2010年以来、名古屋市中区大須で「読める」、「描ける」、「広がる」をコンセプトに運営される漫画空間が東京へ進出することになった。2月中旬から下旬をメドに、杉並区のJR高円寺駅前に2号店がオープンする。大須は東京の秋葉原、大阪の日本橋に次ぐ第3の電気街など、サブカルチャーの地としても知られている。今回は大須で生れたカルチャーが東京に乗り出す。漫画空間の営業形態は、広い意味でのマンガ喫茶になる。しかし、いわゆるマンガ喫茶やネットカフェなどと決定的に異なるのは、「若手の個性豊かなマンガ家を輩出できる場所を作りたい」、「マンガを通じて人と人のつながりの架け橋になりたい」といった場の創出にある。実際にインク類、ペン類、コピック、資料集、トレース台など、マンガを描くための道具一式を無料で使用出来るというユニークなサービスが行われている。また、プロのマンガ家による描き方講座やトークショーが定期的に開かれている。常連客も次第に増えているという。漫画空間が大きく注目されるきっかけは、2012年に棚園正一さんが描いたマンガ『まんくう』の発表だ。「漫画アクション」(双葉社)に掲載されたこの作品は、その名の通り漫画空間を舞台とした。棚園正一さん自身はマンガ家であるが、オープン時から通っており、すっかり常連客となっていた。一方で他の常連客からもマンガ賞の受賞などが生まれるようになった。さらにNHKの名古屋放送局制作のドキュメンタリー『マンガに夢をかけて~名古屋“漫画家喫茶”物語~』が、漫画空間を取り上げた。これが全国放送されるなどで一気に関心を集めた。、JR高円寺駅前に誕生する2号店でも「読める」、「描ける」、「広がる」をコンセプトとした営業となる。漫画元気発動計画からマンガ家の樹崎聖さんを招くなど、数々のイベントも予定されている。[真狩祐志]漫画空間/http://www.mangakukan.com/
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