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この映像とドラマをどのように人々に届けるのか、『いばらの王 -King of Thorn-』の予告編をテーマに映像を学ぶ学生たちが挑戦したコンテストが、デジタルハリウッドとMySpaceの協力で実現した。「デジタルハリウッド×いばらの王 -King of Thorn-×MySpace 共同企画 学生オリジナル予告編コンテスト」である。
このコンテストの最終審査と『いばらの王 -King of Thorn-』の片山一良監督、製作会社サンライズの内山健二社長が登壇するスペシャルトークイベントが、4月28日にデジタルハリウッド東京本校で行われた。
予告編コンテストでは、サンライズが映画の映像素材などを提供する。それをデジタルハリウッドのクリエイター志望学生たちが自由に編集し予告編として作品応募する。作品は大手のSNS MySpaceの特設サイトで発表、それをもとに一般投票などが行われ最終審査となった。
今回はグランプリ作品に吉田優さん『Beginning』が決定した。片山監督と内田社長から作品へのコメントと受賞者への賞品の授与が行われた。
トークショーは「いばらの道」と題されて、登壇した2人により製作秘話などが紹介された。監督は苦労話として、作品のカット数の多さを「実はこの作品は1800カット(通常は800~1000カット程度)もありまして、工程表を見ながら、本当に終わるのかと心配になるくらいでした」と話した。
内田社長は「作品に関しては、やはり意見の衝突があるべくしてありました。しかし、そういった建設的な衝突がある作品だからこそ、より良い作品に仕上がったと思います」とプロデューサーからの視点だった。
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また、会場には映像業界志望者も多く、両氏からそうした若者に向かってのメッセージも語られた。「これから映像業界を目指す方に必要な力は?」との質問に、「想像力が大切です。文章で言うと行間が大切で、出来上がったものから何かを感じさせる力が必要だと思います」と片山監督は答える。
内田社長は「生存力です。業界には大勢の先輩や後輩達がいます。その中で生き残っていくためには、別業界の人と交流する・行ったことのない場所に行ってみる等の自分の裾野を拡げる努力が必要だと思います」と積極的な行動の大切さを強調した。
今回のイベント、トークショーは、USTREAMを通じて世界にライブ配信もされた。さらにtwitterを利用したコミュニケーョンも行われるなど、新世代アニメーションに相応しい新しい試みを随所に盛り込んだものとなった。
『いばらの王 -King of Thorn-』 /http://www.kingofthorn.net/
角川映画配給
5月1日(土)よりシネマサンシャイン池袋、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー