AR的な近未来表現と美少女を融合させたVRシューティングゲーム『アーガイルシフト』、鉄の棺桶を忠実に再現した対戦型VRアクションゲーム『装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎』と立て続けにロボットVRアクティビティを投入してきた、バンダイナムコエンターテインメントのVRエンターテイメント施設「VR ZONE Project i Can」。同施設は10月10日までの期間限定でオープンしていますが、ついに「機動戦士ガンダム」のVRアクティビティ『ガンダムVR ダイバ強襲』が8月26日より稼動を開始します。
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ガンダム×VRとなれば“コックピットに乗り込んで実際にモビルスーツを操縦する”というのが最初に思い浮かびますが、今回は「実物大ガンダムの手にしがみつき、実物大のモビルスーツ同士が戦う迫力をすぐ目の前で体験する」という意外な内容に。開発者いわく、パイロット操縦体験は既にアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』で実現しており、かつガンダムは全長18mと巨大すぎるため、VRでコックピットに乗り込んでもあまり迫力がないとのこと。
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とはいえVRというものは、言葉だけではイメージを掴むことが難しいため、インサイドでは稼動前の『ガンダムVR ダイバ強襲』を一足早く体験。本稿ではそのレポートをお届けします。
◆一種の絶叫アトラクション
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「VR ZONE Project i Can」の作品はどれも筐体型になっているのが特徴ですが、『ガンダムVR ダイバ強襲』の筐体はかなり変わったデザイン。手前の平らな部分は振動する床になっており、奥には振動・上下する椅子、その横にはヒーターが設置されています。これで一体どのようにモビルスーツ同士の戦いを体験するのか。詳しく見ていきましょう。
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まずは安全ベルトを付け、ヘッドマウントディスプレイとヘッドホンを装着。目の前にはお台場の「ダイバーシティ東京 プラザ」を背景に実物大ガンダムの姿がありました。これ自体は現実世界でも見れる光景ですが、なんと地鳴りと共にザクIIが登場。容赦なくガンダムにザクマシンガンを浴びせ、跳ね返ってきた巨大な銃弾が上から降ってきます。
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ゲームでザクIIと対峙したことは多々ありますが、この“VR空間で実際に攻撃される”というシチュエーションには確かな恐怖感と興奮を覚えました。そして「これはヤバイ」と思った刹那、ついにガンダムが動き始めます。しかもディテールがリアルかつ細かく、ついつい各稼動部位に目が行ってしまいます。
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その一方でザクIIはどんどん接近してきており、いよいよ危険な状況に。すると、アムロの声と共にガンダムの手が私に向かって伸びてきました。「乗れってことか!」と心の中で叫びつつ、手のある位置(実際には筐体の椅子の位置)まで自分の足で移動。手にしがみつつくと、コックピットの位置辺りまで上昇を開始しました。
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この時の感覚は、フリーフォールなどの垂直落下系ライドアトラクションの登っていくあの感覚と同じで、ガンダムの手のひらから下を覗くとゾッとします。通常のアトラクションではこの後落下が待っているわけですが、『ガンダムVR ダイバ強襲』では落下の変わりにザクIIがめちゃくちゃ攻撃してきます。しかも攻撃にあわせてガンダムがガードしたり反撃したりするため、座っている椅子が激しく振動。ガンダムがビームサーベルを使用すると、ヒーターから熱を感じるというギミックもありました。
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この体験を分かりやすく表現するならば、フリーフォールの天辺で巨大ロボットに襲われるという、一種の絶叫アトラクションだといえます。ただ、当然ながら遊園地のライドアトラクションよりは怖くないので、絶叫が苦手な方でも問題はないと思います。
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この体験は確かに“パイロット操縦体験”という手法では味わうことができないため、今回の体験はかなり刺激的でした。また本作で面白いのが、モビルスーツの表現です。もともと「機動戦士ガンダム」はアニメですので、ゲームを含めた関連作品はアニメ的な表現が行われてきました。
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ところが『ガンダムVR ダイバ強襲』はVR作品ですので、「もし本当にガンダムが動いたら」というコンセプトを元に3DCGモデルやモーションを設計。開発にはUnreal Engine4が使用されており、アニメやゲームとはまた違ったリアルな世界観がそこにはありました。因みに、今回のガンダムはマグネット・コーティングが施されており、アムロ自身も作中後半のような雰囲気がありました。
『ガンダムVR ダイバ強襲』は10月10日までお台場の「VR ZONE Project i Can」で体験可能。公式サイトでは随時予約受付が開始しており、価格は930バナコイン(1000円)で体験時間は8分です。