コミックやアニメをチェックしていれば、結末もわかっているのだが、それでもこの舞台は観客をぐいぐいと引き込む。アコースティックな音楽かと思いきや、ロックだったり、と状況や心情によって楽曲は大きく変化するが、意外性もあったりして惹き付けられる。風の音、ギアチェンジの”カチッ”という音等が重なり合って、なにもないに等しい舞台がインターハイのコースになる。パズルライダーの活躍は相変わらずであるが、それ以外の、役がついているキャストもいろいろな役に変化する。大集団のシーン、大人数の劇団だったら、それこそ総出で演じるシーンも限られた人数で演じなければならない。ハイテクを使うならたぶん、映像の出番であろうか。ところが、この舞台はひたすら人間がやる。頭にヘルメット、両手にもヘルメット、それで”大集団”を演じる。大勢でやるよりも、映像を使うよりも”不気味”かつダイナミックだ。状況や心情を台詞で言う演出は健在、各キャラクターの決め台詞はもちろん”お約束”だ。ハンドルだけで”激走”を表現するのは”定番”。このハンドルだけでの表現は日本の伝統芸能の能や狂言にも通じる。あらゆるものを削ぎ落し、”本質”だけを抽出させて見せる。写実的なのかというと、そうでもない。誇張とリアル、それを上手く混ぜこぜにして時と状況によって臨機応変にしている。過酷なレース、勝利するためにはとにかく漕ぎ続けなければならない。脚は疲労が蓄積、次第に重くなるが、それは誰もが同じ状況だ。身体的にも肉体的にも過酷な状況をほぼ身ひとつで表現する。照明や効果音、音楽に助けられているとはいえ、なのである。チーム6人、全員が一緒にゴール出来るはずもなく、どのチームにも”落ちていく”者がいる。しかし、”落伍者”ではない。自分の役割を果たし、”たった1枚のジャージ”を”一番”にゴールに到達させるための必要不可欠なプロセスである。そのためには徹底的に”チームのために”走るのである。文字通り、俳優の顔から汗がしたたり落ちる。まさに舞台だから、な瞬間である。役割を果たし、”落ちていく”シーンはどの場面も圧巻かつ感涙。特別に何か効果的に、例えば映像を使ってみるとか、そういったことは一切しない。そこが、この舞台『弱虫ペダル』の真骨頂である。なにがなんでも”マンパワー”で押し通す演出だから面白い。総北の金城の口癖「俺は諦めない男だ」、諦めたらそこでゲームオーバー。鳴子は叫ぶ「鳴子劇場や!」、どんな人生でも主役は自分自身。真波は言う「俺、生きてる」、真波だけではない。全ての登場人物が”生きてる”と実感しているはずだ。ラストのゴールの瞬間はドラマチック。どんなに頑張っても1位はたった1人しかいない。1位と”敗者”、シビアだが、それが勝負というもの。この”厳しい”ストーリーを笑いを交えつつ、時には観客も巻き込みつつ、舞台は進行する。演出家はもちろん、俳優、スタッフのコンビネーションが上手くいっている作品である。時折、歌が入るがミュージカルではない。しかし、歌もなかなか聴かせてくれる。物語がいったん終わると、最後は客席と一緒に『恋のヒメヒメぺったんこ』を振り付きで総出で歌って踊って終了。ちゃんと”お楽しみ”も用意されている。友情とか絆とか青春とか、文字にするとなんだか平凡に聞こえてしまうが、一言でいうなら”生き様”ではなかろうか。1幕もので上演時間はおよそ2時間15分程。登場人物の数だけ、”生き様”がある。
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