海外マンガフェスタでは著名作家によるトークライブだけでなく、アメコミ作家や海外同人作家、海外出版社などプロ・アマ問わずに出展する「アーティスト・アレイ」も見どころだ。名前こそ「アーティスト・アレイ」とあるが、コミティア参加サークルが国際色豊かになったもの、と考えてもらえればわかりやすい。 いくつかの例を紹介しよう。日本ではなじみの薄いフィリピンマンガを販売していたのは「PINOY Komiks」というサークルだ。フィリピン初のマンガ雑誌でありながら、作家が〆切を守らないため第2号発売のメドが立っていないというフィリピン初の漫画雑誌『KWENTILLION』や若手同人作家による同人誌などを販売していた。楳図かずおの『漂流教室』に影響を受けてSF同人誌を描いたというライアン・セシル・スミス氏、富士山や上野公園など日本の良き風景をのほほんとしたゆるやかなイラストで表現したポスターや冊子を手掛けるミックニー・グレアム氏など、多彩な同人作家が軒を連ねていたのも興味深いポイントだ。 任天堂のゲーム『ゼルダの伝説』を1999年にコミカライズし北米やヨーロッパなど海外で大きく有名となったマンガ家ユニット・姫川明月もアーティスト・アレイに出展しており、作品を手にする人が絶えなかった。日本ではあまり知られていないが海外のイベントに多数招かれるほど有名で、その活躍には改めて注目しておきたい。 また、ヨーロッパのマンガを日本に紹介するマンガ雑誌『euromanga』のほか、ファンホ・ガルニドの『ブラックサッド』、アルチュール・ド・パンス『カニカニレボリューション』といった海外マンガを販売するEuromangaのブースでは出版物の割引販売を行っており、普段なら手を出しにくい価格の書籍でも気軽に手に取れる場となっていた。Humanoids、Delcourtなども同様に自社の出版物を販売していた。 さらに、アメコミブロック、カナダ・トロントで開催されたTCAF(Toronto Art Comic Festival)の複数の有力サークルがこのイベントのために日本に来日したTCAFブロックが用意されていたりと、アジア、北米、ヨーロッパのマンガがまんべんなく味わえるのがアーティスト・アレイの魅力だろう。 今回のアーティスト・アレイには11カ国から42名のアーティストが参加した。アメリカ、ブルガリア、ブルガリア、ベルギー、フィリピン、シンガポール、台湾、フランス、韓国、カナダなどさまざまな場所で活動する人々が集結し、どのブースもにぎわっていた。特に印象的なのは会話のコミュニケーションが活発だったことだ。 日本人が日本人の作品を手にする時以上に、この作品が何なのか・相手がどんなアーティストなのか、会話のやりとりが積極的に行われたことでどのブースも活性化されていた。 開催後はTwitterなどで海外マンガフェスタのブースについて広く情報交換され注目度が高まったように思える。第3回目のアーティスト・アレイが開催される時はより大きな盛り上がりを見せることだろう。[川俣綾加]
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