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2014年アニメビジネス10大ニュース ‐解説編‐

1.スタジオジブリがアニメ制作を休止/2.「アナと雪の女王」大ヒット/3. CGアニメーション大躍進/4.  アサツーディ・ケイ d-rightを子会社化/5. 妖怪ウォッチが一大ブーム…

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3. CGアニメーション大躍進

CGアニメは過去数年、着実な成長を続けてきた。2011年の『friends もののけ島のナキ』はCGアニメ映画のビジネスの可能性を生み出したし、2012年公開の『009 RE:CYBORG』や2013年の『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』はセルルックCGアニメの発展に大きな貢献をした。
それでも2014年のCGアニメーションの同時多発的なビジネスの成功は、特筆すべきものだ。『楽園追放-Expelled from Paradise-』『シドニアの騎士』などヒット作が相次いでいる。一般層からコアファンまで、鑑賞者がセルアニメとCGをあまり区別しなくなった。
なかでも興収80億円の『STAND BY ME ドラえもん』は、これまでの2Dセルアニメの同作のシリーズの興収を大きく超えた。CGになることで、子どもたちだけでない大人の観客を惹きつけた。

CGアニメの躍進は、受け手だけでなく作り手の変化も大きい。海外のCGアニメーションとは異なる、セルタッチのCGアニメが広がっている。
『009 RE:CYBORG』、『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のサンジゲンに代表された手法だが、2014年には『楽園追放』のグラフィニカや、『シドニアの騎士』『山賊の娘ローニャ』などのポリゴン・ピクチュアズにもこうした手法が用いられている。

そのポリゴン・ピクチュアズの国内テレビアニメ製作進出も大きなニュースだ。海外からの元請受注で評価を高めた同社は、2014年は日本向けの『シドニアの騎士』で国内テレビアニメシリーズに進出した。自社の作品をCGの技術だけでないとして、CGアニメでなくデジタルアニメーションと呼ぶ。ここからは独自の技術を確立していることが窺える。
CGアニメの好調は、今後さらなる企業の参入を招きそうだ。アニメ製作の有力企業IGポートは、2014年10月にフルデジタルのアニメーション制作のシグナル・エムディを設立している。

4.  アサツーディ・ケイ d-rightを子会社化

アニメを得意とするアサツーディ・ケイ(ADK)は、三菱商事の子会社であるディーライツの株式の51%を取得した。海外へのアニメやキャラクターの販売ネットワークを持つディーライツの強みに目をつけた。同社の豊富なコンテンツの海外展開に取り組む。ADKはアニメコンソーシアムジャパンに統合されたDAISUKIを通じて海外向けのアニメ配信にも参加する。海外事業の取り組みに積極的だ。

[/アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz より転載記事]

《数土直志@アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz》
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