「はたらく細胞」新作「風邪症候群」の見どころは? 今後の可能性は? 高橋Pに聞いた【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「はたらく細胞」新作「風邪症候群」の見どころは? 今後の可能性は? 高橋Pに聞いた【インタビュー】

2018年夏クールに放送されたTVアニメ『はたらく細胞』より、アニメ化の企画を立ち上げ、プロジェクト全体を製作する高橋祐馬プロデューサーにインタビュー。12月26日放送の新作エピソード「風邪症候群」や今後の可能性まで話を聞いた。

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(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
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  • 高橋祐馬プロデューサー
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■「よし、いける!」アニメ化の試金石となったスペシャルPV


高橋祐馬プロデューサー

――出来上がった本編映像を観ていかがでしたか?

高橋
マンガ原作がアニメ化されることの大きな意義は、「キャラクターが動くこと」と「世界観がより奥行きを持って描かれること」だと思いますが、とくに本作ではそれが実現できたと感じました。

白血球や赤血球ら細胞ひとつひとつが活き活きと動いていたし、ひとつの画面に何十人ものキャラクターが一斉に登場したり、ずっと動きっぱなしです。

(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
高橋
美術面でも、本当に細かい所まで設計されていて、「俺の身体ってこうなっているんだ!」と驚くような世界観の奥行きが感じられる。非常に映像化が際立った作品になったと思います。素晴らしいスタッフ・キャストが頑張られて生まれた映像で、心から尊敬しています。私は「凄いなぁ」と横から見ていただけですので(笑)。

――とくに好きなエピソードは何でしょう?

高橋
どのエピソードも好きですが……とくに好きなのは第13話「出血性ショック(後編)」ですね。ドジだった赤血球が立派な先輩となり、仲間と世界を守るため、倒れそうになりながらも一生懸命酸素を運ぶ姿に胸を打たれました。

(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

高橋
あと印象的だったのはTVシリーズ本編ではないのですが、原作マンガ第5巻を記念して公開したスペシャルアニメPVです。


TVシリーズと同じスタッフ&キャストで制作した1分ほどのPVなんですが、アニメは多くの方が関わる集団作業が故に完成形を見るまでは仕上がりがわからない。そういう意味でTVアニメの試金石的な挑戦も兼ねていたんです。
出来上がったPVを見て、「これは良いアニメになりそうだ!」と手応えを感じたのは凄く嬉しかった記憶があります。

■「『はたらく細胞』を見て科学者を目指す人がいれば嬉しい」


――あらためてプロジェクト全体を振り返っていかがですか?

高橋
企画を立ち上げたとき、「面白いもの、楽しいものをつくる」ということはもちろんなのですが、もうひとつ、この作品を通して「世の中を少しでも健康にしたい」という思いがありました。

僕自身、この作品を通して、身体の仕組みをたくさん知ることができたし、細胞たちが働きやすい職場環境をつくるために、「ちゃんと寝て、野菜もできるだけ食べるよう」と心がけるようになりましたね(笑)。そういう方は少なくないのではと思っています。

――健康という点では、医療・教育機関向けへの取り組みも行われていました。

【関連記事】「はたらく細胞」教育機関・医療施設向けに素材の無償提供を開始

高橋
今年の夏、熱中症が社会問題になった時に原作マンガの「熱中症」回を講談社さんが全ページ無料で公開しましたし、そのほか作品と日本赤十字社との献血キャンペーン、さらに教育機関・医療施設へ一部素材を無償提供したりもしました。

その他にも、これまで「キラーT細胞」や「制御性T細胞」といった難しいネーミングを耳にしても、どんな働きがあるのか分からなかったし、イメージがあんまりつかなかったと思うんです。


でも『はたらく細胞』を見たあとでは、その言葉を聞いたら否が応でもあのキャラクターたちを思い浮かべてしまうぐらい(笑)、身近な存在にはできたかなと思います。

そういう意味では、当初の目標であった「世の中を少しでも健康にしたい」という想いは、ある程度実現できた手応えはあります。

(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
――『鉄腕アトム』や『ガンダム』に憧れてロボットの研究者になった人が多いように、『はたらく細胞』を見て身体の研究者になってくれる人がいたらいいですね。

高橋
それはいいですね! 30年後ぐらいに『はたらく細胞』がきっかけで科学者になったノーベル賞受賞者が出てきてくれたら最高です(笑)。

→次のページ:“ヒーローショー”を目指した舞台「体内活劇『はたらく細胞』」
《乃木章》
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