第6回京都ヒストリカ国際映画祭が12月6日から開催され、最終日である14日に『るろうに剣心』シリーズ3部作上映が行われた。連続上映は7時間という長さにも関わらず遠方からも多くのファンが集まった。上映終了後には第一部で大友啓史監督と谷垣健治アクション監督、第二部では大友監督と歴史学者である大石学教授のトークイベントが実施された。『るろうに剣心』は「週刊少年ジャンプ」で連載され高い人気を誇った作品だ。大友監督はこれを実写化するにあたって、初期の段階で谷垣さんへ熱心なオファーを行った。実際にスタッフ参加した谷垣さんは、撮影前に4日間スタジオにこもってデモ撮影を実行、監督と共にシリーズの中で実現したいことを確認しあったという。「PART1の冒頭シーンを構想する中で、激しいアクションを含むシーンをワンカットで撮りたい!と大友監督が言い出した時には、全員固まりましたけどね」と笑いながら当時の様子を振り返った。シリーズを重ねるごとにキャストのアクションに対する能力も高くなり、より高度なアクションも入れ込んでいったと話す。そして撮影にあたっては、多くのアクション映画や名作へのオマージュが含まれていることも明らかにした。谷垣さんは「PART2の赤ちゃんを救うシーンでの境内したのアクションは、『酔拳2』のシーンのようになりました」と話す。大友監督も「あのシーンは『戦艦ポチョムキン』や『アンタッチャブル』の乳母車のサスペンス演出も意識せざるを得ませんでしたね」と明かした。さらにトークでは『ブレイド』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』や『プロジェクトA』など数々の傑作映画の名前が登場した。大友監督は「作る側の論理としてではなくて、見る側として『面白い』と言えることが本当にできたなら、きっと日本のアクションエンターテインメントにも風穴があく」と語り「さらにいいところまで行けるんじゃないかと、ワクワクして眠れなくなっちゃうほどでした」という。そんな大友監督を信じて進んだという谷垣さん。最後は「次はぜひ、一緒に現代アクション劇を撮影したいです」と大友監督の今後の抱負で締めくくった。第二部では大友監督と歴史学者である大石学教授のトークイベントが行われた。大友監督は「さっきは熱く語りすぎたから、今度は静かめのトークですよ」と会場の笑いを誘った。参加者には「『るろうに剣心1~3』と幕末維新」という資料が配布され、時代考証の解説などが行われた。大石教授は『るろうに剣心』シリーズで時代考証を担当している。位置関係マップや登場人物の細かい性格設定と履歴書などを「るろうに通信」として配布し、現場の全員で共有していたそうだ。「ガヤ(脇役)のセリフ1つにしてもその時代に無い言葉が混ざらないよう、検証と作り込みをしました」と話し、映画への徹底した作り込みを話した。一挙上映に引き続く、トークイベントも2時間半を超えるが大ボリュームだった。さらに大友監督と谷垣アクション監督が来場者全員に握手とサインをサービスするという充実の内容となった。3作に渡る映画『るろうに剣心』の集大成でもあるイベントは、観客、スタッフ共に大いに盛り上がった1日となった。映画『るろうに剣心』公式サイト http://www.rurouni-kenshin.jp
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