「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】

『ペンギン・ハイウェイ』で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞し、賞賛の声を浴びたスタジオコロリドによる、長編アニメーション映画第2弾『泣きたい私は猫をかぶる』が、6月18日(木)より、Netflixで全世界独占配信中。

インタビュー
注目記事
「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】
  • 「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】

好きな人のB面に触れて沸く、愛しさを感じて


――主人子・ムゲの魅力を感じるのはどんな部分ですか?

志田:ムゲは本当に明るくて、真っ直ぐな女の子なんです。日之出に対しては、今時珍しいくらい、自分の気持ちを素直に出すので、観ていてすごく気持ちがいい。
ただ、周囲からの愛情に気付いていない幼い部分があるし、学校などで見せる外の顔と、自分の部屋にいるときに見せる内の顔にギャップがあります。


花江:そうなんですよね。ムゲちゃんは、ずっと学校では明るく振る舞っていて元気で、日之出に対してすごく好意を寄せてくれるんです。
家では努めて明るく過ごしているけれども、やっぱりちょっと無理して笑っていたり、悲しんでいる部分があったりして。
本当は自分の気持ちに素直になりたいのに、なかなかできなくて、どうやって気持ちを伝えていいのかわからないと悩んでいる姿を観ると、応援したくなりますね。

そういう意味で、学校でしか接していない日之出には見えない部分が描かれている、里芋の煮物を食べるシーンが印象的でした。「おいしい」って言っているのに、気持ちは悲しい。
その絶妙なムゲちゃんの気持ちの揺れ動きを、志田さんがすごく素敵に演じられていて。

志田:ありがとうございます。リハーサルに読み合わせをしたときに、監督から「ムゲの声は作りすぎず、自然体で演じてみてください」と言っていただいたので、今まで自分がやってきたお芝居を信じて現場に臨みました。


特にムゲが感情を爆発させるシーンでは、映像のタイミングに合わせることと、声だけのお芝居で感情を表すことに苦労して。監督の提案で、映像なしで録っていただき、感情を作りあげていくことができました。

逆に、猫島の映像は迫力があってとてもきれいだったので、収録しながら自分も冒険している気分になって楽しかったです。


花江:「映像の顔や表情、動きに引っ張られずにお芝居してください」とおっしゃっていましたね。
絵で大袈裟な顔をしていても、声ではそこまで表現しなくてもよかったり、逆に、大袈裟にしたほうが良いと思うところもあったりして。

「絵は絵でお芝居をするし、声は声でお芝居をして、観ている人により立体的に伝わればいいなと考えているので、まずはご自身が思ったもので演じてください」という風に言っていただいたので、僕も絵にとらわれず演じましたね。

志田さんは本当に素敵な女優さんで、本当にいろいろ研究してアフレコに臨んでいることが伝わってきました。
やっぱり志田さんにしか出せない等身大感というか、飾らないお芝居がムゲにピッタリで。「すごいな」と思いながら、隣で一緒にやっていました。

――収録は2人一緒でしたか?

花江:そうです、最後まで2人でやりました。やはり掛け合いをしないと伝わらないところがたくさんあるので。
監督からも「ムゲと日之出は、全部一緒に収録したいです」と打診されたので、万全の体制で。


日之出は、ムゲを受けて演じる部分が多かったので、志田さんの演技に引っ張っていただいました。あまりセオリーにはまらないお芝居をされるので、自分ももっと引き出せるんじゃないかと思わされたというか。
もっといろんなお芝居の形に挑戦してみたいなと思いました。


志田:よく観ていたアニメに出演されている憧れの花江さんと共演させていただけて、本当に光栄でした!
リハーサルで、セリフ入りのタイミングがわからなくなってしまったときに、花江さんが他のキャラクターのセリフを読んで、優しくフォローしてくださったり。

本番も、緊張している私に話しかけて緊張を和らげてくださったりと、本当にいろいろ気遣ってくださったのが嬉しかったです。

――ムゲが好意を寄せる、日之出の魅力は?

花江:日之出は、自分が思ったことを直接伝えられないタイプです。おじいちゃんから陶芸工房を閉めると聞いたときも、自分は陶芸をやりたいと言い出せなかったり、友だちに対しても自分が思っている気持ちとは真逆のことを言ってしまったりとか。
素直に言葉にできない部分は、ちょっぴり学生時代の自分に重なるなと感じました。

でも素は、かなり真面目で優しい少年なんです。だけどムゲがぐいぐい来るので、うまく接することができなくて(笑)。
そういう意味では、ムゲがかなり謎な分、日之出はわりと普通の男の子だなと感じました。


志田:そうなんですよね。日之出はすごく大人でクールに見えるけれども、実はすごくもがいているところが、人間味にあふれていていいなと感じました。
花江さんの言う通り、日之出自身はそれを表に出していないので、“人間”として学校に行っているムゲでは気づけない。

でも、猫のお面をつけて“太郎”になったからこそ触れることができた、日之出の一面なんですよね。
そういう一面を知ることができたから、ムゲは日之出のことが大大大好きになったんだろうなと思っています。

日之出のシーンで印象的だったのは、陶芸工房でおじいちゃんと話しているところです。
学校では見せない真剣な表情と花江さんのナチュラルな声の演技で、日之出が悩んでもがいている様子がスっと入ってきて。そして、ちょっと色っぽいと思いました。

花江:色っぽい(笑)。そういう意味では、物語を通じて、一人の少年から青年の気持ちに移りかわっていくところが、日之出の魅力だなと思います。

――志田さんは、“太郎”の声も演じたのですか?

志田:はい。私が演じるとは思っていなかったので、“太郎”役をお願いされたときは驚きました!
「にゃー」の一言にムゲの感情を込めることに苦戦しましたが、“太郎”の収録は最終日だったので、緊張もなく楽しく収録させていただきました。

――猫好きの花江さん、おすすめの猫シーンはどこですか?

花江:日之出が“太郎”のお腹をなでたり、わしゃわしゃしたりするシーンがあるんですが、顔を近づけてモフモフしたい願望を見透かされたようで(笑)、観ていてすごいなと思いました。


あと、猫島の住民たちがどれも個性的で。かっこいい猫がとてもよかったです。

――作品全体で印象に残ったシーンはどこでしたか?

花江:どのシーンも背景がとてもキレイで、1枚の絵画のような素敵なシーンばかりなんです。その中でも、“太郎”と日之出が出会った花火のシーンは、とても幻想的でいいなと思いました。

志田:私は、猫島を初めて観たときに、本当に美しいなと思いました。
あくまでファンタジーの世界で、現実にはあるはずのない大きな猫島がパッと目の前に現れたのを感じましたし、その存在をリアルに感じることができたシーンなので、印象に残っています。

最後は、配信に寄せたメッセージをお届け!
《中村美奈子》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集