2月22日から、東京国立新美術館にて第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展がスタートした。第1回の1997年以降、毎年開催される本展覧会は、年々開催規模を拡大、2007年(第11回)からは現在の国立新美術館を拠点としている。 来場者数は第11回の4万4000人、第12回5万5000人、第13回6万3000人、第14回7万人と急増している。今年も3月4日までのおよそ2週間、多数の来場者を集めることになりそうだ。関心の高さに加えて、受賞作品の評価も高く、大きな成功を収めている。 こうした成功の一方で、メディア芸術祭受賞作品展は、毎年難しい課題を背負っている。それは受賞作品の展示のあり方だ。 受賞作品展の特徴は、その応募作品と同様にメディアアート、アニメーション、マンガ、ゲーム、ウェブ、インタラクティブといった様々な表現が入り乱れることだ。異なるジャンルが同じ空間に存在し、同じ観客に提示される。これが観る人に多くの刺激を与える。しかし、カオス的な空間こそがメディア芸術祭の持ち味である一方で、個々の作品を鑑賞する十分な空間が必要との声も大きい。この対立するニーズを満たす必要があるからだ。 そうした点で今回の受賞作品展は、この難しい問題をうまく解決していた。会場の構成・レイアウトは昨年と同様、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4エリアに分かれ、それが連続的に進む。一方で、それぞれの展示は相互につながっており、自分の嗜好に合わせて行きつ戻りつすることも可能になっている。 何よりも今年の特徴は、細かなパーティションを多用することで、幾つかの作品に独立したスペースを与えていることだ。体感するものが多いアート部門の作品でこれは大きな効果を発揮している。 これはアニメーション部門、マンガ部門も同様だ。アニメーション部門では大賞作品である『魔法少女まどか☆マギカ』、そして『マイブリッジの糸』は、小部屋のような独立した空間に展示されている。これにより、色彩豊かでキャラクター性を押し出した『まどか☆マギカ』とモノクロームで大量の原画を展示する『マイブリッジの糸』、それぞれの個性を打ち出した展示が可能となっている。 これ以外でも、本年のアニメーション、マンガの両部門の展示は、作品の魅力を引き出すことに成功している。単に原画を展示するだけでなく、作品の制作過程を明らかにする工夫が随所に見られたからだ。例えばマンガではアイディアノートからネーム、原画に至るまでの経過を見せたり、アニメでも作品と原画を連動して展示する。なかでも圧巻だったのは、『マイブリッジの糸』の原画の展示だ、連続する原画を一挙に並べることで、手描きの絵が動くという事実を圧倒的な力で伝える。 来場者が増えたことで、近年は会場の混在も増している。出来れば会期の早め、そして午前中などを狙って訪れたいところだ。[数土直志]第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展/http://megei.jp/
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