劇場版「黒執事」小野大輔インタビュー 「シエルとセバスチャンは2人でひとつ。そのスタートを演じられたことがうれしい」 2ページ目 | アニメ!アニメ!

劇場版「黒執事」小野大輔インタビュー 「シエルとセバスチャンは2人でひとつ。そのスタートを演じられたことがうれしい」

シリーズ初の劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』がいよいよ公開。セバスチャン役の声優の小野大輔に、改めて『黒執事』、そして8年に渡り演じ続けているセバスチャンについて話しをうかがった。

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■同じキャラクターを長く演じる喜び

――セバスチャンを演じるとき、小野さんはどのように気持ちを作るんですか。

小野
最初のうちはずっと、自分ひとりで演じているように思っていました。感情がないし、技術的にも自分だけでこの役を構築しなきゃと思っていたので。でも第1期の途中あたりから、ひとりで背負っていても完成しないなって気づいたんです。だから今では、久しぶりに『黒執事』に入るときには、シエルを筆頭に周りのみなさんの声を聴くようにしています。一人で物を作るとてきめんに、自分の中でしか作っていないものになってしまう。逆にぶれてしまうんですよ。これって、キャラクターの関係性に似ているかもしれない。セバスチャンも、悪魔でいる時はひとりだっただろうけど、シエルと出会ったことによって彼はここにいる。シエルがいなかったらここにいないわけですから。セバスチャンとシエルはふたりでひとつ。だから坂本真綾ちゃんの声を聴くことで、セバスチャンが自分の中に降りてくるんです。


――こうして小野さんに『黒執事』のお話を伺うと、小野さんの作品愛、キャラクター愛が伝わってきます。8年同じキャラクターを演じるって、どのような感覚なんでしょう?

小野
ラジオやイベントなどで10年続けているものはあるんですけど、ひとつのアニメ作品で8年も共に歩んでいる作品というのは、ほかにないんですよね。僕が一番長く関わっているアニメです。そして座長として真ん中にずっといさせていただいている。でも枢先生をはじめ、作品に関わるスタッフのみなさん、『黒執事』が好きなんだなと思わせてくれることも、ずっと変わらない。新シリーズの制作が決定するたびに、そして再びセバスチャンを演じるたびに、『黒執事』に関わる喜びが増していく。それがすごく幸せなんです。

――長く続くことでファンも増えていきますしね。

小野
8年もやっていると、他の現場で若手から「『黒執事』好きなんです」って言われることも多いんですよ。そんな人気の作品に関われて、しかも原作が今も連載されていて、どんどんアニメ化されていく。これってとても嬉しいことですよね。昔すごかったではなく、今もあり続けているんですから。

――しかもこれだけ長く続いていながら、作品のパワーが衰えることがないですよね。原作も世界観により深みが増し、謎も深まっています。小野さんは作品の一ファンでもあるとのことですが、小野さんがファンとして感じる『黒執事』という作品の魅力ってどういうところだと思われますか。

小野
この「豪華客船編」は『黒執事』の魅力を全部詰め込んでいると言いましたが、『黒執事』という作品全体もまた、コミックが持つ要素すべてを持っていると思うんですよね。まず今回の映画自体がホラー&サスペンス。そこにまずアクションが入り、シリアスな人間ドラマも入る。もちろん『黒執事』に欠かせないユーモアも入っている。エンターテインメントを凝縮した作品だなと思います。人間の美しい部分と泥臭い部分もしっかり描くし。僕、いつか枢先生に聞きたいと思ってることがあって。セバスチャンの「あくまで執事ですから」っていうセリフを、「ただ言いたかったんですよね?」って聞いてみたいんです(笑)。『黒執事』ってあのセリフがすべてだと思うんです。ダジャレであり、様式美でもありますから。

abesan――確かに、あのセリフに『黒執事』のすべてが詰まっていますね。

小野
決めゼリフがある作品って今のご時世なかなかないと思うんですが、『黒執事』は必ず決めゼリフを言う。素晴らしいエンターテインメントだなって思うんですよね。ファンを裏切らないということだし、水戸黄門の印籠のようなもの(笑)。だからずっと続いているんじゃないかなって、最近改めて思っているんです。

――シエルの魂が欲しいというセバスチャンの思惑が、あの一言に凝縮されているという。

小野
これは僕の憶測ですけど、枢先生は「あくまで執事ですから」が言いたくて1話目を描いたと思うんです。でも今回の映画で描かれたシエルとセバスチャンのなれそめを見ると、すでに「あくまで執事ですから」を地で行っている。このセリフを軸にストーリーがどんどん肉付けされて、いろんな方向に広がったのかなと思いましたね。シエルとセバスチャンって表面的には美しい主従関係に見えますけど、あの決めゼリフは「悪魔だからわかっておけよ」「なめるなよ」という恐ろしい台詞でもある。『黒執事』をよく知らない人でも、まず思い浮かべてくれるセリフです。第1話からその様式美と恐ろしさを10年間ずっと描き続けてくれている枢先生には、本当に頭が下がる思いです。

――最後に『黒執事』ファン、そして劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』を観るすべての方にメッセージをお願いします!

小野
これまでずっと応援して下さった皆様に必ず満足していただける、『黒執事』の集大成です。作品の魅力が全て詰め込まれているので、まだ『黒執事』を見たことがない方も楽しんでいただけるようになっています。『黒執事』が好きな方って、きっと一生この作品を愛してくださると思うんですよね。僕にとっても一生物の作品。これから先もずっと携わっていきたいです。

《大曲智子》
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