劇画家・辰巳ヨシヒロの人生とその作品を描いた映画『TATSUMI マンガに革命を起こした男』が、11月15日より劇場公開をスタートした。海外の監督が日本の作家を描いた話題作である。アニメ!アニメ!では本作を広く紹介すべく、11月11日に『TATSUMI』の試写会を開催した。鑑賞した方々は本作をどう見たのだろうか?アンケート結果から、本作の楽しみ方を探ってみた。アンケートでは、映画についての感想、辰巳ヨシヒロをについて、登場した5つの短編についてなどを伺った。まず特筆すべきは映画への高い評価だ。点数式で伺ったが、映画の点数は平均85,5点と高得点、中には満点を入れている人もいた。一方で、辰巳ヨシヒロについては半数以上がこれまで知らなかったとしており、今回の映画が作家を知るきっかけになっていることが判る。「忘れられない映画体験になったか」という質問には全員が「はい」と答えたが、その理由はさまざまだった。多かったのは「辰巳ヨシヒロの作品の世界を忠実に描いていた」こと。この「辰巳ヨシヒロの作家性、世界観」に今の日本の作品にはない衝撃を感じたようだ。そして「過去の日本の姿がアニメの中に再現されている」という意見もあった。それは音だったり、色味だったりとするのだろう。これにはトークショーで登壇した特撮・アニメ評論家の氷川竜介さんも「その時代の日本の音が忠実に再現されている」ということを言及していた。しかし「中高年にはつらい」という意見もあった。登場した5つの短編の中で印象的なものについては、票が分かれた。いずれも印象深いということだろうか。「どの作品も胸にせまる」と全ての作品を上げる人もいたぐらいだ。それでも一番多かったのは『地獄』だ。一番最初に登場する短編であり「私は心の中に地獄を見た」から始まるこの物語は、偶然撮影したある写真が一人の男の人生を狂わせていく。第二次世界大戦後という設定から戦後の日本の生々しい様子が描かれ、最初からすごいのが来たぞ、と劇場には緊張感が漂った。この緊張感を最初にに持ってきたおかげで、次の作品もその良い緊張感を保ったまま見れたのではと思う。最後に本作の感想の一部を紹介したい。「辰巳劇画の世界と人生がアニメとなって成立していることに驚いた」「このような作品が外国人によって作られていたことに驚いた」「人を選ぶ作品、でも一度見たら忘れられない」「マンガをアニメーションにする、その手法に強い興味を持って観に来たが、この作品は映画としてとても立派で、その表現手法も最適であった」筆者も同じ席で映画を見ていたが、来場者の年齢層は高く、意見も厚みがあるものが多くあったように感じる。劇画という名前を背負って歩み続けた辰巳ヨシヒロの人生が、随所に散りばめられた作品、そのシーンだけ色づいていたことも印象的だ。公開している劇場は少ないが、少しでも興味がわいたなら、映画館で辰巳ヨシヒロの人生というマンガを、全身に浴びてみてはいかがだろうか。映画『TATSUMI マンガに革命を起こした男』http://tatsumi-movie.jp監督: エリック・クー原作: 辰巳ヨシヒロ「劇画漂流」声の出演: 別所哲也(一人六役)、辰巳ヨシヒロ
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