人形アニメーションの巨匠 川本喜八郎氏逝去 85歳
人形アニメーションの巨匠として国際的に知られる川本喜八郎氏が、8月23日に逝去した。85歳であった。川本氏は国内の人形アニメーションのパイオニア、そして人形作家として知られている。
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アニメーション作品は1960年代より国際映画祭などを中心に高い評価を受けてきた。また、国内のアートアニメーションの第一人者でもあった。NHKで人気の高かった人形劇『三国志』、『平家物語』の人形制作も手がけており、その作風は広く一般に知られていた。
川本氏は、旧制横浜高工(現横浜国立大学)建築学科を卒業後、東宝撮影所美術部に勤務、1950年の独立し、人形を使ったストップモーションアニメーションの制作を始めた。1960年代にはヨーロッパにわたり、チェコの人形アニメーションの巨匠トルンカ氏に師事した。
帰国後は、『花折り』(1968)、『鬼』(1972)、『道成寺』(1977)などの意欲作を次々に発表、国際映画祭でも賞を重ねるなど、国内外でその評価を固めた。晩年も『冬の日』(2003)、『死者の書』(2005)といった大作を創り出している。
国内で最も古いアニメーション賞である毎日映画コンクール大藤信郎賞の受賞は、『鬼』や『注文の多い料理店』(1991)、『冬の日』など6回にも及ぶ。また『冬の日』では文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、デジタルコンテンツグランプリ芸術賞受賞など国内外の受賞歴は数え切れない。
2007年には長野県飯田市に、同市の人形作品を展示する飯田市川本喜八郎人形美術館が立てられた。川本氏は美術館の館長として、人形制作とアニメーションの振興にあったっていた。また、日本アニメーション協会名誉会長も務めいていた。
川本喜八郎人形美術館では9月5日まで入館料を無料とし、哀悼のための記帳を受け付ける。また、上映プログラムを変更し、川本喜八郎氏の代表作の上映を行なう。
川本喜八郎 公式サイト /http://www.sakuraeiga.com/kihachiro/
飯田市川本喜八郎人形美術館
/http://www.city.iida.lg.jp/kawamoto/index.html