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『URVAN』における背景美術の制作工程
2021年2月公開の実験映像『URVAN』(ウルヴァン)の背景美術制作では、PFNが開発するアニメの背景美術制作支援ツール・Scenify(シーニファイ)が活用されており、その成果が発表された。
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『URVAN』における背景美術の制作工程
PFNは機械学習・深層学習などの最先端技術の実用化を目指し、イラスト・アニメ・ゲームなどのクリエイティブ産業向けに技術開発を行っている。
東映アニメーションでは『URVAN』の制作にあたって、製作部 美術課、デジタル映像部 テクノロジー開発推進室、そして試作開発と実験的研究を目的とした取り組みであるPEROs(P rototyping and E xperimental R esearch in O izumi S tudio)が連携。PFNの画像変換およびセグメンテーション技術を応用して開発されたツール・Scenifyを用いて映像を制作した。
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『URVAN』におけるScenifyを利用した背景美術制作の例・素材写真
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『URVAN』におけるScenifyを利用した背景美術制作の例・Scenifyによる変換結果
『URVAN』では実在する佐世保の風景をアニメ調・サイバーパンク調の二つの画風で表現。現地で実際に撮影された風景写真を、Scenifyによってアニメ調の背景素材に自動変換することで、美術クリエイターが画像の前処理工程に要する時間を従来の約1/6に大幅短縮した。
Scenifyは『URVAN』の背景美術の約2/3に使用されており、この技術によって美術クリエイターの作業負担・工数を削減を実現。それによってクリエイティブの自由度が大きいサイバーパンク調の背景制作に、より多くの時間をあてることができた。
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『URVAN』におけるScenifyを利用した背景美術制作の例・東映アニメ美術スタッフによる最終レタッチ結果(サイバーパンク調)
Scenifyの開発にあたっては、背景画像からキャラクターに接する部分や手前にくる部分(BOOK)を自動的に切り出す「BOOK分け」機能、画像の一部を除去した後の空白を自然に塗りつぶす「スマート塗りつぶし」機能、Scenifyをクリエイターの制作ワークフローに組み込みやすくするためのプロトタイプUIの開発も行った。
今後はTVアニメや映画制作においてもScenifyを適用することを目指して、機能開発を進めていく方針だ。
[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]