9月18日から22日まで、カナダ・オタワにてオタワ国際アニメーションフェスティバルが開催された。フェスティバルは世界4大アニメーション映画祭のひとつで、国際的にも存在感が大きい。その中で日本からの出品作が大きな賞に輝いた。 日本からはAnimation School Showreelに出品していた多摩美術大学が、最優秀アニメーションスクールに選ばれた。また、卒業制作や修了制作を対象とした部門(Walt Disney Award for Graduation Animation)で、姫田真武さんの『ようこそぼくですセレクション』「なにぬねのの」が特別賞(Honorable Mention )を受賞した。
Animation School Showreelには、日本からは過去に受賞経験のある東京藝術大学も出品していた。一方、多摩美術大学は今回初めて公式出品での受賞となった。 多摩美術大学は、アニメーション教育を行う大学として国内でよく知られている。グラフィックデザイン学科のアニメーションのクオリティの高さに定評がある。米国アカデミー賞の最優秀短編アニメーション賞を受賞した『つみきのいえ』の加藤久仁生さんも同校出身だ。
『なにぬねのの』で特別賞を受賞した姫田真武さんも、多摩美術大学大学院デザイン専攻(グラフィックデザイン)の修了である。姫田さんの『ようこそぼくです』を構成する一連の作品は、自身も実写で作中に登場するなど、歌と踊りを交えたパフォーマンスも特徴となっている。 姫田さんの作品はAnimation School Showreelのプログラムにも含まれている。いわばダブル受賞のかたちだ。
このほか学生部門には、多摩美術大学から中内友紀恵さんの『祝典とコラール』、冠木佐和子さんの『Ici, la et partout』と『肛門的重苦』、伊従沙紀さんの『おはようカロチン』が出品されていた。同校の活躍が目立った映画祭となった。 [真狩祐志]