谷口ジローのマンガを原作 「Quartier lointain」仏公開始まる | アニメ!アニメ!

谷口ジローのマンガを原作 「Quartier lointain」仏公開始まる

2011年11月24日に、フランスで日本のマンガと関係の深い映画が劇場公開された。サム・ガルバルスキ監督の『Quartier lointain』である。

ニュース
 2011年11月24日に、フランスで日本のマンガと関係の深い映画が劇場公開された。サム・ガルバルスキ監督の『Quartier lointain』である。
 映画は壮年期に入った男性が10代の頃にタイムスリップをし、かつて家族を捨てて出て行った自分の父ともう一度対峙するという話だ。映画は今年5月にドイツとオーストリアで公開されているが、ヨーロッパの映画文化の中心ともいうべきフランスでいよいよ公開される。

 文学性溢れるこの映画は、日本のマンガ家谷口ジローさんの代表作『遥かな町へ』を原作にしている。映画の製作予算はおよそ15億円フランス、ベルギー、ルクセンブルク、ドイツの4ヶ国の共同製作という大作だ。日本のマンガがヨーロッパ各国の手によって新たな作品として生まれ変わる。
 実際に実写化するにあたっては、原作からの変更点もある。一番大き点は、谷口さんの原作では自身の出身地である鳥取県にある倉吉市が舞台になっていたがこれがヨーロッパの田舎町に変更された。

 日本のマンガやアニメを原作に実写映画を撮ることは、アジアや北米で近年急増している。世界的に見れば、あまり珍しくなくなっている。しかし、それらの多くはアクションやサスペンス、コメディといったエンタテイメント性溢れるものとなっている。
 一方、『Quartier lointain』として映画化された『遥かな町で』は、主人公が過去に戻るというSF的な要素こそあるものの、より人間の内面を見つめた側面が強い。文学的な趣もあり、こうした日本のマンガがかなりの予算をかけて海外で映画化されるケースは少なく、意義深いものだ。

 こうした背景には、ヨーロッパでは少年向けのマンガの人気とは別に、大人向けのマンガ作品をアートとして評価する流れがあることが関係していそうだ。日本ではマニア向け、芸術志向が高いとされる作品が、例えばアングレームの国際バンドデシネ(コミック)フェスティバルの公式セレクションに挙げられるような動きだ。
 谷口ジローさんの作品は、こうした中で日本以上にヨーロッパで高く評価されてきた。今回の映画化も、そうした評価の高さを反映したものだ。北米やアジア、そして日本とも異なるヨーロッパ独特のマンガ文化に対峙する姿勢が映画『Quartier lointain』に隠されている。

『Quartier lointain』 公式サイト(フランス)
/http://www.quartierlointain.com/
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集