「名探偵ホームズ」友永和秀氏(作画監督・原画)インタビュー後編 “アニメーションの面白さを実感した作品” | アニメ!アニメ!

「名探偵ホームズ」友永和秀氏(作画監督・原画)インタビュー後編 “アニメーションの面白さを実感した作品”

『名探偵ホームズ』の初期6話までを宮崎監督の下でアニメーターとして活動していた友永和秀さんに引き続き当時のアニメ、そして『ホームズ』について話を伺った。

インタビュー
11月21日に『名探偵ホームズ』初のBlu-ray BOXが発売された。インタビューに答えていただいた友永和秀さんは、今までに数々の名作の名シーンを手掛け、2015年には30年ぶりとなる新シリーズ『ルパン三世』の総監督を担当する。
インタビュー前編に引き続き、制作した当時の話、そして『名探偵ホームズ』について伺った。
[取材・構成:藤津亮太、沖本茂義]

『名探偵ホームズ』Blu-rayBOX
https://www.bandaivisual.co.jp/cont/item/BCXA-0908

■ アニメ変革期における『ホームズ』

―『ホームズ』がつくられた当時は、アニメがいろんな意味で「リアル志向」を意識し始めた時期だったのではないでしょうか。

―友永和秀(以下、友永)
たしかに「名作シリーズ」あたりからアニメーションのつくり方が変化してきましたよね。リアルな画面づくりがされるようになってきて。「もう少し現実的な絵を描けるといいな」と思うことはありましたが、今のように、「何ミリレンズを使って撮ったら」と考えてレンズの微妙な歪みを絵で再現するような意識はありませんでした。極端にカッチリつくるとつまらなくってしまうので。そのあたりは時代の変化を感じるところですね。

/

―そういう意味で、『ホームズ』はマンガチックさと、リアル志向がほどよく融合しているという作品ですね。

―友永 
空間のとらえ方が現実的であれば、キャラクターがマンガっぽいコミカルなことをやってもウソには見えませんよね。キャラクターが地に足をついて動いている感じはちゃんとある。その部分は当時も意識していました。

―『ホームズ』の後はテレコムは大作『リトル・ニモ』に取りかかります。

―友永
そもそもそれが会社設立の目的ですからね。それで‘80年代前半は、『リトル・ニモ』や海外との合作作品の仕事ばかりになり、日本のアニメーションにはほとんど関わってないんです。『ニモ』に参加したのが30歳、パイロットフィルムをつくったのが32歳で、完成が36歳。金田(伊功)さんが『幻魔大戦』ですごいのを描いているのを横目にみつつ、30台前半はほとんど『ニモ』ばっかりでした。
だから、『ニモ』が終わって日本のアニメーションに戻ったときは、まるで浦島太郎のような気持ちでした(笑)。『ニモ』については、もう少し時間があって、ストーリーや絵コンテを練られたらよかったと悔しい気持ちはあります。
あと、今見るとアメリカ流のアニメーションを見よう見まねで描いてるようにも見えます。『ニモ』で日米を往復して作業をする中で、いろんなことを学びましたし、いろんな気持ちがあります。そんな中で、パイロットフィルムを残せたのはよかったと思っています。

/

―友永さんのキャリアにとって『ホームズ』という作品はどのような位置を占めているのでしょうか。

―友永
20代後半で『ホームズ』をやっている頃は、アニメーターとしていちばん充実していた時期だったと思います。大塚さんや宮崎さん、オープロの人たち、いろんな方たちと巡りあえて仕事をするなかで、改めてアニメーションの面白さも実感できた。そこがあるから今でもアニメーターとしてやっていけている。そういう思いがあります。


/

『名探偵ホームズ』 Blu-ray BOX
https://www.bandaivisual.co.jp/cont/item/BCXA-0908

《animeanime》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集