アジアからNETFLIXオリジナルドラマに 「センス8」女優・ペ・ドゥナ インタビュー“初めてのアクション” | アニメ!アニメ!

アジアからNETFLIXオリジナルドラマに 「センス8」女優・ペ・ドゥナ インタビュー“初めてのアクション”

インタビュー

「センス8」ペ・ドゥナ インタビュー
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世界50ヵ国以上で6500万人の会員を抱えるインターネット映像配信プラットフォーム・NETFLIXが、9月2日にいよいよ日本でのサービスを開始した。映画やアニメなどの豊富なコンテンツだけでなく、NETFLIXでしか視聴できないオリジナル作品をラインナップしているのが大きな特徴である。 
その中でも「マトリックス」シリーズで知られるウォシャウスキー姉弟のSFドラマ『センス8』は、二人にとって初めてのテレビシリーズということもあって、発表時から関心を集めてきた。今回は本作でメインキャラクターのサン役を演じた女優 ペ・ドゥナさんにインタビューを行った。世界8カ国に及んだ撮影や、初挑戦したアクションシーン、ウォシャウスキー監督への想いなど、数多くのエピソードを聴くことができた。
[取材・構成=高橋克則]


■12時間という長編ドラマに相応しいストーリー

――『センス8』は8人の見知らぬ男女が互いの感覚や感情を共有できるようになるというユニークなストーリーです。登場人物や舞台が次々と変化するスピード感のある展開は、コマーシャルを気にせずに楽しめる配信ドラマならではのように感じました。

ペ・ドゥナ
本作は全12話構成の長編ドラマで、物語も12時間という長さにあわせて最適化されています。SF、スリラー、ラブストーリーと様々なモチーフが盛り込まれ、登場人物も多いので、最初は難解だと思う人もいるかも知れません。ただ見続けていくうちに少しずつ変化が生まれ、画面から決して目が離せなくなってしまう面白さがあります。
登場人物も人種や国境を越えて多彩な人々が描かれているため、どんな視聴者でも気持ちを寄り添わせることができる。メインの8人は少しアウトサイダーな側面を持ち合わせていますが、そういった部分も魅力に感じてもらえると思います。

――8人はテレパシーのように会話をしたり、知識やスキルを共有したりすることで困難に立ち向かっていきます。まるで8人がそれぞれの長所を持ったまま1人の人間になったかのようでした。

ペ・ドゥナ
『センス8』の一番大切なテーマは精神をシェアリングすることです。8人は次第に心がシンクロして、気持ちの波が重なっていきます。それが最も表れているのは、全員で「What's up?」という曲を歌う場面です。8人は精神が一つになったことで、別々の場所にいながらも自然と同じ曲を口ずさみます。心が繋がったことが上手く表現されていて、とても気に入っているシーンなんです。
私は日本で『空気人形』に出演したときに吉野弘さんの「生命は」という詩を朗読しました。生き物には欠けた部分が存在し、お互いに他者を必要としている。その詩の内容は『センス8』にも通じるところがあって、撮影中によく思い出しました。

――ペ・ドゥナさんはソウルで働くビジネスウーマンのサンを演じています。彼女は普通の女性のようですが、武術の達人でもあります。

ペ・ドゥナ
サンは子供のころに母を亡くした瞬間から、ずっと心を鍛錬してきました。だからショッキングな出来事に直面しても常に冷静さを保つことができる強い女性です。それに彼女は敵との格闘を楽しんでいるようなところがあって、闘っているときだけ唯一微笑みを浮かべるんですよ。彼女にとって闘うことは辛い現実から自分を解放するための行為なのでしょうね。
サンはほかの登場人物がピンチに陥ったときに、格闘センスを生かして敵を倒し、すぐにその場から去っていきます。そんなヒーローみたいなところもカッコイイんですよ。

――初めて挑戦したアクションシーンはいかがでしたか?

