ヨーロッパ最大の経済規模を持つドイツで、日本アニメの新たな展開が明らかになった。現地で日本アニメを手がけるpeppermint anime gmbhは、ドイツ語で日本アニメをいち早く届ける映像配信プラットフォーム「AKIBA PASS」のサービスを2016年3月29日よりスタートする。peppermint anime gmbhは、日本のアニメ企業アニプレックスと現地のpeppermint enterprises Ltd. & Co KG(ペパーミント)が2015年に共同で設立した会社だ。しかしAKIBA PASSにはpeppermintの配給作品だけでなく、さらに現地の有力企業AV Visionen GmbH、Anime House GmbH、Filmconfect Home Entertainment GmbHなどが作品を提供する。AKIBA PASSに来ればワンストップで様々な人気タイトルが視聴出来る仕組みが構築される。AKIBA PASSは、サービススタート段階から1000話以上もの作品を用意する。この中には『ソードアート・オンライン』『アカメが斬る!』『Free!』などが並ぶ。さらに注目されるのは、海外のアニメファンからニーズの高い日本のテレビ放送との同時期配信(シムキャスト)を行う点だ。こちらは8タイトルからスタートする。日本の放送から24時間以内に、オフィシャルなドイツ語翻訳で配信される。ドイツ語圏のアニメファンから歓迎されるそうだ。AKIBA PASSのサービス名称は、日本の秋葉原から採られている。これは秋葉原がアニメだけでなく、マンガやゲーム、さらにライフスタイルまで、若者カルチャーを象徴するものとしての意味が込められている。 実際にAKIBA PASSはアニメや映画だけでなく、そうした日本カルチャーを広く届けるハブを目指している。J-POPやマンガ、ゲーム、旅行、食までをカバーしていく方針だ。プラットフォーム開設にあたっては、ドイツの大手アニメ雑誌AnimaniA Magazineがニュースや情報提供する、さらに将来的にはEC展開も視野に入れる。ワンストップの映像配信プラットフォームだけでない、さらなる野心的なプロジェクトになっている。こうした取り組みがドイツで行われることも重要だ。近年、世界各地で日本アニメを映像配信プラットフォームで観る機会が増えている。テレビ放送や劇場公開に比べて、海外展開に向けての障害が少ないことに加えて、作品タイトルが豊富なこと、手軽に観られることも理由だ。動画配信の普及が海外での日本のアニメの人気を後押ししているとの声も多い。しかし一方で英語や中国語以外の言語、地域では、まだまだそうした取り組みは十分でないとの指摘も多い。日本アニメをいち早く観るには海賊版に頼るといったファンも少なくない。そうしたなかで、人口8000万人のヨーロッパ最大のマーケットを持つドイツを中心としたドイツ語圏での配信ビジネスは大きな意味を持つ。さらに現地企業の協力で視聴可能な作品をより多く広げることは、バラバラのサービスでファンが分散しがちな映像配信ビジネスの欠点をなくし、でこれまで以上の力を発揮しそうだ。違法サイトに劣勢になりがちなかで、これに対抗することも可能になるだろう。[数土直志]
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