上映前に富野総監督の口から、2014年にTV放送された『ガンダム Gのレコンギスタ』(全26話)を、新作カットを追加・映像を再編集して劇場版(全5部作)として作り直された経緯などが語られた。
<以下、コメント全文掲載>

【富野由悠季総監督】
『Gのレコンギスタ』というタイトルには「ガンダム」というタイトルが付いていますが、基本的に「ガンダム」とは関係が無い作品です。ですから「ガンダム」という作品を知っている人には「理解ができない」と嫌われました。ですが、まったくこの種類のアニメを知らない人には、オンエアの時に多少の人気を手に入れました。
また、日本では、深夜にしかオンエアされませんでしたので、僕にとっては公開したという意識がございま
せん。だけど、今言いました通り、一部の若い方の支持を得られましたので、だったらきちんと作り直そうと思いまして、劇場版という形で作ることになり、今日ようやくこちらで初めて公開することができます。ですから、ここにいらっしゃる方にはちょっとお願いなんですけれど、みなさんのお子様に観て頂くように宣伝をして頂けると、とても嬉しく思います。
そして、ここの会場の習慣として、このように制作者が来たときには、いろいろとお話しをさせてもらうように強制されています。ただ、今言いましたように『Gのレコンギスタ』という作品は、全く新しい形の作品ですので、まずご覧頂いて、そのあとで質問の時間を取らせて頂きたいと思います。
ですから正面切って言います。
大人の人は楽しんで頂く必要はありませんが、お子さんの目で観て楽しんでください。

◆◆◆◆
富野総監督がこのように語ると、会場内の期待値が最高潮となり、拍手が巻き起こる中で劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』の世界初上映が行われた。
上演後、スタンディングオベーションに迎えられて富野総監督が再び登壇すると、熱心なファンから質問が投げかけられ、総監督も丁寧に答えていく。
イベントの最後には、富野総監督から「今日はこういう形でこういう場所に来て頂きまして、本当に心からお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。メルシーボク」と挨拶があり、盛大な拍手に包まれて劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ』世界初上映会は幕を閉じた。
(C)創通・サンライズ