米国の日本アニメイベント成長続く 2012年最大はアニメエキスポ約5万人 | アニメ!アニメ!

米国の日本アニメイベント成長続く 2012年最大はアニメエキスポ約5万人

海外で開催される日本のアニメやマンガ、J-POPのイベントが、国内で話題になることが増えている。海外ではアニメコンベンションと呼ばれるこうしたイベントは、一体どのくらいあるのだろうか?

ニュース
注目記事
アニメコンベンションではイベント、トークのほか物販も盛んだ
  • アニメコンベンションではイベント、トークのほか物販も盛んだ
  • アニメコンベンションの様子
海外で開催される日本のアニメやマンガ、J-POPのイベントが、国内で話題になることが増えている。海外ではアニメコンベンションと呼ばれるこうしたイベントは、一体どのくらいあるのだろうか?
米国のアニメコンベンション情報サイトのAnimeCons.comは、1月7日に2012年に北米で開催されたアニメコンの総数、また来場者数の概要を明らかにした。発表からは日本アニメ・マンガの北米における様子の一端が窺われる。
2012年はかつて来場者数でトップ5にランキングしていたニューヨーク・アニメフェスティバルが、ニューヨーク・コミコンに吸収され姿を消すというトピックがあった。しかし、全体としてみればアニメコンベンションの開催数は、依然増加傾向にあるようだ。AnimeCons.comが把握するイベント数は、2011年の396から53増えて、449にも達した。

アニメコンベンションの拡大は、イベント数だけでない。来場者数自体も大きく伸びている。過去最高の人出となったロサンゼルス・コンベンションセンターで開催された北米最大のアニメエキスポ49400人を筆頭に、多くの大型コンベンションが来場者数の増加を報告している。
来場者数第2位のオタコンは、32724人。ワシントンDCの近郊で学生も多いところから、アニメエキスポと並ぶイベントとして東海岸での人気を集めている。
そのあとはアニメセントラル(シカゴ)24316人、アニメノース(トロント・カナダ)22385人、アニメボストン (ボストン)22065人、A-コン(ダラス)21982人、サクラコン(シアトル)20214人、ファニメコン(サンノザ[シリコンバレー])約21000人の2万人超級のイベントが並ぶ。一応、ランキングはついてはいるが、来場者数のカウントは、企業参加者やゲスト・プレスも含む全参加者、チケット購入者のみ、概算とまちまちのため、この6つはほぼ同程度の規模と考えていいだろう。

なお日本やアジア各国、ヨーロッパのアニメイベントに比べると総数は少なく見えるが、これは北米のイベントは延べ人数でなく、実数を取っているためである。アニメエキスポは延べ人数も、約13万人と発表している。これは2012年の東京国際アニメフェアや幕張で行われたアニメ コンテンツ エキスポをも上回る。他のイベントも、延べ人数では2倍から3倍程度だろう。

北米では日本アニメ、マンガのビジネスは、2000年代後半に急激に縮小したとされている。しかし、奇妙なことにアニメコンベンションはこの間に急拡大している。
例えば、日本アニメのビジネスがピークだったとされる2006年のアニメエキスポの参加者数は40647人、オタコンは22302人と今より少ない。さらに、昨年2万人規模となった6つのイベントは、2006年当時はいずれも1万人から12500人程度である。つまり、中核都市のイベントは、6年間で倍になっている。

こうした奇妙な現象は、日本アニメ・マンガは依然、北米で人気があり、映像ソフトやマンガ単行本の売上げに結びついていないだけと説明されることも多い。確かに、日本と同様に北米のアニメファンの消費は、コンベンションやコスプレなどよりライブなもの向かっている可能性もある。従来の尺度での市場測定は難しくなっている。
一方で、米国では、そもそもこうしたファンコンベンションが急成長しており、アニメコンベンションもその流れを反映しているだけという見方も出来る。それは米国のポップカルチャーをメインとしたサンディエゴ・コミコンやニューヨーク・コミコン、C2E2の急成長ぶりからも窺える。
こうしたなかで、米国ではスターウォーズをテーマにしたスター・ウォーズ・セレブレーションやデイズニーが自ら仕掛ける大型イベントD23 Expoなどがビジネスとして立ち上がっている。コンテンツから派生する新たな収益源となっている。

今後は、こうした流れがアニメコンベンションにも達するのかが注目される。まず2013年は、8月にサンフランシスコ近郊のサンタクララで初開催されるジャパンエキスポUSAの動向が気になるところだ。
このイベントは2012年にフランス・パリで21万人を動員したパリ・ジャパンエキスポを運営するSEFAイベントの米国組織によるものだ。フランスからの進出、企業による運営など、今後の北米でのアニメコンベンションの動向を見るうえで興味深い存在だ。

AnimeCons.com
/http://animecons.com/

[2012年 北米での日本アニメ・マンガをテーマにしたイベントの来場者数]

1. アニメエキスポ (ロサンゼルス) 49400人・総数
2. オタコン (ボルチモア) 32724人・総数
3. アニメセントラル (シカゴ) 24316人・総数
4. アニメノース (トロント・カナダ) 22385人・チケット購入者数
5. アニメボストン (ボストン) 22065人・総数、21587人・チケット購入者数
6. A-コン (ダラス) 21982人・総数
7. サクラコン (シアトル) 2014人・チケット購入者数
8. ファニメコン (サンノザ[シリコンバレー]) 約21000人・総数
9. アニメウィークエンド・アトランタ (アトランタ) 13472人・チケット購入者数
10. カツコン (ワシントンDC) 12614人・総数
[ANIMECONS.COM調べ]
*いずれも実数
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集