おふたりのユニット「SMILY☆SPIKY」を知るファンからすれば、ニヤリとしてしまうの配役ではないでしょうか?
公私ともに仲の良いお二方が今回キャスティングされたのは、ふたりの関係性のファンでもあるプロデューサーの計らいだったのだとか。
映画公開を前に、オファーを受けたときのお気持ちや、最近の親交など、お話をうかがいました。
高木さんを心配するあまり、わざわざ時間を前倒しにしてスタジオへ見に行ったという宮野さん。はたしてコンビの主導権はどちらに……?
[取材・構成=奥村ひとみ]
※高木俊さんの「高」ははしごだかが正式表記です。
■高木「宮野くんが来ると、緊張しちゃうんです(笑)。」
――今回の共演は、おふたりのラジオ番組「SMILY☆SPIKYの『なまはこっうぇ!』」で発表されたんですよね。
宮野:そうなんです。『ペット2』のプロデューサーさんが、僕らの関係を気に入ってくださって。一緒にやったライブやラジオも聴いてくださり、「共演をおふたりのラジオで初解禁させてもらえませんか?」ということだったので、「こちらこそいいんですか!?」とありがたく発表させていただきました。
――共演のオファーを受けたときはどんなお気持ちでしたか?
高木:僕は最初から「宮野さんのペット役で」とオファーでしたから、なるほどと(笑)。きちんと僕たちの関係性を考慮してキャスティングしてくださったんだな~と思いました。
宮野:初バーターね。
高木:えっ! バーターだったの!?
宮野:事前にプロデューサーさんから僕に「高木さんにオファーをしたいんですが、よろしいでしょうか?」と謎の確認がありましたからね(笑)。
高木:宮野くんの許可が要るんだ!?
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――宮野さんは、事前に高木さんとの共演を知っていかがでしたか?
宮野:もちろん「ぜひ!」と答えたんですが、正直「どうしようかな……」って思うところも……。
高木:なんで!?
――高木さんは、オファーを受けていかがでしたか?
高木:オファー前日に、たまたま前作の『ペット』を見たんですよ。そしたら次の日にオファーが来たからビックリしました。
宮野:たまたまって、僕が出てるんだから見ておいてよ!(笑)
高木:けど、宮野くんの声に気づかなった! アニメで宮野くんが出ている作品はだいたい分かるんですが、『ペット』はいい意味で全然、分からなかった。
宮野:普通に感動してくれたんだよね。イルミネーション作品は予想外のベクトルを僕に要求してくださるので、いつもとは違う引き出しを開けてもらえてありがたいです。
前作ではタカのタイベリアスを演じたんですが、タカさえ演じたことないのに、おじいさんなんですよ。そんなキャラは今までやったことがなくて(笑)。
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高木:基本的には誰もやらないからね(笑)。
宮野:試行錯誤でしたけど、楽しく演じさせていただきました。
――今回のサーカス団長のセルゲイ役も、なかなか一筋縄とはいかないキャラクターだったのでは?
宮野:そうですね。今作では悪役でキャスティングしていただいたので、また違うアプローチができるなってワクワクしました。見た目からして悪人ですから、その性根の悪さから出てくる声で演じたいと頑張りました。
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――高木さんはセルゲイが飼うオオカミという役どころで、どんなことを意識して演じられましたか?
高木:怖さをどのように表現するかは意識しましたね。悪役なんだけど、コミカルなキャラクターではあるので、そのあたりは自分なりに役作りしました。
――アフレコで印象的だったことは?
宮野:高木くんは吹き替えの仕事が初めてだったので、僕はちょっぴり心配で(笑)。
ちょうどアフレコの前日に一緒にいたんですが、「ねえ、どうしたらいい?」ってめちゃくちゃ訊いてくるんですよ。それで、吹き替えの台本にある専門用語なんかをいろいろ指南して。
本当に心配だったんです。高木くん、じゃなくて、作品が……。
高木:おい!(笑)
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宮野:今回のアフレコは皆さん個々で収録だったのですが、僕の前の時間帯が高木くんの番だったので、ちょっと早めにスタジオへ見に行ったんです。そしたら、なんとか爪痕を残そうと必死に頑張ってたんですよ! オオカミだけに!
高木:オオカミだけにって言うな!
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宮野:ちょこちょこコミカルなお芝居を入れようとしては、「もうちょっと自然にお願いします」と直されてました(笑)。けれど、僕の懸念とは反対に、スタジオの空気感がすごく良かったから安心しましたよ。
こっそり入りたかったのに、スタジオに入った瞬間に高木くんに見つかっちゃって。
高木:「やっぱり来たか!」と思ったよ(笑)。
実のところ、僕自身も早めにスタジオに入っていたんです。早めに始めて巻きで終えて、宮野くんに見られないまま終わりたかったんですよ……。
宮野:だからか! かなり早く行ったのに始まっていたから、なんでかなと思ったんだよね。僕が次だったから、来る予感がしてたんだ?
高木:そう!
――やっぱり収録を見られるは恥ずかしいものなんですか?
高木:そうですね~、なんか恥ずかしくて。
宮野:ホントに、邪魔はしたくなかったんですよ。きっと緊張しちゃうから(笑)。
高木:そうなの! 宮野くんが来ると、緊張しちゃうんです!
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宮野:あははは! だと思ったから、1回スタジオから出たんですよ? 「あ、僕ちょっと外に出ますね~」みたいな演技までして。
高木:なのに、僕が台本に集中したら、またこっそり入ってくるんですよ!
――それだけ高木さんのことを、宮野さんは心配されていたんですね(笑)。
宮野:結局、高木くんは無事に収録を終えられました。本当に素敵なシーンになったんですけど、この人、僕の番になったらすぐ帰っちゃったんですよ!? いや、見ていけよ!(笑)
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高木:宮野くんから「帰れ」って言われると思ったんです(笑)。それに僕は完成版でセルゲイを見たかったから。セルゲイ、素晴らしかったです!
宮野:ありがとうございます(笑)。今回も「これは宮野真守だ!」とは気づかれない感じだよね。
高木:うん、「これ本当にマモがやってる?」と思った。それくらいハマっていましたね。
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