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そして、11月27日より配信開始の第3章「人智統合真国 シン 紅の月下美人」では、中国異聞帯を舞台としていることから、中華系サーヴァントが多く登場しました。それぞれ活躍した時代が違うので、中国の正統な歴史書『二十四史』を通して英霊たちの生きた時代を振り返ろうと思います。
※本篇やサーヴァントの真名など、一部ネタバレを含んでいるのでご注意ください。
『二十四史』は「清」王朝の乾隆帝によって定められた中国の各王朝の正史24種の総称で、中国の伝説上の「黄帝」から明が滅亡した1644年までの歴史を含んでいます。これらの歴史書は基本的には王朝が滅んだ後年に編纂されていますが、時代ごとの項目に振り分けました。また、ひとまずは大きなまとまりで括っています。
■伝説から戦国時代の終結まで
関連書物:『史記』
神として崇められる三皇の後を継いだ五帝がいた伝説の時代から、中国初の王朝と伝えられる「夏」、傾国の美女・妲己で知られる「殷」、太公望・呂尚が活躍した「周」へと替わっていきます。衰退した「周」が東西に分裂したことで春秋戦国時代に突入するも、「秦」の始皇帝によって史上初めて中国が統一。始皇帝亡き後の「秦」を倒した劉邦と項籍(項羽の本名)が天下を競い合い、勝利した劉邦によって「漢」が建国されました。
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中でも周王朝の分裂から始まり、「秦」の始皇帝による統一までおよそ550年続いた春秋戦国時代は、戦乱を勝ち残った「秦、燕、斉、楚、趙、魏、韓」の7国によって天下が争われる激動の時代でした。王や大臣、将軍が自国の発展のために尽力し、彼らの活躍が今日まで語り継がれています。
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始皇帝を暗殺しようとした荊軻、覇王と呼ばれた項籍の愛人の虞美人、さらに国士無双と謳われた軍略家・韓信もこの時代に登場します。
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■『三国志』時代と晋による統一
関連書物:『漢書』『後漢書』『三国志』『晋書』
劉邦が礎を築いた「漢」もやがて衰退し、漢に変わって天下を担う英傑がしのぎを削った魏・蜀・呉の三国時代に突入します。最終的には魏の臣下だった司馬炎が「晋」を起こして中国を統一するのでした。
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『後漢書』「東夷伝」には弥生時代の日本が出てくるので、当時の日本と比べて中国の文明がいかに進んでいたかがうかがえますよね。三国志時代は日本でも多くの人が知る、劉備、曹操、孫権の3君主を始め、名軍師の孔明、最強の武人と言われた呂布など一騎当千の強者が多く登場します。
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『FGO』劇中でも劉備、関羽、張飛の桃園の誓いを連想させる「桃園ブラザーズ」の呼び名が出てきましたし、呂布に仕えた軍師・陳宮、呂布の愛馬の赤い毛色で兎のように素早い赤兎馬がサーヴァントとして登場しました。
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