全体がオンライン会議システムに順応していくことで、夏頃には商談が以前と同じようにできるようになってきました」という。


だが、そこで問題になったのがビジネスパートナーの新規開拓だ。元々信頼関係のある企業の担当者であればオンラインで今までどおりコミュニケーションが取れるが、新規の相手となるといきなりオンラインで、というのはやはり抵抗があり、成約率も以前同等とはいかなかったのだという。

「私たちライセンサー同様、アニメを活用したい企業の側にも『こんな時期にアプローチしていいんだろうか?』という思いがあって踏み出せなかった面もあるのかもしれません。ですが、私たちIPホルダー側には積極的に新しいパートナーを探したいという思いがあります。ビジネスエリアはまさにアプローチをするための場ですから、ここでこそそういったお互いのモヤモヤを解消できると考えています」と中嶋氏は語った。

以上のように、新たな商談が成立しにくかったコロナ期を経た今回の「AnimeJapan 2021」 ビジネスエリアこそ、新たにアニメビジネスに取り組むには最適なのだ。

最後に手塚氏は「アニメ関連の商談の機会としては3月の『AnimeJapan』と10月のTIFFCOM の2つがあり、ちょうど半年に1回そこでアニメビジネスの関係者が顔合わせをする、というのが通例になっています。特に『AnimeJapan』はパブリックエリアで今どんな作品が人気なのかを肌で感じどんな情報が発表されたのかを知ってからビジネスエリアでその作品の版元と商談ができるという流れがある点で、新規でアニメビジネスを始めたい方にはマッチしたイベントになっています。オンライン化によって場所や時間の制約がなくなったビジネスエリアに、ぜひ多くの方にご参加いただけたらと思います」と言ってインタビューを結んだ。今後は国内だけでなく海外への告知も強化していくという。


登録料11,000円は破格、早めの登録が吉


筆者は「AnimeJapan 2021」 のビジネスエリアがオンライン化すると知った際「オンライン開催で一昨年までのリアル開催に近い価値を提供できるのだろうか?」という疑問を持った。
それを今回率直に伺って解ったのは、今回のビジネスエリアは「過去のものに戻そう」というものではなく、「より多くの人に参加してもらえる開かれたものにしよう」という理念で設計され、実際以前よりも価値が高まっているということだ。当初は気になっていたアカウント登録料11,000円も今は破格と感じられる。

「AnimeJapan 2021」 ビジネスエリアのアカウント登録は3月1日から26日までの期間内可能で、既に登録した方は出展企業情報のアーカイブを閲覧できる状態となっている。また3月15日10:00からは各出展企業とのチャットを用いたアポイントメントが開始され、商談が可能かどうかといったレベルの簡単な相談であればその場で確認できる。
当日に商談できるコマ数には各社限りがあるため、アニメビジネスをやってみたいと検討されている方には、パブリックエリア参加も併せて早めに参加申請することを推奨する。

「AnimeJapan」ビジネスエリアの詳細はコチラ
《いしじまえいわ》

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