6月6日から11日まで、フランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭が、公式セレクションの長編部門を発表した。今回発表されたのは応募64作品の中から選出されたコンペティション部門9作品とアウト・オブ・コンペティション6作品である。 日本からはコンペティション部門に原恵一監督、サンライズ制作の『カラフル』、小島正幸監督、マッドハウス制作の『チベット犬物語』の2本が選ばれている。またアウト・オブ・コンペティション部門では、黒坂圭太監督『緑子/MIDORI-KO』、森下孝三監督、東映アニメーション制作の『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』が上映される。 『カラフル』は、森絵都さんの小説を原作にアニメ化したもの。人の生と死を中心に、重いテーマを描いたことが話題を呼んだ。国内では2010年夏に公開、毎日映画コンクールアニメーション映画賞受賞など評価が高い。 一方、『チベット犬物語』は、マッドハウスと中国の国営映画会社中国電影集団と共同製作するものだ。日本での公開はまだ発表されていないが、日中共同製作の劇場アニメとして早くから注目されていた。 『チベット犬物語』は、2009年のアヌシーの「Work in Progress」で、企画・製作進行中の作品として紹介されている。それから2年、完成した作品として再びアヌシーに戻ることになる。 今年のアヌシーでは、また新たな企画・製作中の日本の劇場アニメが取り上げられる。4月15日付のフランスのアニメ雑誌は「ANIMELAND」は、4月14日に開催された映画祭のプレスコンファレンスの発表として、映画祭のなかで東映アニメーションが製作を進めるフルCGアニメ『SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK』を紹介するとしている。また、これに合わせて原作者の松本零士さんが渡仏する。 同作は2010年3月に、東映アニメーションがCG映画監督 荒牧伸志さん、メカデザイン竹内敦志さん、キャラクター・デザイン箕輪豊さん、セガサミービジュアル・エンタテインメント制作協力、さらに小説家福井晴敏さんが参加する大型プロジェクトと発表したものだ。「ANIMELAND」は、映画は3D(立体視)で公開は2013年頃としている。 アニメーション映画祭というと、アート志向の強い短編や学生作品に目が向かいがちだ。しかし、各国から作品が集まる長編部門も、世界のアニメーションのトレンドを知るには見逃せない。ハリウッド製のブロックバスタームービーとは異なる世界がそこにあるからだ。 とりわけアヌシーは長編部門に力を入れており、映画祭での上映作品がその後大きな話題を呼ぶことも多い。現在、日本でも公開され話題を呼んでいる『イリュージョニスト』、『メアリー&マックス』、『ファンタスティック・ミスター・フォックス』は、いずれもこの長編部門で上映された受賞作品である。アヌシー国際アニメーション映画祭/http://www.annecy.org/home[長編部門コンペティション作品]■ 『カラフル』 原恵一 日本 2010年■ 『Den Kaempestore Bjorn』 Esben TOFT JACOBSEN デンマーク 2011年 ■ 『Jib』Mi Sun PARK、Eun Young PARK、Joo Young BAN、Jae Ho LEE、Hyun-jin LEE 韓国 2010年■ 『L'Apprenti Père Noël』 Luc VINCIGUERRA フランス 2010年 ■ 『Le Chat du Rabbin』 Joann SFAR, Antoine DELESVAUX フランス 2009年■ 『Sojunghan nare kkum』 Jae-hoon AN, Hye-jin HAN 韓国 2011年■ 『チベット犬物語』 小島正幸 中国/日本 2011年■ 『Une vie de chat』 Jean-Loup FELICIOLI, Alain GAGNOL フランス/ベルギー 2010年
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