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フジTV 米国の新鋭アニメーション会社イルミネーションと戦略的提携

フジテレビは、米国のアニメーション制作会社イルミネーション・エンターテインメントと国際的戦略提携を結んだことを明らかにした。今後、両社は映像制作の企画やクリエイティブの提案を相互で行う。また、長期的には共同製作も目指したいとする。

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クリス・メレダンドリ氏
  • クリス・メレダンドリ氏
国内大手放送局のフジテレビは、米国のアニメーション制作会社イルミネーション・エンターテインメントと国際的戦略提携を結んだことを明らかにした。
今後、両社は映像制作の企画やクリエイティブの提案を相互で行う。また、長期的には共同製作も目指したいとする。

提携の第一弾は、イルミネーションが制作した世界的なヒット作『怪盗グルーの月泥棒』に登場したキャラクター“ミニオン”を利用したものだ。フジテレビが製作する劇場映画のオープニングロゴにミニオンを起用する。映画の前に姿を見せることで、キャラクターに認知度向上を狙う。この新しいオープニングロゴは、9月7日に全国公開した『踊る大捜査線 THE FINAL新たなる希望』から起用されている。
イルミネーションは、2013年7月に『怪盗グルーの月泥棒』の続編『怪盗グルー2(仮)』の全米公開を予定している。これにあたってフジテレビとイルミネーションは、脚本やキャラクター設定などの制作に関する意見交換を行うとしている。日本でのさらに大きなヒットを狙う仕組みとなりそうだ。

イルミネーション・エンターテインメントは、2007年に20世紀FOXにてアニメーション映画部門を立ち上げたクリス・メレダンドリ氏が独立し、設立した映画製作会社である。20世紀FOXで『アイスエイジ』などをヒットさせたメレダンドリ氏の強みを活かし、フルCGアニメーションを得意とする。
2010年公開の『怪盗グルーの月泥棒』で、世界興収5億4200万ドルの大ヒットを記録し、一躍脚光を浴びた。2012年には『ロラックスおじさんの秘密の種』で再び大ヒット、現在はディズニー/ピクサーやドリームワークス・アニメーションに迫る新たなCGアニメーション会社とみなされている。

同社はもともと海外企業との連携に積極的である。例えば『怪盗グルーの月泥棒』のプロダクションの多くはフランスで行われていることで知られている。
また、2010年には日本の浦沢直樹さんのマンガ『PLUTO』の実写化権を獲得、同作の実写映画化企画を進めていることを明らかにしている。海外の才能やアイディアの取り入れに前向きで、今回のフジテレビとの提携もその一環と言える。

フジテレビにとっても、成長ざかりで、新しい試みに積極的なイルミネーションは、有り難いパートナーだ。非メジャー系でビジネスの実績のある会社は、今後、日本のメディア産業が海外に出ていく時に組みやすい相手だ。
ただし、一方で今回の発表では、共同製作などの大型案件はないとしている。コンテンツ業界に限らず、日本企業と外国企業との大型提携は発表の大きさに比べてその後の成果があまりないというケースも少なくない。フジテレビとイルミネーションの提携がどこまで進み、どこまで深化するのか、関連企業にとっっても気になるものとなりそうだ。

フジテレビジョン 
/http://www.fujitv.co.jp/
イルミネーション・エンターテインメント
Illumination Entertainment
/http://www.illuminationentertainment.com/
《animeanime》
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