串田アキラ、デビューから50年を振り返る「挫折するのは好きな気持ちが足りないってこと」【インタビュー】 3ページ目 | アニメ!アニメ!

串田アキラ、デビューから50年を振り返る「挫折するのは好きな気持ちが足りないってこと」【インタビュー】

今年でデビュー50周年を迎えたヒーローソングとアニメソングのレジェンド・串田アキラさん。ベストアルバムのリリースやアニバーサリーライブ開催に沸くこのタイミングでインタビュー。デビューの経緯や思い出に残る出来事などを語ってもらった。

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■50年の歌手生活は「本当に幸せ」


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――今年で歌手生活50周年の串田さん。デビュー当初はかなり苦労されたようですが、それ以降で挫折しかけたことってありますか?

串田:挫折ですか……。挫折ではないかもしれないんですが、僕はやっぱりリズム&ブルースが好きでそういう音楽をずっと追いかけていたので、テンプテーションズは特別な存在なんです。
デビューしてからも、いつか前座でいいからやりたいなと思っていたんですが、そんなテンプテーションズから「一緒にステージに立たない?」と言われたんですよ。

――それはすごい!

串田:六本木のナイトクラブに出演している時、どこか見た人がいるなって思ったらテンプテーションズのメンバーだったんです。で、「一緒にステージに?」って言われたんですよね。

だけどそれが明日だって言うんです。僕は次の日このクラブハウスのステージに立たないといけなかったんですよね。
だからそう伝えようとしたら、お店のオーナーが「明日は急遽休みにする」「休むからテンプテーションズのライブに出なさい」って。

――えっ!

串田:なので一緒に出ることができたんですよ。前座でもなく、一緒に。時期的には、ヒーローソングを歌いはじめたあたりのことですかね。テンプテーションズのファンがみんな「誰だこいつ」となっているんですけど、歌いだしたら「うわーー!」ってなりました。
その後も、有明のエムザっていうライブハウスに出ている時に近くのガゼル(クラブ&レストラン)にテンプテーションズが出演していて、休憩時間にマネージャーが迎えに来てまた共演することができました。そんな経験をしたので、自分のなかでは音楽生活頂点なんじゃないかって思ったんですよね。

――なるほど。挫折ではなくゴールテープを切ってしまった感覚。

串田:やりきった気持ちになりましたね。だけど、それからもいろんなところで演奏していたらなんだかんだ楽しいんですよ。しかもその直後に『~ジライヤ』『機動刑事ジバン』がきたので、ますます楽しくなってしまい今に至ります。


――では改めて、50年間音楽を続けられる秘訣を聞きたいです。

串田:やっぱり、好きだからやっているんですよ。何かあっても好きな気持ちを忘れなければいい。挫折してしまうのも、好きな気持ちが足りないんだって思いますね。
続けることで花開くかわからないんですけど、好きでいれば続けることはできると思います。

40周年の時、楽しくてしょうがないっていう気持ちがものすごく強くて、これ以上のことできないんじゃないかなと思っていたんですけど、はっと気づいたらもう50周年ですから。

――すごく幸せな歌手生活ですよね。

串田:ええ、本当に幸せです。全然「からっぽの青春」なんてないんですよ(笑)。

――今思ってもそうかもしれませんね(笑)。「より多くの人に自分の曲を聞いて欲しい」とはほぼすべてのミュージシャンが思うことだと思いますが、串田さんの曲の場合はどの世代の人も、大体聴いたことがあると思うんですよね。

串田:そうですね。『キン肉マン』『~ジバン』もそうですけど、『トリコ』『爆竜戦隊アバレンジャー』『仮面ライダーオーズ/OOO』と、どの時代にもいろんな曲をいただけて、何かしらアクションを起こせているのは大きいのかもしれないです。

本当にありがたい。感謝です。もういいかなって思う気持ちもね……全然ないんですけど(笑)。


――一瞬ヒヤッとしました(笑)。では、今回ベストアルバムもリリースされたことですし、「もっともっと日の目を浴びて欲しい!」といった収録曲があれば教えてください。

串田:「小川珈琲」のCMソング「Orangr County」は、放映エリアが関西なのでなかなか聴く機会がなかったんですよ。みなさんのなかにもそういう人は居ると思うのでぜひ聴いてほしいなと思います。

あと「ギャングラーズパラダイス」は、いつもヒーローを歌っていますけど、悪のほうの曲なんです。めずらしいですし、僕の声にあっている曲だなと思います。ほかにも、「KA・MI・TSU・KE」、「その名はガイキング ザ・グレート」なんかももっと聴いてもらいたいですね。

――第一線で活躍し続けている串田さんですが、ヒーローソング、アニメソング業界ですが、今後どうなってほしいですか?

串田:自分の勝手な意見ですけど、やっぱり楽しく作って欲しいです。作っている人が楽しくないと受け入れるほうも受け入れ難いと思いますからね。
今のこの業界の人たちって、楽しんでいる人が多いと思うんですよ。『?サンバルカン』や『キン肉マン』のとき子どもだった子たちが、今この業界でいいポジションに来ているのかなと。

「売れなければいけない」というのもあるんでしょうけど、それ以上に楽しまないと。自分のスタイルでいいから楽しく。それを極限まで工夫していけば、どんどん楽しくなると思います。無限大ですよ。

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――楽しんでいる串田さんが言うからこそ説得力がありますね。最後に、今後挑戦したいことを教えてください。

串田:歌い方や楽器、なんでもそうですけど、とにかくいろいろやってみたいです。例えば、突然ハーモニカ吹いてみようかな、とかね(笑)。もういいやじゃなくて、毎日新しい気持ちで、もうちょっと欲を出して「今日は何をしよう」と常に思い描いていたいです。それをできる限りやっていく。

40周年は「夢中者(むちゅうもん)」という言葉を掲げて夢中でやっていましたけど、50周年は「毎日がスタート」。この言葉でやっていこうかなと思います。
《松本まゆげ》
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