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同美術館館長の安西香月氏は、「約2年半前の美術館の大規模修繕時、常設展示室に貼ってあるセル画を張り替えようとスタジオジブリを訪問してセル画を見せてもらったところ、以前に飾っていたセル画よりも手の込んだものがたくさんあったので驚いたことが、今回の企画展を思いついたきっかけ」だと明かした。
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ジブリ映画においては初期の頃より時間の流れを表現することを大切にしており、例えば『となりのトトロ』(1988公開)のネコバスの色合いを時刻ごとに塗り分けている。その際も、夜だからと安易に暗く塗るのではなく、色を使って夜を描写するといった試みを通して「ネコバス外灯色」に見られる“緑っぽい色”といった描写表現が生まれた。
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そして、湖や海など水面の動きを表現する手法においても、故・高畑勲監督や宮崎駿監督が、ロシアの画家であるイワン・ヤコヴレーヴィッチ・ビリービンの表現テクニックを学ぶことによって、以後は背景画の上に水の動きを表現した絵を重ねるといった色塗りが生まれるなど、培われた技術が受け継がれてきた歴史がある。
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ジブリにおけるセル画のアニメ作りは『もののけ姫』(1997年公開)が最後だが、セル絵の具が限られた色数の中で監督からの要求に応える努力を惜しまなかったスタッフの知恵と工夫を間近で見ることで、色によって何が表現されたのかを感じ取ってもらうことが同展示の狙いだ。
企画展示「映画を塗る仕事」
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前企画展「食べるを描く。」から約1年半ぶり、17回目の新企画展となる同展示は、故・高畑勲監督、宮崎駿監督を支えた色彩設計の故・安田道世氏の手腕を、当時のセル画を用いて紹介。一部デジタルもあるがセル画196枚をテーマごとに37パネルに分けて展示している。
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展示室入り口では、『となりのトトロ』よりお腹に電灯のあたるトトロがお出迎え。展示の導入として「色が語ってくれること」「影の役割」パネルには、色を決めセル画に塗る仕事が“仕上げ”と言った色塗りの仕事の説明がされていた。
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『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』、『おもひでポロポロ』、『紅の豚』などジブリ映画14作品から、『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』などのTV放送作品までが展示に使用されている。また、展示パネルだけでなく、『となりのトトロ』のメイとサツキを例にした大きな人物画と背景画が壁に貼られていた。
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「水」や「光」の表現など、故・高畑勲監督と宮崎駿監督が特に追求した表現に対する彩色のテクニックや色を使って再現したもの、表現したものなどが紹介されている。
「時刻によって変わる色」より
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サツキとメイの夏服が基準のノーマル色で、空が少し暗くなり始めた黄昏時はサツキとメイの影が一段階暗くなる。夕方はノーマルの色の影は変えずに明るいほうの色を明るくするといった工夫がされている。
「天候によって変わる色」より
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「リアリズムの追求」より
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「白と赤」より
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「植物を克明に描く」より
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「水の表現について」より
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「光を塗る」より
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~キャラクターの色を決め、セルを完成させるまで~
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実際にセル絵の具を用いて作業している様子を映像で紹介しているコーナーも(上映時間:約4分)。
なお、三鷹の森美術館の入場は日時指定の予約制(全国のローソンで、毎月10日午前10時から翌月入場分のチケットを販売)になっているのでご注意願いたい。
三鷹の森ジブリ美術館
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問い合わせ:0570-055777(ごあんないダイヤル 休館日を除く9時~18時)
所在地:〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-1-83(三鷹駅南口から徒歩約15分、有料コミュニティバスで約5分)
所在地:〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-1-83(三鷹駅南口から徒歩約15分、有料コミュニティバスで約5分)
(C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli