そんな『ダリフラ』の初となる展示会が、3月10日~4月1日の期間、東京・有楽町マルイにて開催される。
本展示会の大きな見どころは、『ダリフラ』のみならず、本作のスタッフ陣が過去に携わった3作品『天元突破グレンラガン』、『キルラキル』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の貴重な資料が同時展示されこと。
そんな「『ダリフラ』展」をより楽しめるように、本記事では『ダリフラ』と同時展示される3作品の関連性を、「ストーリー&キャラ」「メカ」「アクション」の3つの切り口で分析。各作品から『ダリフラ』へと受け継がれた遺伝子を考察していく。
■A-1 picturesの血を感じる“青春ドラマ”と“キャラクターデザイン”
A-1 pictures制作の前監督作『アイドルマスター』に続き、『ダリフラ』でも群像劇を描くことに挑んだ錦織敦史。キャラクターデザインを手がけるのは、同じく群像劇である『あの花』でおなじみの田中将賀だ。
日本のアニメを牽引するトップクリエイターの2人だが、お互いがメインスタッフとして現場を共にするのは今作が初。だが過去には、錦織がキャラクターデザインを手掛けた『天元突破グレンラガン』に、田中が原画として参加していた背景もある。
では、錦織監督が描き出す物語の中で、田中デザインのキャラクターたちはどのような魅力を放っているのか。ここで注目したいのが、“コドモ”たちの中でも優等生タイプのイチゴだ。
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元々ヒロのことを気にかけている内に、彼へと惹かれていたイチゴは、彼がゼロツーとパートナーとなった第1話以降、無自覚な内にヒロへの恋愛感情を膨れ上がらせていく。そんな彼女がヒロの行動を受けて心をかき乱されていく様子には、戦うことだけを教えられてきた“コドモ”の切なさ、そして年相応な甘酸っぱさが詰まっている。とくに第7話「流星モラトリアム」のヒロとの初デートシーンにおける、一挙一動が可愛い彼女の姿は必見だ(ヒロの無自覚ぶりも併せて……)。
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錦織監督が描く『ダリフラ』のSF的な世界観において、田中はキャラクターデザインとして思春期の少年少女の実在感を持ち込んでいる。それにより、多数の登場人物が交差する群像劇のなかで、キャラが埋もれずにおのおのが違った魅力を放っているのだ。