「プロメア」今石洋之監督、応援上映に「心地よい疲労が新しい快感」東京国際映画祭レポ | アニメ!アニメ!

「プロメア」今石洋之監督、応援上映に「心地よい疲労が新しい快感」東京国際映画祭レポ

10月30日、「第32回東京国際映画祭」内で、ジャパニーズ・アニメーション部門に選出された映画『プロメア』のトークショーが開催された。
会場には今石洋之監督と脚本を手掛けた中島かずき、アイナ・アルデビット役の佐倉綾音らが登壇。応援上映の仕上がりに太鼓判を押した。

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『プロメア』東京国際映画祭イベント(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG(C)2019 TIFF
  • 『プロメア』東京国際映画祭イベント(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG(C)2019 TIFF
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10月30日、「第32回東京国際映画祭」内で、ジャパニーズ・アニメーション部門に選出された映画『プロメア』のトークショーが開催された。
会場には今石洋之監督と脚本を手掛けた中島かずき、アイナ・アルデビット役の佐倉綾音らが登壇。応援上映の仕上がりに太鼓判を押した。

まず上映前舞台挨拶には、今石監督と中島が登壇。会場から“洋之コール”と“かずきコール”が巻き起こり、会場のテンションがいきなり最高潮に達する。
今石監督は今回の上映が「英語字幕付き応援上映」であることに触れ、「応援上映を観るのは6月に行われた最初の上映を観たきりなんです。なのでこの数か月でどれだけ進化したのか楽しみにしています!」とコメント。
中島は「プロメアのお蔭で人生の違う扉が開いた気がしています(笑)今日は国際映画祭なので海外のマスコミの方達もいらっしゃってます。日本の応援上映がどういうものか、どういうエンターテイメントになっているのかを世界に知らしめて欲しいと思っています」と述べた。

さらにMCから「とても応援しやすい作品になっているのではないか」と聞かれると、これに今石監督は「意外と通常営業なんです(笑)いつもより歌は大いですけどね」と返答。
中島は、自分の書いた台詞を観客が叫ぶことについて感想を聞かれ「自分も書く時に心で読みながら書いているので、お客様にとってもその言葉のリズムが口に出したくなる台詞になっているのかなと思うと書き甲斐がありますね」と語った。

上映後のトークショーには、観客とともに応援上映を鑑賞したふたりに加えて、サプライズゲストとしてアイナ・アルデビット役の佐倉綾音も登壇。
会場のボルテージがさらに上昇するなか、佐倉はステージ脇で応援上映の様子を見ていたことを明かし「プロメアの応援上映を今日初めて観ました。やっとこの大きいスクリーンで皆さんが応援して下さっているのを体感出来てすごく嬉しかったです!」と観客に感謝を伝える。

上映前に「数か月の進化を見届ける」と語っていた今石監督は、「台詞を合唱する部分のクオリティが段違いに上がっていましたね。台詞だけじゃなくて細かい合いの手も楽しいです。一番好きなのは湖のシーンでのキスコール。キスコールをした上に最後の“はぁ~”まで全部入っていて完璧でした(笑)」と応援の仕上がり具合を絶賛。

中島も「七五調って誰に教わった訳じゃないけど皆さんきちんと韻を踏みながら言ってくれているので、改めて日本人って何なんだろうって考える機会になりましたね(笑)」と応援のレベルの高さに触れ、佐倉は「応援上映というものを想定して作っている訳ではないけど、観ている人達が俯瞰で参加してくれているというのが、作品の深みを増しているような気がしますね(笑)」と述べた。

またモデレーターの氷川竜介が今回の特集上映について「【日本のアニメここまで来ましたよ】というのを見せるのが一つの目的だった」と語ると、中島は「プロメアは【日本のお客さんここまで来ましたよ】も見せる作品ですよね。作品があって皆さんがいて、新しい何かが生まれている」とコメント。この返答に会場から拍手が巻き起こる。

さらにMCから、現在上映中の4D版について聞かれると、中島は「4Dはこの酔いやすい人(=今石監督)が体を張って調整してます(笑)劇中でピザ屋の兄ちゃんが回る度に僕は今石さんを思い出します(笑)」とコメント。
今石監督は「4Dのテストの時に、“結構酔うかもな~”と思ってバランスを調整して、その後もう一回観てみたら“足りないな~”って(笑)もっとやったほうがいいんじゃないかって思っちゃいましたね(笑)」と語った。

このほか、佐倉は改めて応援上映について聞かれ、「私は作り手側にいるので、皆さんが作品をどう観てどう反応しているのかを分かりやすく体感できる機会って応援上映だけなんです。だから自分が出た作品で応援上映あると通っちゃいますね。後は大きな声を出している人を見ると本当に気持ちが溢れて出ちゃったんだろうなと思って、その音が勉強になったりもするんです。声優ってガヤを録る機会があって、民衆とかもメインキャストで声を入れていたりするんですね。そういう時に応援上映みたいな感情が解放されている場というのは参考になります」と声優ならではの視点で魅力を紹介。

国際映画祭での上映ということで、海外の観客と一緒に応援上映を楽しんだ感想を聞かれた今石監督は「何回か海外のイベントに行って、海外のお客さんの反応を見ていますけど、ナチュラルに応援上映なんですよね。その人達からすると声を出すこと自体は不思議なことじゃない。ただここまで統率取れて いるのは不思議だと思いますね(笑)その辺を見て貰うと楽しいかと思いますね。あとサイリウム(笑)」と寄せた。

最後の挨拶では、中島は「僕らも皆さんも本当に楽しいひと時を過ごせたと思います。出来るだけ多くの、今回は海外の皆様にもこの楽しさを届けられたらと思います」と語り、今石は「4Dの検証をして、初見の気持ちに戻れるなと思いました。応援上映を初めて見た時も初見の感動を思い出すなぁと思いました。今回2回目の応援上映を見たら初見とは違う別の何かになっているなと(笑)皆さんの声を聞きながら自分の映画で2時間笑っていたのでクタクタなんですが、この心地よい疲労感が新しい快感だなと思いました」と寄せる。

そして佐倉は「袖で応援上映の様子を見ていて、参加したい!声出したい!と(笑)なまじっかノウハウがあるものですから、ここ先陣を切って行ける!っていう部分もあったりして(笑)ここまで1つの作品でこんなに何度も楽しめるというのは本当に少ないので、終わり方的にも個人的にもこの先のお話が観たいなって思ってしまうんですよね。私はアイナとエリスの話が観たい、でも皆さん的にはクレイのその後を観たいですよね!これからの展開にも期待して下さい!」と会場に呼びかけ、イベントは大盛況のまま幕を閉じた。

映画『プロメア』東京国際映画祭イベント
(1)『プロメア』上映前舞台挨拶
◆日時:10月30日(水)
◆会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7
◆登壇ゲスト:今石洋之(監督)、中島かずき(脚本)
 MC:笠井信輔(フリーアナウンサー)
(2)『プロメア』上映後トークショー
◆日時:10月30日(水)
◆会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7
◆登壇ゲスト:今石洋之(監督)、中島かずき(脚本)、佐倉綾音(アイナ・アルデビット役)
 モデレーター:氷川竜介(東京国際映画祭 プログラミング・アドバイザー)

(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG(C)2019 TIFF
《仲瀬 コウタロウ》
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