「八男って、それはないでしょう!」ヴェンデリン役・榎木淳弥、全話総括インタビュー 役への向き合い方は「特別な意気込みはあえて持たない」 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「八男って、それはないでしょう!」ヴェンデリン役・榎木淳弥、全話総括インタビュー 役への向き合い方は「特別な意気込みはあえて持たない」

TVアニメ『八男って、それはないでしょう!』より、ヴェンデリン役の榎木淳弥さんにインタビュー。TVシリーズを振り返りつつ『八男』で印象深かったエピソードや、役への向き合い方をうかがった

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  • 榎木淳弥
  • 『八男って、それはないでしょう!』キービジュアル(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
  • 『八男って、それはないでしょう!』(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
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  • 『八男って、それはないでしょう!』(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
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  • 『八男って、それはないでしょう!』(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
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■アドリブで社畜っぽさを出したかった


――シリーズ全体を通してのお話ですが、アフレコ収録を経て完成した映像をご覧になられての感想はいかがでしたか。

榎木:アドリブに合わせて絵を変えていただいた箇所が多くてびっくりしました。
もともと口パクがなかった箇所にアドリブを入れたら、オンエアで映像に口パクが追加されていたんです。「演技に合わせて変えてくれたんだ!」と嬉しく思いました。

――前回、榎木さんと西明日香さんとの対談でお話を伺った際、アフレコではアドリブをかなり入れていたとおっしゃっていました。それもヴェルを自然体で演じているからこそ出てきた言葉だったのでしょうか。

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榎木:ヴェルの気持ちで話そうと思いつつ、実際には「ここにアドリブを入れるとおもしろそう」とほとんどいたずら心で入れていました。もちろんアドリブを入れると成立しなくなってしまうシーンでは我慢しています。

――思い出に残っているアドリブはどこですか?

榎木:迷ってしまいますが、真っ先に思い出したのは第1話「八男って、それはないでしょう!」冒頭で、サラリーマンの一宮信吾として発したアドリブです。

ソファーで寝落ちしそうになって慌てて起き上がるシーンの「あー、起きる!」というセリフはもともと台本になかったし、「ここにアドリブを入れてください」とディレクションがあったわけでもありません。
「仕事から帰ってきたらこんな心境なのかな」と思って入れてみました。

『八男って、それはないでしょう!』(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
『八男』で最初にアドリブを入れた箇所だったので、今でも印象に残っています。
より社畜っぽさを出したかったので、単なる息遣いではなくはっきりとしたセリフを入れました。

――ちなみに、榎木さんご自身は家でひとりごとをよく口にされているのでしょうか?

榎木:独り言は多いですね。朝は「ああ~、起きないと」とかよく言っています(笑)。
僕の経験した日常を一宮信吾にも活かせたらおもしろいかな、とアフレコに反映した記憶があります。

■ここだけは共感できないポイントとは


――全12話の中で、とくにお気に入りのエピソードやシーンは?

榎木:第5話「政略結婚って、それはないでしょう!」で、ヴェルがエリーゼと馬車の中で会話するシーンです。

『八男って、それはないでしょう!』(C)Y.A/MFブックス/「八男って、それはないでしょう!」製作委員会
それまでのストーリーであまりなかった恋愛要素が入ってきて、本作の違う側面を見られたなと新鮮でした。
まだ恋愛までは発展していないものの、だんだんとお互いを「好き」だと思う気持ちが芽生えていく。しっとりとした、いい空気感のシーンだと思います。

――ヴェルはエリーゼだけでなく、イーナやルイーゼなどに対しても「来るものは拒まず」という姿勢で接しているように思えます。エリーゼと婚約したにもかかわらずイーナたちを側室としてあっさり受け入れてしまったことをどのように解釈して演じましたか?

榎木:なぜヴェルが一夫多妻制を受け入れたのか、その理由を考えました。僕個人の見解ですが「みんなかわいいから、まあいいか」と案外、単純な思考だと思うんです。
ヴェルは現代とは違う世界にいますし、いい意味でリアルな軽薄さを持っているのではないか。また、完璧な人間ではないので自分にとって都合のいいように解釈するときもあるだろう、ととらえました。

ちなみに僕自身は女性に対してとても誠実なので、「かわいければよし」というヴェルのスタンスには共感できません(笑)。

榎木淳弥
――ローデリヒをなかなか登用しなかったのも、「見た目がかわいくないから」という理由だったのでしょうか……?

榎木:ローデリヒは単純に面倒くさそうだったからだと思います(笑)。でもだんだんと仲良くなりましたし、今ではいい家臣です。


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《ハシビロコ》

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