「あの花」で見た“車”について僕たちは知らない? 新たな視点で見る名作も一興【夏アニメコラム】 | アニメ!アニメ!

「あの花」で見た“車”について僕たちは知らない? 新たな視点で見る名作も一興【夏アニメコラム】

アニメ!アニメ!編集部のオススメな「夏アニメ」を紹介するコラム第5弾。今回は営業担当・徳田龍磨が『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を紹介します。

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「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(C)ANOHANA PROJECT
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いらすとや

    ◇◆◇ 夏アニメコラム ◇◆◇

    気温が高い日が続き、本格的な夏目前! 今年は夏休みが短くなったり、海開きが中止になったりして心置きなく夏を満喫するのが難しい状況。
    そこで、アニメ!アニメ!ではオススメの【夏アニメ】をピックアップ! 編集部&ライターが連載形式で紹介していきます。ぜひさまざまな“夏”を味わってみてください♪



<第1弾>
「ばらかもん」外出自粛…人と会えない今こそ見たい! 元気な“島っ子”と過ごす田舎ハートフルコメディ
<第2弾>
「ピンポン」“僕の血は鉄の味がする…”忘れかけていた大切なものを思い出させてくれる、青春スポ根アニメ
<第3弾>
「デジモンアドベンチャー02」“夏休み”の非日常感を味わえる! 初登場テリアモンにも注目の劇場版
<第4弾>
「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」“下手な先輩”だった吹奏楽部経験者にとっての青春

今回、第5弾としてアニメ事業部の営業担当・徳田龍磨がオススメする作品は……

【No.5】あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。


「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(C)ANOHANA PROJECT
『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ビジュアル

とにかく懐かしい!と思わせるシーンが多い


――夏アニメコラム第5弾では、アニメ事業部の営業担当・徳田さんのオススメ『あの花』について伺っていきます。まずは、どのようなあらすじでしょうか。

徳田:仲良し男女6人組がいて、そのなかの女の子が事故で亡くなってしまい、秘密基地で集まって遊んでいたのにどんどん疎遠になってしまいます。彼らが高校生になったある日、主人公・じんたん(CV.入野自由)の前に幽霊になった女の子・めんま(CV.茅野愛衣)が現れるのですが、「お願いを叶えてほしい」と言い出し、それをきっかけに皆が再び集まり始めます。それぞれが抱えている“めんまの死”に対するトラウマに向き合っていき、その気持ちのぶつかり合いや、ややドロドロした恋愛事情など複雑な人間関係が描かれていて……自分の学生時代を思い出しますね。

――ドロドロがあったんですか?

徳田:恋愛事情はそこまでないです(笑)。でも小中学生の記憶が蘇ります。学校が山の上の城趾にあって、近くに畑とか雑木林とか自然が多かったので走り回ってました。意味もなく集まって、「今日はこれやろうぜ」って達成したところで何もないことでも、がむしゃらに皆で楽しんでましたね。

――確かに、「超平和バスターズ(めんまたち幼馴染のグループ)」の秘密基地やゲームなど、作中には子どもの頃を思い出す要素が散りばめられている印象があります。

徳田:僕が小中学生だった頃に流行っていたお笑い芸人や、ギャグとかいろいろと出てくるんです。EDテーマの「secret base ~君がくれたもの~」も、僕の成人式にZONEがスペシャルゲストで来てライブで披露してくださった思い出のある曲。式のときは、その曲が発売された当時を思い出してしまいましたし、作中で流れてきても成人式と子どもの頃のさまざまな記憶が蘇ってきます。また、毎回絶妙なタイミングでEDテーマが流れて、泣かせに来る(笑)。

そのほかにも、「しっぺ」、「バリアー」とか当時遊んでいたのに忘れていた遊びが出てきます。
2話のあなる(CV.戸松遥)の部屋では、「ぼ★ぼーぼ」とか「ウシキング」とか、自分も持ってたマンガやゲームのパロディがたくさんあって懐かしい。じんたんたちが「のけモン」をやってるのを見て、「昔のゲームはケーブルがないと通信できなかったよなぁ」と思い出しました。

