さらに小規模上映作品をシリーズ化することで、作品の認知度を高め、ビジネスを長期化させる工夫も一般的になってきた。2016年も『傷物語』や『PERSONA3 THE MOVIE』、『頭文字D』『コードギアス 亡国のアキト』『たまゆら 卒業写真』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』『亜人』『デジモンアドベンチャー tri.』など数多い。 かつてのOVAやテレビ放送に替わる作品認知の場として映画上映を利用している。そのため小規模上映で、既存の配給会社を使わずに映像ソフトメーカーが自ら配給をする例が増えている。アニプレックス、ポニーキャニオン、エイベックス・ピクチャーズなどで、映画会社でもBlu-ray/DVDを取り扱う東宝映像事業部、松竹メディア事業部なども含まれる。映像ソフトビジネスが急激に変化するなかで、メーカーが新たな収益源を模索している面もあり、今後も拡大しそうだ。 さらにそうしたメーカーがオリジナル作品配給を目指す動きもあり、映像ソフトと映画興行のビジネスの境界は急激に曖昧になっている。2016年はポニーキャニオンが『ガラスの花と壊す世界』、アニプレックスは『同級生』『ずっと前から好きでした。告白実行委員会』といったオリジナル作品の配給に挑む。