VRで「デスノート」の世界を体験!集英社の仕掛け人に聞いた | アニメ!アニメ!

VRで「デスノート」の世界を体験!集英社の仕掛け人に聞いた

「ジャンプフェスタ2016」で「デスノート」の脱出ゲームという大掛かりな企画が登場した。その仕掛け人である集英社 ジャンプ・コミック出版編集部の武田冬門編集長にお話を伺った。

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幕張メッセにて開催されていた「ジャンプフェスタ2016」。集英社の雑誌「週刊少年ジャンプ」、「Vジャンプ」などジャンプヒーローが大集合するイベントとなっている。ジャンプ系の漫画のグッズを先行/限定発売する「オリジナルグッズ販売ゾーン」、「週刊少年ジャンプ」の世界が体験できる「ジャンプ体感ワールド」、原画やサイン色紙の展示を行う「ジャンプ原画ワールド」、アニメ化された作品に出演する声優などが出演する「ジャンプスーパーステージ」などさまざまなイベントが目白押しのイベントとなっています。

近年、ゲームメーカーの出展も増加しており、任天堂、カプコン、バンダイナムコ、ソニーコンピューターエンターテイメントなどさまざまな企業がブースを構えていました。そんなエンターテインメントが詰まった本会場にて、多くの人だかりができていたのが「ジャンプアプリワールド」ブースに出展されていた「デスノート」の世界を体感することができるバーチャルリアリティー脱出ゲームが展示されているブースです。
本作は「Gear VR」向けのアプリで、CRI・ミドルウェアが提供する高画質・高機能ムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」を用いて制作をされており、とある場所に囚われているヒロイン・弥 海砂が死神・レムと一緒に外の世界の脱出するといった内容。プレイヤーの選択によってストーリーが分岐していくインタラクティブVRムービーとなっています。

施設内にある「鍵」と「ナイフ」を制限時間内に見つけ出し、無事脱出することができるとグッドエンド、「鍵」および「ナイフ」を探し出すことができないとバッドエンドとなる仕掛けも準備されており、時間の経過によって水面が上昇してくる様はVRならではの臨場感といったところでしょうか。
今回の脱出ゲームの仕掛け人である集英社 ジャンプ・コミック出版編集部の武田冬門編集長にお話を聞くことができました。

――今回の「デスノート」というIPを活用した脱出ゲーム制作の経緯を教えてください

武田氏(以下略)
来年公開を予定している映画「デスノート 2016」(仮)のプロモーションの一環という部分もありますが、VRのゲーム作品にしやすいタイトルがこの「デスノート」という作品だった、というのが経緯としてあります。

――作品の中でこだわった部分はどのあたりになりますでしょうか

死神・レムの「リアルさ」ですね。映像に関しては、デジタル・フロンティアさんにお願いしたのですが、今年放映されたテレビドラマ「デスノート」内のCGもデジタル・フロンティアさんに制作して頂いていました。世の中的に認知されているきっちりとした「デスノート」の死神を再現しています。今回登場する死神・レムもテレビドラマ内で利用したものをもとにしています。

――ドラマで登場したものを活用しつつ、VRでしかできないものを表現しているということでしょうか

そうですね。

――「鍵」および「ナイフ」を探すためにいろいろなところを探す必要があると思うのですが、探索できるところは全部で何箇所くらいあるのでしょうか

13個くらいは準備していますね。

――ちなみに私はバッドエンドになってしまったのですが、一般の方々の脱出率はどれくらいでしょうか?

約8割くらいの方は、無事脱出しているようです。わざとバッドエンドにしてくれたんですよね?(笑)

――いえ(笑)。すごい必死にいろいろなところを探し回りました。

途中にでてくるレムのセリフと水路から流れてくるりんごがヒントでしたね。

――VR作品では、コントローラーを利用したものが多いと思います。本作は視線の移動(ジャイロセンサーを活用した動き)でコマンド選択する形ですが、どこから着想を得たのでしょうか

当初はもっと作りこんだ内容でした。鍵を拾って、それを鍵穴にきちんと差し込んで脱出する…といった内容です。ただそこまで複雑になってきますとプレイのハードルもあがってきますので「大人も子どもも頭に被っただけで楽しめる」という内容にするため、今回の形に落ち着きました。

――制作している中で、何か得られたもの、今後に活かせそうなことはありますでしょうか

一番は今回のスキームそのものが次に繋がるスキームになったというのが一番の収穫ですね。

――というと?

こういったイベントがなければ、制作を担当して頂いているファンタジスタさんやデジタル・フロンティアさん、「CRI Sofdec 2」を提供いただいたCRI・ミドルウェアさんとも出会えませんでした。また社内でもVRに関しての知見がそこまであるわけでもなく、「VRってそもそも何ができるの?」という状態からスタートしたのですが、今回の作品をきっかけに私自身はもちろん、社内の人間もきちんとVRを理解することができました。

――今後、本作をGear VR以外で展開していく予定はありますか?

この作品に関しては今のところは予定は無いですね。ただ他に面白いことを考えております。楽しみにしていてください。

――「VR」に対して、どのような可能性を感じていますでしょうか

可能性は無限にあると思います。今後、VR市場は伸びていくと考えていますし、やりたいことを表現する幅も広げることができますので、今後のVRの動きは楽しみにしています。一番おもしろそうな「おもちゃ」を手に入れた感じはしますね。

――最後に読者の方々にメッセージをお願いします。

まずはやはり、とにかくVRを一度体験してほしいですね。VRは実際に体験してみると「すごい!なんだこれ!」といった感覚を得ることができるのですが、それを見ている周りの人は「この人なにやってるんだろう?」というようにしか見えません。とにかく一度体験はしてみてほしいです。その上で「こういうVRタイトルがあったらいいな!」というものがあれば、どんどん教えてほしいです。今回の映像もYouTubeとボッツニューにて配信しますので、その映像を見て楽しんでみてもらいたいです。

――本日はありがとうございました。

本作は12月21日よりYouTubeとボッツニューでも映像配信が行われており(※YouTubeおよびボッツニューでの配信は、映像のみとなりコマンド選択はできません)、会場でVR体験を行ったユーザーに対し大日本印刷が制作する「デスノートVRスコープ」も同時に配布されていました。
今回の映像は「デスノートVRスコープ」だけでなく、スマートフォンを持っている方なら誰でも閲覧することが可能ですので、ぜひ一度「デスノート」の世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。
[森元行]

[/INSIDE/inside-games.jpより転載]
《森元行@INSIDE/inside-games.jp》
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