2話で懐かしいアイテムが出てきて、子どもだった“当時”の感覚に引き戻され、高校生である彼らの“日常”に近い気持ちになり、すごく共感しやすい状態が出来上がりました。そして、3話以降のひとりひとりがトラウマに向き合い解決していくストーリーにすんなり入っていける。僕はその葛藤を全部経験したことがあるわけじゃないけど、「あの時ってこういうこと考えたりするよな」と。今だったら、おとなしく一歩引いて何も起こらない平和な道を行くのに、ムキになって衝突するって、あの世代じゃないとないことだと思います。叫び合うとか今じゃ絶対しないし、まさに青春だなって。

――皆の思いがときに痛くて切ないです。一番の青春シーンはどこでしょうか?

徳田:僕が印象に残ってるのは、久々にじんたんが登校してきた日に、あなるがうわさで騒がれる場面。じんたんはあなるを庇って、クラス全員に向かって「俺を見ろ」って言うんです。じんたんだって、久々に登校してきた感がヤバいのに(笑)。好きな人にこれをやられたら、たまらないでしょう。じんたんの“カッケー”シーンのひとつですよね。


思春期男子の前にあんなかわいい幽霊出てきたら大変(羨ましい)




徳田:めんまは物を触ることができて、じんたんとは話せる。成仏しなくていいんじゃないかと思いました。じんたんも後半で「成仏しなくていいじゃん」て言っちゃってたんで、あれが素直な気持ちだよなって。
めんまは見た目は成長してるのに、中身は幼少期のままで素直すぎますよね。「あなる」って呼んじゃうところや、引きこもりのじんたんを学校へ連れ出そうと奮闘したりとか、皆がギスギスしてきたら「皆仲良くしなきゃ駄目だよ」って訴えたり、健気な姿がかわいいです。じんたんがずるいですね。

――ずるいとは……?

徳田:だって、当時好きだった子が家で生活してるんですよ? 高校生で思春期ど真ん中で、今も好きなわけじゃないですか。久しぶりに見て「成長してる、かわいい!」って思いますよね。乗っかられたりお風呂上がりシーンもありましたし……ずるいっすね。まさに妄想が具現化されていて、28歳になっても羨ましさを感じてしまいます(笑)。

めんまはじんたんの留守の間、ベッドでごろごろゲームして、窓に座って帰りを待っていたり、普通に生活している感がいいなぁと。家に帰るのが楽しみになっちゃいますよ。あんなかわいい幽霊なら出てほしい。今もちょっと出てきてほしい。

――切実な思いが伝わってきます……。最後に、注目すべきポイントはどこですか?

徳田:注目してほしいわけではないですが、自分が注目してしまうのは車でしょうか。僕は車が好きなので、アニメを見ていても車の描写を見てしまうんです。小さい頃からトミカやイニシャルDで遊んでいて、大学ではモータースポーツをやってたのでサーキットも走っていました。
アニメで印象的な車のシーンというと、『SHIROBAKO』のOPのカーチェイスとか……。

――あの、車が空に浮いちゃうやつですね。

徳田:ほかの作品にもいろいろな車シーンが出てきますよ! 『あの花』で目に付いたのは、銀色っぽい車体の前後のバンパーが黒色に変わってるセダンのシャコタン。ヤンキーが乗ってそうなデザインの車が3回ぐらい登場しています。実は、僕も昔はあんな感じの車に乗ってたことがあります(笑)。

ゆきあつ(CV.櫻井孝宏)がランニングしてるところにじんたんが待ち伏せするシーンと、めんまのお父さんにゆきあつが直談判するシーンの駐車場。3回目は決起集会の帰り道であなるとつるこ(CV.早見沙織)が話しているシーン。どれもいいシーンなのですが、その車ばかり通る(笑)。全体が銀色っぽいのに前後だけ黒い車なんてなかなか見ないし、きっと地元の暇なヤンキーが乗っているんだと思います。

――斬新な視点! 新たな視点で見る『あの花』も面白そうですね。ぜひ今度は車に注目して見ようと思います(笑)。

(C)ANOHANA PROJECT
《スーサイド・モモ》
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