日本のアニメーション史で重要なアニメーション作品が、デジタルリマスター版で新しい映像となった。その新しくなった作品を披露する上映会が開催される。12月8日、日仏会館ホールにて、大藤信郎の『くじら』と『幽霊船』が特別上映される。特別上映は映文連(公益社団法人映像文化製作者連盟)創立60周年を記念して実施される。今回上映されるデジタルリマスター版は、2012年に東京国立近代美術館フィルムセンターより映文連が著作権を管理する『くじら』と『幽霊船』の2作品に対して申し出があったことがきっかけとなっている。日本のアニメーションの傑作としてデジタルリマスターを実施、今春完了した。作品上映は、第26回東京国際映画祭の会期中、10月19日、シネマート六本木にて「日本アニメーションの先駆者(パイオニア)たち~デジタル復元された名作」でも行われた。この際には、やはりデジタルリマスター化された政岡憲三の『くもとちゅうりっぷ』も上映されている。大藤信郎はアニメーション作家として日本における先駆的な存在の1人として知られる。『くじら』はカンヌ国際映画祭でピカソも絶賛、『幽霊船』はヴェネチア国際映画祭で特別賞となるなど日本のアニメーション史に礎を築いてきた。主に切り絵や影絵の手法で制作してきたが、1961年に『ガリバー旅行記』の完成と同時に死去した。同年、第16回毎日映画コンクールで特別賞を得たことを契機として、その翌年には大藤信郎賞が設立された。大藤信郎賞はアニメーション作品を対象として表彰してきていたが、1989年にアニメーション映画賞が設立されてからは、主に短編や制作手法に対しての表彰となっている。デジタルリマスターは三色分解フィルム(ETERNA-RDS)に保存する方法が採用された。三色分解フィルムでは500年の保存に耐え得ると言われている。デジタルリマスター化の推進は、2014年の3月に35ミリフィルムの製造が終了したことの影響も大きい。歴史的に意義のあるもの、価値のあるものの保存と活用を目指したものだ。今回の2作品は短編であるだけに貴重である。上映にあたり、そうしたことを考えてみるのも良いだろう。[真狩祐志]公益社団法人映像文化製作者連盟/http://www.eibunren.or.jp/ 大藤信郎「くじら」「幽霊船」[デジタル復元版] 特別上映日時: 12 月8 日 13時~場所: 東京・恵比寿 日仏会館ホール前売券800 円 当日券1,000 円問い合わせ: 映文連13:00 デジタル復元とは (株)IMAGICA 三浦和己氏による解説13:05 『くじら』13:15 『幽霊船』
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