■ キャスト・スタッフの作品愛、ラストは重くならずに希望を感じさせる幕切れはむしろ清々しい。とにかくキャラクターの“再現度”がハンパなく、キャストたちの作品愛を感じる。ストーリーはファンなら知っている展開、ところどころ舞台ならではの変更もあるが、おおむね同じ、と言っても差し支えないだろう。キャラが勢揃いし、ゲーム・アニメと同じ楽曲が流れれば、観客もキャストもテンションが上がる。エネルギーが劇場内に充満する瞬間だ。ミュージカル仕立てにせずに台詞と芝居できっちり見せる。スタッフの芝居作りにこだわりを感じる。舞台中央にはスクリーンがある。原作と同様にモノクマが出てきて大山のぶ代の存在感抜群の声でお決まりの台詞が“炸裂”する。ことある毎に“モノクマダンサーズ”が登場し、状況を彩ったり、モノクマの“感情”を表現したり、しかも黒子の役割も果たすという働きぶり。学級裁判のシーンは見せ場ではあるが、実はそこに至るまでの心の揺れにかなり力点を置いている。ゲームやアニメではカットバック等の手法を使うが、舞台ではそうはいかない。本来ゲームやアニメでは解り得ないキャラクターの表情やちょっとした仕草も見せなければならない。そこを特にスクリーンでアトランダムにその場にいるキャラクターを写し出す。ゲームやアニメでは気がつかなかったキャラクターの心の機微が細かく捉えられるので、状況がよりクリアーに、しかも大きな存在感を持って観客に迫る。さしずめ作品世界の“増幅装置”といったところだろう。演出自体は正攻法で、きっちりと作品を見せる。演劇自体はアナログな芸術である。昨今流行りの凝った映像を使わずにゲーム感を出すことに成功し、2.5次元舞台となっている。メインキャストは実力揃い。苗木誠を演じる本郷奏多は大の『ダンガンロンパ』ファンとあって「それは違うよ!」のポーズはかなり研究した様子で顔の角度や腕の伸ばし方、ひとつひとつに彼ならではの細かいこだわりが感じられる。同じく大ファンを公言する神田沙也加、ラスト近くは、迫力の演技。啖呵を切るところや苗木と対峙するシーンはゲーム・アニメを凌駕する程で“超高校生ギャル”そのもの、もうファンは納得しかないだろう。ゲーム、アニメと同役の松風雅也は年齢を感じさせない(!)高校生ぶり。閉ざされた空間で高校生同士が殺し合いをするという衝撃的な設定であるが、友情や信頼、希望といったテーマをより色濃くした舞台版、ラストは重くならずに希望を感じさせる幕切れはむしろ清々しい。“2幕もの”でかなりの力作、ゲームは新作が登場しているが、舞台も再演を、あるいは新作を、それとも思い切ってスピンオフ的なものも是非、やって欲しい。『ダンガンロンパ THE STAGE~希望の学園と絶望の高校生~』2014年10月29日~11月3日日本青年館・大ホールhttp://cornflakes.jp/dangan/『ダンガンロンパ THE STAGE~希望の学園と絶望の高校生~』(C)Spike Chunsoft Co., Ltd./希望ヶ峰学園演劇部 All Rights Reserved.
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