ペ・ドゥナ
長い間トレーニングを重ねて、撮影の途中もスタントのみなさんとシーンの準備に取りかかっていました。でもウォシャウスキー監督は即興の演出がとても多いんです。1ヶ月間苦労した段取りが変更されてしまうこともあったので「本当にこのシーンが使われるのだろうか?」と思いながら練習していました(笑)

――ウォシャウスキー監督作品は『クラウド アトラス』『ジュピター』に続いて今回が3回目の出演です。監督の魅力はどこにありますか?

ペ・ドゥナ
台本を読んだときに「どうやって撮るんだろう?」とまったく想像が付かないシーンでさえ、ウォシャウスキー監督は簡単に実現してしまうんです。『センス8』はブルースクリーンやCGをほとんど使用していないのですが、現場で色々なアイデアを出し、カメラワークに明確な指示を与えて、すべてを表現する。そんな想像力を目の当たりにして、ますます尊敬の気持ちが強くなりました。
それに監督は俳優たちが寂しくならないように、現場で家族のように振る舞ってくれるんです。演技指導のディレクションでは登場人物が抱いている感情を細やかに説明して、役柄の置かれた状況をきちんと理解させてくれます。現場でより良いアイデアを思いついたら躊躇うことなく取り入れる決断力もありますが、演出の土台は決して揺るがないので役者としても安心して演じることができました。

――ちなみに即興の演出で驚いたことはありましたか?

ペ・ドゥナ
ソウルのオフィスにニワトリが現れる場面は驚きましたね。CGではない本物のニワトリを使うことはまったく想像していませんでした。それもデスクの上に乗せるなんて!(笑)

■1シーンのため世界中のロケハンに同行

――『センス8』は世界8ヵ国で撮影したと聞きました。本編ではカットを挟むごとに舞台が次々と変わっていく印象的なシーンも多いです。実際の撮影はどのように進んでいったのでしょうか?

ペ・ドゥナ
今回はセットでの撮影がほとんどなく、全編にわたって現地ロケを敢行しました。全話数の脚本が完成している状態でクランクインしたため、ドラマというよりは12時間の映画を撮るような感じでした。撮影はまずサンフランシスコからスタートして、そこで必要なシーンを先に撮ってしまうんです。サンフランシスコでの全話数のシーンを撮り終えたら、次はシカゴへ移動して同じようにすべてのエピソードを撮影する。さらに、イギリス、メキシコ、インドなど、一つの国や都市に3週間ぐらいずつ滞在して、引っ越しながらロケをしていきました。

――ドラマでは各国のイベントや行事の様子も収められていて、とても迫力がありました。

ペ・ドゥナ
イベントが開催される日に撮影できるようにスケジュールを調整したんですよ。たとえばシカゴでは7月4日の独立記念日の花火大会にあわせてロケを行いました。そのほかにも、サンフランシスコではプライド・パレードだったり、インドではガネーシュ・フェスティバルだったり、アイスランドでは夏と冬のシーンが必要だったので季節が変わってからもう一度訪れたりと、各都市が持っているカラーを可能な限り収めるようにしたんです。一つの作品の中で様々な文化に接することができるのも『センス8』の見どころだと思っています。

――撮影期間はどれぐらいだったのでしょうか?

ペ・ドゥナ
全部で7ヶ月ぐらいだったと思います。『センス8』はたとえ私が1シーンしか登場しない場所であっても、撮影のために同行して何週間もスタンバイしたんです。いつ監督にアイデアが降りてきて、私の出演シーンが生まれるか分かりませんからね(笑)。実際に急遽撮影することになったシーンもあって、より作品が豊かになったと感じています。

――『センス8』はシーズン2の制作もすでに決定しています。

ペ・ドゥナ
そういえば監督が一番私を驚かせたのは撮影が終わってからなんです。7ヶ月の撮影でもすごく長かったのに「シーズン2を撮るときは9ヶ月ぐらいかな」と言ったんですよ(笑)

――これからも世界中で活躍するペ・ドゥナさんが見られそうですね。本日はありがとうございました。
《高橋克則》
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