もはや様式美? 「異世界転生もの」テンプレートまとめ トラックにひかれる、チート能力に目覚めるetc… | アニメ!アニメ!

もはや様式美? 「異世界転生もの」テンプレートまとめ トラックにひかれる、チート能力に目覚めるetc…

“なろう系”=「異世界転移・転生」ジャンルのイメージが強いです。実際にアニメ化した同サイト投稿作品のほとんどが同ジャンルです。そこで、改めて現代の多くの若者に支持される同ジャンルのテンプレートをまとめてみました。

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『転生したらスライムだった件』第3キービジュアル(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
  • 『転生したらスライムだった件』第3キービジュアル(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
  • 「Re:ゼロから始める異世界生活」(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
  • 『無職転生 -異世界行ったら本気だす-』 理不尽な孫の手
  • ありふれた職業で世界最強(C)白米良/オーバーラップ イラスト:たかやKi
日本が世界に誇る若者向け娯楽小説「ライトノベル」

年代によって流行したジャンルが違いますが、現在は小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された“なろう系”作品がブームです。
この数年で『Re:ゼロから始める異世界生活』『転生したらスライムになってた件』など、様々な作品が商業化、コミカライズ、アニメ化しています。

『転生したらスライムだった件』第3キービジュアル(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
現在、“なろう系”作品の代名詞と言えるのが「異世界転移・転生もの」です。
おおまかに説明すると、主人公が現実の世界から文明が異なる別の世界に渡り、手に入れたチート能力(それがありふれた知識でも異世界では貴重である)で大活躍する構成になっています。

これには「小説家になろう」黎明期に、「異世界転移・転生」ジャンルの人気作品が生まれたことから、後にエッセンスを吸い出したテンプレートに沿った作品が多数投稿された背景があります。

その勢いのままに、読者のポイント投票によるランキングにおいて「異世界転移・転生」作品が長年トップを独占しています(2016年よりランキング内で「異世界転移・転生」とそれ以外のジャンルに分離されました)。

『無職転生 -異世界行ったら本気だす-』 理不尽な孫の手
『無職転生 -異世界行ったら本気だす-』 理不尽な孫の手
もちろん、同サイトには他ジャンルの作品も投稿されていますが、“なろう系”=「異世界転移・転生」ジャンルのイメージが強いです。

実際にアニメ化した同サイト投稿作品のほとんどが同ジャンルです。そこで、改めて現代の多くの若者に支持される同ジャンルのテンプレートをまとめてみました。

1.トラックに轢かれる


主人公が何らかの理由で異世界に転移・転生するわけですが、転生の場合はトラックとの衝突事故が死因であることが多いです。何故、主人公を異世界に吹き飛ばすトラックの存在感がここまで大きいのかは明らかではありません。

しかし、異世界に飛ばされるまでの経緯が長く描かれることはほとんどないため、基本的には第1話でいきなり異世界に行くには、事故だとスムーズなのかもしれません。

2.チート能力に目覚める


「異世界転移・転生」における醍醐味が、主人公がチート能力によって無双状態“俺TUEEE”することです。
異世界に渡る前に神や天使など頂上の存在に特別な能力を与えられることが多く、現実におけるゲーム上のステータスやスキルが下地になっていることも多いです。

また、目に見えて超常の力を持たずとも、転生する前の世界で得た知識(戦闘能力に限らず)が異世界では大変貴重であるため、活かすことで活躍する主人公も少なくありません。

「Re:ゼロから始める異世界生活」(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

3.主人公がヒロインにたくさん称賛される


主人公は元いた世界において、ニートやフリーター、ネトゲ廃人、引きこもりなどであることが多いです。
とくに女性にモテたことがない設定上、転生した世界では様々な美少女の愛を獲得するハーレムを形成する展開が多く見られます。

その時によく見られる要素として、攻略対象の女性が主人公を“手放しで称賛する”傾向が強いこと。
従来のラノベに多く見られた、主人公がヒロインに好かれやすい傾向(主人公がモテる)に加え、ヒロインに「すごい!」と褒められるシーンが加わったことが読者に好評のようです。

4.ノーストレスでどこまでも高みに上り詰める


主人公が“最初からチート能力を持ち”という設定のため、「努力して強くなる」、「挫折を乗り越えて精神的に成長する」といった描写に重きを置かない作品も多いです。

本稿を読んでいる人の中には、努力が必要ないという点に疑問を抱くかもしれませんが、同ジャンルにおいては、主人公の“俺TUEEE”を読んでスカッとすることが求められているのは間違いないでしょう。

5.タイトルが長く、それだけでストーリーが伝わる


これまで商業化された作品やランキング上位作品を見ると、タイトルが長い傾向が見られます。これは恐らく、同サイト内に投稿される作品数があまりに多すぎるため、埋もれずにタイトルだけで読者の気を引く狙いとして定着したのではないでしょうか。

読み手側からしても、タイトル通りのストーリーが期待できる確率が高いので、願ったり叶ったりかもしれません。

ありふれた職業で世界最強(C)白米良/オーバーラップ イラスト:たかやKi
(C)白米良/オーバーラップ イラスト:たかやKi

まとめ

ラノベという小説ジャンルの中で、年々、ジャンルがさらに細分化されています。海外から見ても日本の作品は多様化こそが魅力的だという声が多く聞かれます。購入する読者の年間消費金額は限られているので、ラノベ市場の競争は激しくなりますが、作家と読者にとっては選択肢が増えるのは良い環境と言えるでしょう。
<ライター:乃木章>
小説家・幻夜軌跡の名前でライトノベル『鶴ヶ島コンビニ戦記』、『黒死のデフォルト』などを商業出版。「小説家になろう」でも小説を投稿していた
《乃木章》
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