ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、汗と最新技術と青春の融合で”頂の景色”へ | アニメ!アニメ!

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、汗と最新技術と青春の融合で”頂の景色”へ

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義連載第152回 ■ 今、一番熱いスポーツマンガ『ハイキュー!!』、フレッシュな俳優陣が揃う

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高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義
連載第152回

■ 今、一番熱いスポーツマンガ『ハイキュー!!』、フレッシュな俳優陣が揃う

古舘春一原作の人気コミック『ハイキュー!!』(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)、累計発行部数は1400万部、今、最も熱いスポーツ物のコミックだ。
バレーボールを扱った作品、最も古いところでは『アタックNo1』、アニメや主題歌は大人気、バレーボールブームを生み出したレジェンド的な作品だ。また、テレビドラマ化され、実写スポ根ドラマの王道となった神保史郎、望月あきらの『サインはV』もある。

近年では、この『ハイキュー!!』、囮に焦点を当て、その斬新さで異彩を放っている。また、連載当初から早々にメディアミックス、小説、ヴォイスコミック、アニメもこの秋に第2期が放送開始したばかり、今回の舞台化もかなり早い、と言えよう。
制作は照明でテニスボールを表現したミュージカル『テニスの王子様』のネルケプランニング。演出はウォーリー木下、93年に劇団☆世界一団(現在はsundayと改称)を結成し、エジンバラ演劇祭にて五つ星も獲得、海外からも高い評価を受けているクリエイターの1人。従来の”演劇”の概念を超えた挑戦をしている。脚本は中屋敷法仁。

キャストはオーディションで選出。 日向翔陽役に、確かな演技力と抜群の運動神経を持つ須賀健太。天才セッター影山飛雄役には、 舞台を中心に活躍する期待の若手俳優木村達成。 それ以外のキャストに小坂涼太郎(月島 蛍役) 、三浦海里( 山口 忠役)、 塩田康平(田中龍之介役) 、橋本祥平(西谷 夕役) 、川原一馬(縁下 力役)、 田中啓太(澤村大地役)、 猪野広樹(菅原孝支役)、 冨森ジャスティン(東峰 旭役)、気鋭の俳優陣だ。対する青葉城西高校のカリスマ・及川 徹は、この作品がデビューの新人遊馬晃祐、及川の相棒でエース・岩泉 一役には、現在TVで活躍中の俳優平田雄也。フレッシュなキャストばかり、熱い舞台が期待出来る。

■ 飛び出すマンガ、立体的かつ多重的で、新しい表現に挑戦

舞台にはやや勾配のゆるい八百屋とその中央には盆がある。上手下手に体育館をイメージした”柱”があるだけ。日向翔陽、自転車に乗って登場する。烏野高校の”小さな巨人”に憧れを抱き、”いつか自分も”とやる気だけは120%、でも全くの素人、しかも”ちっちゃい!”。
影山との出会い、烏野高校に入学し、バレー部に入部するまでは、ジェットコースターの如くの展開。背景には時折、マンガの作画も出るが、そのコマに時には作画ではなく、俳優の顔が!また、コミックと同じように擬音や台詞が書かれている。2.5次元なのか、というと、そう単純な感覚ではない。”飛び出すマンガ”、その前で俳優が演技し、効果音や音楽がそれを彩る。立体的、かつ多重的だ。
マンガは”誌面”の中で確実にキャラクターが、世界が息づいていなければならない。そこにはコマ割や作画が重要な役割を果たしている。まさに原作の際立った”感触”が舞台に上がってる、という感じだ。原作を知らない観客は、観終わった後は必ず単行本を紐解いてみたくなる。この”仕掛け”はなかなかだ。

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注目のバレーボールの試合や練習はどう見せるかは、ひとつの表現にこだわらない。極めてアナログな、棒の先にボールをくっつけてスローモーションで動かしたり、あるいは一転して”ハイテク”背景の映像で見せたりする。ひとつひとつのシーンにどの表現がしっくりくるのだろうか、と考えた結果であろう。バレー特有の”構え”はなかなか軽快で、流行のコリオと上手くミックスされていて楽しい。バレーボールの動きとダンスの動きを融合し、計算されたフォーメーションで入り乱れる。ネットはあったり、なかったり。ネットは必要、といった固定観念はない。
また俳優の動きに合わせて盆が動いたりする。バレーのダイナミックさを限られた空間で魅せる。そして背景には映像だったり、俳優の大きな顔だったり(それが動いたり)、なのである。ありそうでなかった見せ方だ。

”マンガ×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンス”と言ってるが、さらに何か付け加えるとしたら”俳優の身体”ではないだろうか。また、従来の演劇的な表現、時折、白いフード付きのコートを着た”コロス”が登場し、状況を語ったり、あるいは”黒子”の役目を果たしたりもする。背景には何もなく、俳優陣の演技だけが頼り、という超アナログなシーンも、もちろんある。

俳優陣の頑張りは目を見張るものがある。物語はほんの序盤の部分。大きく省略せずに丁寧に描いている。コミックの台詞もふんだんに入っており、力のこもった言葉の応酬だ。
須賀健太演じる日向翔陽、原作以上に元気いっぱいだ(いきなり凹んだりするところは抱腹絶倒!)。
影山飛雄の木村達成、一見クールに、ひねくれ者に見えるが、実はナイーブで日向を”相棒”と思い始める心の変化を上手く表現。2幕の終わり近く、青葉城西との練習試合後、エース・東峰 旭が戻ってくるところは感涙。2年生の時に試合でアタックを封印され、一時、バレー部を離れていた。しかし、日向や影山ら1年生が入部し、彼らのバレーに対する情熱、菅原や西谷の自身への信頼を感じ、とまどいながらも復帰、真摯に向き合う東峰と菅原の空気感に熱くほとばしるものを感じずにはいられない、秀逸な一瞬であった。

どのキャラクターも見せ場があり”青春”を体現。俳優・スタッフ一丸となって新しい表現にチャレンジ、このままシリーズ化してさらなる”頂の景色”を観たいと思うような出来映えだった。
《高浩美》
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